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離職防止のために有効施策とは?根本原因を探る組織サーベイ活用も紹介

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離職につながる要因は、人によって様々です。しかし、従業員の離職理由を分析していくと、いくつかの理由に分けられることがわかります。なにより、現場の声をもとに環境や制度を整えていくことは離職防止に向けた重要な取り組みになります。

今回は、離職が起こる原因の解説から現状把握に活用できる組織サーベイツールを紹介。そこから、課題解決につながる離職防止への取り組みについて考えてみたいと思います。

離職につながる10の原因

離職は、人事や管理職を悩ます問題です。2021年に厚生労働省が実施した「令和2年上半期雇用動向調査」では、年齢や性別ごとの離職理由が上げられています。

出典:P16「令和2年上半期雇用動向調査

割合が高かった離職理由は、男女ともに「給与等収入が少なかった」「職場の人間関係が好ましくなかった」「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」の3点です。

男性のほうが給与収入を離職理由に選ぶ割合が高い、若年層のほうが労働条件を気にする、女性では人間関係での離職理由が多いなど、それぞれの傾向はありますが、「給与」「人間関係」「労働条件」が大きな離職が起こる原因と見ることができます。

ただし、離職理由は一つのものだけでトリガーになるとは限らず、複数の要因が離職のきっかけとなるケースも少なくありません。具体的にはどのような状況であるのか、他の離職理由も含めて解説します。

1.長時間労働

長時間労働は体力的な負荷を高めるだけでなく、精神的ストレスの増加や企業への信頼低下につながります。とくに残業時間や長時間シフトなどの改善を従業員から申し入れても聞き入れられない場合は、職場を変えたほうが早いと離職に結びつきます。

2.人間関係が悪い

人間関係の問題が多い環境は、働く人の精神衛生状況を悪化させる恐れがあります。職場の人間関係で不信感が強くなると、悩みを抱え込んでしまいます。チームワークがうまくいかず組織から求められている気がしない、自分の能力を発揮できている実感がないといった感情が離職に結びつきます。

3.給与が低い

低い給与は、成果が正当に評価されていないという会社への不満につながります。金銭面のインセンティブは労働の対価としての短期的魅力が高いため、他社の好待遇と比較した際に転職を選ぶ心理が働きやすくなります。

4.仕事内容のミスマッチ

本人の希望する業務と会社から望まれている業務にミスマッチがある場合も、離職理由となります。すぐに離職につながるとは限りませんが、面談などを通じても希望の仕事にアサインされないといった経験が積み重なると、組織への失望感とあいまって離職がおこります。

5.育児・介護との両立が難しい

育児や介護など、仕事との両立が困難な状況でやむを得ずに離職を選択するケースです。個々の家庭によって事情が異なるため、育児休業や介護休業といった対象者が利用できる制度の整備や周知が重要です。

6.企業成長が見込めない

務めている企業の将来性を案じて離職につながるケースです。その背景には、業績不振や自社サービス・商品への不信感、上司・同僚への期待値の低さといった様々な要因が考えられます。

7.体調を崩したため

従業員の身体的・精神的な不調が退職につながるケースです。休職を挟むことで復帰する場合もありますが一概にはいえません。また、従業員の不調の背景に、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントといった人間関係の問題が含まれていることもあります。

8.転職でキャリアアップを狙う

積極的な理由での退職です。もっと専門スキルを磨きたい、より大きなプロジェクトに関わりたいといった考えから他社へ転職します。まだ転職先が定まっていない場合は、本人にキャリアの意向を聞き配属等で対応することで離職を防げる場合もあります。

9.柔軟な働き方が困難

リモートワークの環境が整っていない、副業が許されないなど、柔軟な働き方が整備されていない職場から去るケースです。背景には、育児・介護との両立や配偶者の転勤、本人のキャリアの意向などが含まれている場合もあります。

10.福利厚生が整っていない

福利厚生といっても、住宅手当など生活の補助となるインセンティブを求めているとは限りません。ベビーシッターの補助費用といった仕事と家庭の両立を助けてくれる制度や、セミナー参加費補助などキャリア形成のサポートに不満を抱いているケースもあります。

