企業や組織で総務や経理部門を担当する方の中には、「協賛金」という言葉をはじめて聞くという方もいることでしょう。こちらの記事では、協賛金にまつわることについて説明をしていますので、今後の業務を進めるうえで、参考にしてみてください。
協賛金とは?
協賛金とは、祭事やイベント、プロジェクトなどの運営や、スポーツチームやアスリートの活動を応援する形で会社がスポンサーとして主催者側に支払う資金、金銭的な支援のことです。
協賛金を支払うことで、企業が自社のブランド価値を高めるきっかけにもなり、顧客認識のアップにもつながったり、社会貢献活動としても協賛金が活かされたりする場合もあります。このように協賛金は文化、スポーツイベント、公共プロジェクトなど、さまざまなシーンで重要な役割を担っているのです。
ここでは実際に協賛金がどのような形で使われているか、関係者の仕事や豆知識について説明をします。
協賛金の使い道は?
協賛金の主な使い道は、イベントやプロジェクト、特定のアスリートの活動資金として活用されます。受け取った協賛金はビジネスを運営する観点からも重要であり、協賛金を有効活用することで、不特定多数の方に対し自社イメージアップを図るだけでなく、商品の販売促進効果につながることもあります。
協賛金担当者の仕事は?
協賛金を担当する者が、運営者から協賛金の依頼が入った場合、まず上長宛ての稟議書を作成し、提出します。あわせて運営者側のメールやイベントなどの情報も一緒に共有しましょう。ただし、協賛金の金額と該当イベントの規模によって、管理職2名以上という体制で決裁がなされるケースもあるので、承認までに時間を要する可能性もあります。
協賛金に関する豆知識
企業単位(法人)で協賛金を取り扱う場合、総務や経理担当者は、金額の情報をはじめとする管理が必要です。また、経理部門の電子化による業務効率化とデジタル化などを目的とした、2024年1月1日に電子帳簿保存法が改正され、義務化されました(※改正前は任意)。改正後は、次のとおり協賛金に関する領収書や請求書を管理します。
出典:中小企業庁「ミラサポplus」(https://mirasapo-plus.go.jp/hint/17457/)(参照日:2024/05/20)
電子取引データ保存
請求書・領収書・契約書・見積書をはじめとする電子データを取引先とメールやチャットツールでやり取りをする際は、該当する電子データを保存しなくてはなりません。協賛金にまつわる請求書も領収書なども電子取引データの保存の対象となります。改ざんを防ぐためにタイムスタンプを付与したりするといったシステムで運用することが必要です。
出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf)(参照日:2024/05/20)
帳簿と書類のデータ保存
税務上保存が必要な帳簿と書類をパソコンなどのデバイスで作成した場合、プリントアウトせず電子データで保存をしなくてはなりません。また、訂正と削除といった履歴が残っているなどの「優良な電子帳簿」を満たした状態で保存を行えば、「過少申告加算税」の適用対象となります。ただし、これはあくまでも届け出を提出している場合に限るので、注意が必要です。
出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_02.pdf)(参照日:2024/05/20)
スキャナでデータを保存
紙ベースの領収書と請求書はスキャナー、またはデバイスのスキャナーアプリで画像データとして保存します。これまで紙ベースで保存していた書類がクラウド上になるので、保存するスペースを設ける必要もなく、ペーパーレス化につながります。さらに経理部門の作業効率化につながり、リモートでも災害が起きても書類の管理がしやすくなるでしょう。
出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_02.pdf)(参照日:2024/05/20)
まとめ
協賛金にまつわる概要や使い道、担当者の仕事についてまとめましたが、協賛するイベントやプロジェクトの規模、支援するチームやアスリートによって、金額も協賛までに至る流れは異なります。
そして、電子帳簿保存法が義務化になったことで今までのやり方とは違うこともあるので、前任者が在籍していればその人物に確認しつつ、協賛金の対応がスムーズにこなせるよう対応を進めましょう。