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業務効率化

出張旅費規程で節税を!業務効率化にも効果大な作成のコツお伝えします

業務効率化


出張が多い企業だと、膨大となる交通費や宿泊費。経理上の処理業務も圧迫されてしまいます。それを一気に解決してしまうのが「出張旅費規程」という社内の取り決めです。今回はこの「出張旅費規程」の定め方も含め、基本から解説していきます。

出張旅費規程とは?

出張などの旅費について社内で取り決めたのが「出張旅費規程」です。法律上は、旅費規程の定めはないため、個々の会社が妥当だと思う内容や金額などを決めることができます。

具体的には「日当12,000円」「タクシー利用は1回3000円以内」「遠隔地の場合は前日から宿泊可能」といったもので、法人格の会社のみが定めることができます。

実費を下回る額を支給することはないため、一般的には実費がはみ出さない金額が設定されています。

出張手当と出張旅費の違い

どちらもおおまかに想像できる意味合いは同じですが、両者には明確な違いがあります。

出張手当…出張時に実際かかった費用を実費で精算したもの
出張旅費…企業の内規で定めた手当

出張旅費を定めるメリット・デメリット

メリット:① 費用を固定化し経費精算から開放

多くの社員が頻繁に出張に行く企業の場合、毎回の出張ごとに「ホテルはここを使った」「この駅で乗り継いで片道いくらだった」「会合で飲食代がこれだけかかった」などと、細かい事例から経費を一つ一つ計算していくと、これだけで膨大な作業量になってしまいます。

出張での経費を申請する側も、申請された経費を確認する経理の側も、他の仕事が滞ってしまいます。領収書の管理だけでも結構な手間です。これを解決しようと工夫したのが出張旅費規程です。

出張旅費規程の下、距離や日数などに応じて固定額を支給することで、煩わしい経費精算にかかる事務作業を大幅にカットすることができます。

メリット:② 節税対策になる

出張旅費規程が定められていれば支給額は経費となり、会社にとっては節税になります。従業員にとっても支給額は所得税の対象となりません。(詳しくは別の章で解説します!)

デメリット:実費より高額な支出になることも

経費の計算が楽になる分、固定額での支出は実際にかかった経費よりも多く支払うケースが想定されます。対象は全従業員であるため、全体としての支出額が増大することになります。

出張経費に含まれるのはどこまで?事前に決めておくべきこと

旅費の定義づけは各企業で

「何を旅費と見なすか」をしっかりと定め、経理上で明確にしていくためにも、出張旅費規程の整備は有効です。

その会社が何を出張旅費として認めるかについて、法律上では決められていません。
ただ、多くの場合は交通費や宿泊費、慰労のための日当を旅費として解釈する企業が多いです。

大事なのは、出張旅費規程で「出張時の発生費用を、どこまで旅費として処理するか」をしっかりと定めるということです。出張先の名物を食べて心を休める費用や、遠隔地にいるがゆえにかさんだ電話代を“旅費”と見なすかどうかは各企業により異なるでしょう。出張先で取引先と食事に行った時の費用などは、目的によっては「会議費」として処理しなければならないケースもあります。

「何が旅費か」としっかりと線引きをしておくと、出張する従業員も安心して仕事に望めることでしょう。

例外規程も定めましょう
出張旅費規程では出張手当が固定額での支給となります。ただし、出張時のアクシデントなどで急な出費が発生する可能性があります。そのような事例に備えて例外規程も定めておくと安心です。

海外出張時に対応した規程でトラブル回避
海外出張に対応した規程も定めておくと便利です。例えば通訳や翻訳にかかる費用や海外保険など、国内では不要でも海外では必須な費用もあるからです。また、行き先の物価事情なども実情に反映させることも求められるでしょう。

出張旅費規程を作る際の注意点

規程は必ず定めること

出張旅費規程を定めていないのにも関わらず、出張にまつわる手当を支給すると、給与とみなされます。課税対象となるので注意が必要です。

対象者は全社員に

出張旅費規程の対象者は全社員としなければなりません。役員も全て含みます。ただし、役職で支給額の差をつけることは可能です。その旨をしっかりと記載しておきましょう。

企業側の正式な承認を受ける

規程を定めた後は、株主総会や取締役会などの正式な意思決定機関から承認を受けて、会社の正式な規程であることを証明しなければなりません。

支給金額を妥当な額にする

出張旅費の支給額は、交通費や宿泊費、日当などに関して“妥当”であることが求められます。ここでいう“妥当”とは、同業種で同規模の会社が、一般的に支給している額と同様である、ということです。あまりにも高額な支給額だと、会社の経費として認められない可能性があります。

出張報告書を作る

出張旅費規程に基づいた日当などの支給では、領収書が不要です。そのため税務署への証拠となる書類として「出張報告書」を別途作成しなければなりません。特に書式の決まりはありません。出張先での業務を記録し、支給額などの根拠として活用されます。

出張旅費規程を作ってみましょう!