離職防止のための3つの取り組みポイント

離職率を下げるには、なぜ離職するのか、その理由を把握し対策を立てる必要があります。取り組みの3つのポイントを紹介します。

1.退職理由を聞き取る

退職届が出されたら、黙って受理するのではなく聞き取りを行うことが離職防止につながります。

聞き取りでは、退職を希望する従業員がなるべくリラックスして話せる場を用意します。直属の上司でなくても、人事の聞き取りのほうが適している場合など、それぞれに適した人と面談させることがよいでしょう。

面談では、本人の考えや意向を傾聴する姿勢を大事にします。不満を訴えられた際には、「ほかの従業員も我慢している」「会社の都合だから仕方ない」と言い訳をしたり開き直るような言動は好ましくありません。

たださえ退職前の面談では、従業員本人も「引き留められるのでは」「不満を訴えたら波風が立つのでは」と緊張しています。真摯に耳を傾け、なるべく客観性を保った視点を忘れずにいましょう。

2.現場の状況を把握する

退職理由の聞き取りでは、「給与面」「労働条件」「人間関係」など様々な不満が聞かれます。そこで上げられる理由は、人によって違うかもしれません。聞き取りを離職防止につなげるためには、より広範囲で現場の状況を把握する必要があります。

定期的な上司と部下の1on1面談や、サーベイを利用した従業員満足度調査などをもとに、いま働いている従業員がどのような不満を抱えているのか。また、どのような働き方や組織のあり方を理想としているのか把握に努めましょう。

3.自社に合った対策を行う

把握した現場の実情にあわせ、自社で行う取り組みを決定します。離職理由は、これまでにも紹介したとおり人によって様々です。そのため、自社が必要とする人材にどのような離職傾向が強いのかを見極め、それに合う対策を行いましょう。

たとえば、現場で多数を占める若手スタッフの離職率が高い場合、背景には「将来のキャリアへの不安」や「給与アップへの不満」があるかもしれません。そうしたケースでは、正社員登用やリーダー・マネジメント職への昇給制度・スキルアップ研修を周知するとともに、評価制度を見直すことが改善につながるかもしれません。

自社の状況を把握するための組織サーベイツール

自社の状況を把握するため活用できるのが組織サーベイツールです。組織サーベイツールとは、アンケート等を用いて従業員の満足度を数値化します。それにより、満足している箇所や課題を可視化。離職防止のために改善するべき問題点を洗い出せます。

組織サーベイツールの検討の際は、回答の負担がかかりすぎないか、継続運用に向けた予算感は合っているか、サーベイの方針や分析結果が自社に適しているかどうかがポイントです。

離職につながる要因を探る「ハイジ」|株式会社OKAN

ハイジ」とは、人材が定着する15要素で構成された組織サーベイツールです。

組織、部署、個人のそれぞれのレイヤーでの課題を可視化し、離職につながる要因を探ります。アンケートは10分で手軽に回答が可能な形式であり、カスタマイズも可能です。

コミュニケーション活性化で離職防止に「INSIDES」|株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

INSIDES」はマネジメントのノウハウをもとにした組織サーベイツールです。メンバーの状態を可視化し、フォローが必要な部下を早期に発見。

さらに診断結果をもとにしたレポートでは、最適なアドバイス方法を掲示。上司と部下のコミュニケーションを活性化させ離職率低下につなげます。

従業員エンゲージメントを可視化する「モチベーションクラウド」|株式会社リンクアンドモチベーション

motivationcloud

モチベーションクラウド」は、簡単なアンケート調査を国内最大級のデータと照らし合わせ、従業員エンゲージメントと組織の状態を可視化する組織サーベイツールです。

従業員エンゲージメントとは、従業員と組織が互いに貢献し合う絆の強さを表します。離職率の高さなど、優先的に取り組む課題を診断します。

手軽なツールで回答しエンゲージメント低下を察知する「wevox」|株式会社アトラエ

わずか3分の回答で組織や個人のエンゲージメントを可視化する組織サーベイツール「wevox」は、PCやスマホから気軽に回答が可能。

普段業務で使用するSlackなどのコミュニケーションツールからも答えることができ回答のし忘れを防ぎます。結果はリアルタイムで集計・分析され重要な変化を自動で抽出します。

従業員のモチベーション把握や採用ミスマッチの分析にも「カオナビ」|株式会社カオナビ

カオナビは、組織の人材情報を可視化し人事・経営・現場で共有することで戦略的人事を実現させるタレントマネジメントシステムです。

従業員のモチベーションを分析して離職防止につなげるほか、組織のハイパフォーマーを分析し採用のミスマッチを減らしたり、従業員のキャリア希望を集約しながら人材配置の検討が可能です。

離職防止のための7つの取り組み

離職率が低く、人材が定着しやすい組織とは、「給与」「人間関係」「労働条件」といった3大離職理由とあわせ、そのほかの離職理由となっている点の不満が少ない企業といえます。

つまり、言語化すると以下のような特徴が上げられます。

・組織から求められる目標が明確であり、かつ成果が客観的に評価される人事制度がある
・社内コミュニケーションが活発で、お互いにサポートし合う意識が強い
・育児休業や介護休業など、自分と異なる働き方をする人々への理解が強い
・テレワークや時短といった柔軟に働ける環境が整っている
・定期的な面談で話したことが、目標設定や異動に反映されている
・従業員の自律的なキャリア形成をサポートする仕組みがある
・休日がとりやすく、勤怠管理が適切に行なわれている

離職率が低い企業と比べ、自社に足りない点を考えてみるのもいいでしょう。以下に、具体的な取り組みをご紹介します。

1.柔軟な働き方を整える

育児や介護、病気やケガ、配偶者の転勤など、「働く状況の変化」は誰にでも起こりうるものです。働く場所や時間帯を本人の希望に合わせて柔軟に対応できる制度は、就労の継続を後押しします。

【働く場所に柔軟に対応できる取り組み】

・出張先や自宅などでもオフィスと同環境で業務できるよう社内インフラを整備する
・自宅や近所のワークスペースでのリモートワークを許可する

【働く時間の柔軟性を高める取り組み】

・フレックスタイム制の導入
・半日休暇や時間単位での有給取得の周知

ほかにも、業務を属人的にさせず見える化すること、バディ制や多能工化で急な欠員にも対応できるチーム体制を整えることも、働き方の柔軟性を高めます。

2.社内コミュニケーションを活発化させる

社内コミュニケーションの活発化は、離職の大きな理由である「人間関係」に関わります。

日頃からコミュニケーションを取っている組織では、ちょっとした悩みを気軽に相談できる雰囲気が生まれます。また、成果を上げた人などに祝福や感謝の言葉を伝えると、本人のモチベーションアップにつながります。

分業化が進むと、「自分の仕事さえ出来ていればいい」という感覚が従業員の間で生まれがちです。「あの人はさぼっている」「自分ばかりが苦労している」といった誤解を生まないためには、仕事内容の共有や日々の雑談が必要なのです。

【社内コミュニケーションを活性化させるには】

・部署やチームのミッションの理解を促進させるようなイベントの実施
フリーアドレス制の導入
メンター制の導入
・朝会や夕会での業務内容の共有
・定期的な上司との面談の実施
・Slackやzoomなどオンラインコミュニケーションツールでの交流の工夫

社内のコミュニケーションの接点は上記にあげたものに限定されません。多様な角度でコミュニケーションをとることが、人間関係の硬直化や悪化を防ぎます。

3.人事評価制度を整える

組織に合った人事評価制度は、従業員の満足感を高めます。報酬への不満を減らすほか、仕事内容とのミスマッチを防ぐことにもつながります。適切な人事評価制度には、従業員の仕事の成果を公平かつ客観的に評価していること、そして評価が報酬に反映されていることが大切です。

【適切な人事評価制度のポイント】

・評価者の主観ではなく、成果を客観的に評価する基準がある
・評価者の価値観に左右されずに、基準にしたがって公平に評価がなされている
・評価のための基準やルールがオープンにされ、かつ評価の根拠が明確である
・評価を受けた本人が、適切なフィードバックにより納得し次の成長につなげられる

人事評価制度は、昇給や昇格に反映させると同時に、従業員の仕事へのモチベーションを支える重要なツールです。組織から何を期待されているのか、自分がどれだけ成長できたのか、課題はなにか、成長するためにどんな行動をすればいいか……こうしたことを人事評価を通じて従業員は理解します。さらに評価のフィードバックで上司と部下がキャリアへの意向や課題をすり合わせることで、適材適所を実現する配属にも役立ちます。

4.インセンティブ制度を行う

インセンティブ制度は、従業員の働くモチベーションを向上させる効果が期待できます。さらに成果を公平に評価されることで仕事への不満感を減らし、健全な競争は企業成長にもつながります。