それでは実際に出張旅費規程を作ってみましょう。ポイントは以下の通りです。

①目的を決める

まずは目的を定義します。
例)この規程は、就業規則第○条に基づき、業務のため出張または転勤赴任する際の旅費や手続きについて定める。

②出張旅費規程の適応範囲を決める

出張旅費規程の適応範囲を決めます。対象者は役員を含めた全社員ですが、例えば役員への支給額などを別で規程しても構いません。
例)役員が出張する場合の旅費は1.5倍として定める。

もしくは「役員以上の出張旅費規程は、別紙において定める」として、別枠で作っても構いません。

何を旅費の対象にするか明確にすることも大切です。業務上の出張だけではなく、支社間の転勤などにかかる交通費や引越し費用なども定めることができます。

例)旅費は、次の3種類に区分する。
a)国内出張旅費(交通費・宿泊費・日当)
b)研修費
c)転勤赴任旅費(支度料・交通費・宿泊料・日当・運送荷造費)

③「出張」を定義する

隣の県まで仕事で出向いた時、それが”出張”なのか“移動”なのかは意見が分かれるかもしれません。会計上の処理も近距離なら交通費、遠隔地なら旅費として分別されます。ほとんどの会社が距離によって出張を定義しています。

例)本規程は、勤務地を起点に約50km以上、100km以内を「近出張」、100km以上を「遠出張」と定める。

出張旅費規程はあくまで社内規程なので、例えば「20km以上離れたら出張」という取り決めももちろん可能です。

④旅費の項目をそれぞれ定める

“旅費”に含まれる項目の整理も必要です。旅費の種類は、大きいものでは主に「交通費」「宿泊費」「日当」の3つです。この項目について、場合ごとの支給額などそれぞれ決めていきます。

a)交通費
次の区分に分けられます。この項目は実費精算です。
鉄道、航空機、船舶、タクシーその他の交通

あ)鉄道
例として、「近出張」ではローカル線の利用を規程し「遠出張」では、特別急行、寝台車、新幹線の指定席を利用出来るなどを規程しておきます。役職などの関係からグリーン席の利用が望ましい場合は、その旨もそれぞれ規程しておきます。

い)航空機
飛行機については距離を基準にして、ある一定の距離以上は使用を認めるという旨の記載をしておくと良いです。基準となる距離より近くても、島嶼部であるためどうしても飛行機の利用が必要なケースなど、特殊な例もあるかと思います。その場合は例外として「上長の承認を受けた場合」など柔軟に対応できるようにしておくと吉です。

例)沖縄・九州・四国・北海道地区への出張は、航空機を利用することができる。ただし、島嶼部など航空機の利用がやむを得ない場合、その限りではない。

う)船舶
1等室、2等室などの区分明記が必要な場合は、その旨も明確にしておきます。

え)タクシーなど
場所によっては公共交通機関が軟弱で、タクシーなどを使うこともあるかと思います。「上長の承認を受けた場合に乗車出来る」「公共交通機関の待ち時間が30分を超える場合」などと定めておきましょう。

b)日当について
会社側で自由に設定できます。1日あたりの一律金額にしておいた方が経理の処理も簡単かもしれません。役職に応じて変更する場合は、それぞれ分けて規程します。出張自体が長期に及ぶ場合、日当総額が高額になってしまう可能性がありますので「5日を越える場合は、6日目から標準日当の8割の支給とする」などと制限を設けるのも一策です。

c)宿泊料
この項目も実費精算です。
施設によって宿泊料はまちまちで、行き先によっては施設の選択肢も限られるかもしれません。1日の上限のみを定めて幅を持たせ、掛かった費用を実費清算にすると、必要以上の経費を抑えられ、出張する従業員も安心して宿を選べます。

d)その他「食事代」など
出張先の食事は基本的に外食となるため、費用がかかります。会社としては従業員のために一定額の支給をするのが望ましいです。朝食、昼食、夕食などそれぞれの食事に値段幅を設定して、その中で食事をとってもらうことにすれば、想定額からは外れないでしょう。出張の開始時や終了時の時刻から「出張最終日の勤務が12時を超える場合は、その日の昼食まで食事代の支給が認められる」など、具体的に規程しておくと無難です。