インセンティブ制度の代表的なものは金銭的報酬ですが、それ以外にも様々な評価形態があります。たとえば、仕事の成果がMVPなどで表彰されると人は「褒められた」と心理的評価を得ます。また、自分の仕事が組織のミッションに貢献していると実感できると、自己実現欲求が満たされ理念的インセンティブや自己実現的インセンティブにつながります。

【インセンティブ制度の種類】

・賞与や目標達成に応じた手当
・MVPなど行動や成果に基づいて表彰制度
・社内独自のポイントを付与し、物品等に変換できる制度

インセンティブ制度は運用次第で従業員の間に不公平感を生むデメリットもあります。そのため、一部の優秀な従業員だけが評価されるのではなく、全ての従業員の行動・成果が公平に評価されるよう配慮しなければいけません。

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5.キャリア支援を企業が主導して行う

「自分が成長しているかわからない」「仕事にやりがいを感じない」といった停滞感は、仕仕事への不満の種となります。人材が新しい活躍の場を目指して組織から流出することを100%止めることはできませんが、キャリア支援を通じて「選ばれる職場」になることは可能です。

キャリア支援の形は、昇格・昇給だけではありません。従業員が自らキャリア形成について考え、望むキャリアを進めるよう手助けすることもキャリア支援です。仕事に求められるスキルを伸ばし、中長期的な視野でキャリアを描けるよう、企業は研修や職場環境の整備等で支援することができます。

【キャリア支援の取り組み例】

・キャリア形成について従業員が考える機会の提供
・スキルアップのための研修実施
・社内公募の積極的活用でキャリアの幅を広げる
・ライフステージにあわせて選べるキャリアを整備

組織が個人の職業人生でのさらなるステップアップを支援してくれるという実感は、組織への貢献度合を高め、人材の定着につながります。

6.人材育成に力をいれる

入社したばかりのタイミングでは、自らの能力と与えられた仕事内容とのギャップを感じやすいものです。組織内でのキャリア形成のイメージが描けないため、目の前の仕事と将来の自分の姿が一致しないということも起こり得ます。また、仕事でうまく成果を発揮できていない場合、精神的ストレスが高まります。

こうした事態を防ぐには、対象にあわせた人材育成が大切です。たとえば、新卒入社の従業員の場合、企業理念や事業内容、各部署の役割など所属する組織を理解することで、「自らの仕事とのつながり」を学びます。また、研修で基本的なビジネスマナーや職務に必要なスキルを身につければ、仕事で成果を出しやすくなります。

中途入社の従業員の場合は、オンボーディングプログラムを充実させ、組織になるべく早く馴染めるようにサポートします。

【人材育成の例】

・社会人マナーや仕事の基礎を学ぶ新入社員研修
・若手従業員むけの職種ごとのスキルアップ研修
・カリキュラムが選べるeラーニング
・管理職むけのマネジメント研修

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7.定期的な組織サーベイの実施

組織の状態を把握するための組織サーベイツールですが、1回きりで終わってしまったり、レポートに目を通すものの後は放置したりでは意味がありません。組織サーベイは、定期的かつ継続的に実施することが重要です。さらに、実施したあとの結果を分析し、組織の課題を洗い出したうえで人事や現場の取り組みに反映させます。

この際、離職率低下や育休取得率といった「目標にするべき指標」を立てるとよいでしょう。定点観測で指標の推移を観測することで、組織改善がうまくいっているかどうかを計ることができます。

【組織サーベイツールで目安となる指標例】

・育児休業の取得率や復職率
・離職率
・個人やチームの目標達成率

人材定着・従業員活躍のための「リテンションマネジメント」

これまでに紹介してきた取り組みは、人材定着をうながす「リテンションマネジメント」に含まれるものです。リテンションマネジメントとは、人材定着・従業員活躍のための管理手法であり、自社に所属するメンバーが長く働き続けられるようにするための考え方になります。

リテンションマネジメントには、「福利厚生」「働く環境整備」「適切な評価」「報酬」といった、まさに離職防止と関連する要素が含まれています。離職率を低下させ人材定着にむけた各種取り組みは、組織のリテンションマネジメントにつながります。人材が定着すれば、採用コストの縮小や業績の向上といった効果も期待できるでしょう。

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執筆者 Writer

おかんの給湯室編集部

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