⑤出張手続きや金銭のやり取りについて

出張時に発生する費用について、事前に会社側が仮払いするのかなど、予め決めておくと金銭を巡るトラブルを防止できます。大事な項目です。

旅費の仮払
事前に仮払いをしておいて、後日精算するのがベターでしょう。

例)旅費は、出発前に予算金額以内で仮払いを受けることができる。
例)旅費は、帰任後3日以内に、所定の書式により精算しなければならない。交通費、宿泊費に関しては領収書などを添付することとする。

出張旅費規程の見本

以上の点を踏まえた、出張旅費規程のサンプルはこちらです。

(適用)
第1条
この規程は、社命により国内出張する場合の旅費等の取り扱い及び手続きに関する事項を定める。

(出張の定義)
第2条
1 日帰り出張:勤務地のある市町村を起点とし、片道30km以上の目的地に出向き、宿泊を必要としないもの。
2 宿泊出張:勤務地を起点とし片道30km以上の目的地に出向き、宿泊を必要とするもの。30km以内でも宿泊が必要な事情が認められる場合は、上長の許可により宿泊出張として認められる。

3 この規程において、「旅費」とは、交通費、宿泊費及び日当を指す。

(交通費、宿泊費、日当)
第3条
1 交通費は「別表一」で定める定額を支給する。
2 宿泊費は宿泊日数に応じて「別表二」で定める定額を支給する。
3 日当は「別表三」で定める定額を支給する。
4 事情により自動車による出張を行わざるを得ない場合には、あらかじめ上長の許可が必要となる。

(その他の費用)
第4条 出張中、やむを得ずタクシー等を利用した場合あるいは社用のために要した通信費、運搬費等については請求により実費を支給する。

(出張手続及び仮払い)
第5条
出張をする場合は予め上長に報告し、承認を得ることで仮払いを受けることができる。

(出張報告及び精算)
第6条
出張の報告及び旅費の精算は、出張報告書及び出張旅費明細書を作成し、担当上司の決裁を経て経理にて精算すること。

(証明書等の提出義務)
第7条
出張者が業務上、やむを得ない事情で追加の支出が生じた場合、それに伴なう領収証を提出し、精算しなければならない。

(出張期間中における休日の取扱)
第8条
出張期間中に休日がある場合は次のとおり扱う。
1 業務活動を行なった場合
日当、宿泊費等通常のとおり支給、振替休日を認める。休日を移動のみに使用した場合、半日分の勤務と見なす。

2 業務活動を行なわなかった場合
宿泊費及び外食費のみを支給し、日当は支給しない。なお、外食費については実費を支給する。

(その他)
第9条
本規程で処理できない場合は、その都度協議にて処理する。

付則
この規則は、令和●年●月●日から施行する。

出張旅費規程で節税対策

出張旅費規程で定めた支給額そのものが“経費”として認められるため、非課税の対象となります。会社側にも従業員側にも、節税の観点から言えばメリットがあります。

会社側のメリット

会社にとっては法人税も消費税も住民税も納付額が安くなります。
非課税の対象となる旅費の範囲について、国税庁は①支給額が従業員・役員全体から見て、(社内的に)適正なバランスを保った基準で計算され②同業種、同規模の会社と同じ程度の金額相当であるかどうかーの2点から判断しています。

従業員・役員のメリット

出張手当で受け取った金額は、あくまで経費であり給与ではないので、所得税と住民税が課税されません。出張手当を50万円もらえば50万円が、100万円もらえば100万円がそのまま年収に上乗せされるイメージです。出張手当は固定額で支給されるので、出張中に使わなかったとしても“非課税の収入”として受け取ることができます。

以上のように、会社として比較的自由に内容を設定できる“出張旅費規程”を取り決めることで、交通費や宿泊費を一気に非課税にできます。節税の初歩とも言われていますので、もしもまだ対応していない経営者の方などはぜひ実践してみるのも良いかもしれません。

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Writer 執筆者

おかんの給湯室編集部

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