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リワークプログラムとは?復職支援の内容や利用の流れ、詳しい取り組みを解説

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2021/01/15

2021/03/30

社内にうつ病などが原因で休職している従業員がいる場合、復職に向けて企業側がどのような対応を行うべきか、従業員にどのように接したらいいか、とまどうことがあるかもしれません。

そのような場合に頼れるのが、職場復帰に向けたリハビリテーションを実施する機関で行われている「リワークプログラム」です。本記事では、リワークプログラムの内容や利用の流れ、メリットなどを解説していきます。

リワークプログラム(復職支援プログラム)とは?

「リワークプログラム(復職支援プログラム)」は、精神的な不調で休職している従業員が、スムーズに職場復帰するために行うリハビリテーションプログラムのことです。

休職している従業員が復職する際、たとえ症状が改善していたとしても、企業側としては「どのようなケアをすればよいだろうか」「再発させてしまわないだろうか」と悩みが尽きないものです。また、当人も「以前と同じように働けるだろうか」という不安を抱えているかもしれません。

そのような場合に頼れるのがリワークプログラムです。リワークプログラムの参加者は、決まった時間に施設へ通い、レクレーション、疾病教育や認知行動療法などを受けます。プログラムを経ることで、参加者は生活リズムや体力、業務に必要な集中力などを回復した状態で復職に臨めるのです。

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リワークプログラムの種類や費用、実施機関の違い

リワークプログラムには、主に以下の3つの種類があります。

1.医療機関による「医療リワーク」
2.地域障害者職業センターによる「職リハリワーク」
3.企業内で実施する「職場リワーク」

その他、就労移行支援・就労継続支援事業所などの施設でも実施されています。

主な3つのプログラムの内容や費用について解説します。

医療機関による「医療リワーク」

医療機関でのリワークプログラムは、多職種の医療専門職(医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理職など)による医学的リハビリテーションとして実施されます。主な目的として、働き続けるための病状の回復と安定を目指したものです。

医療リワークは精神科治療の一環とみなされ、健康保険を利用できます。とはいえ、所要期間は平均3ヶ月〜7ヶ月程度とある程度の期間が必要となりますので、月当たりの費用が高額になる可能性もあります。自立支援医療制度を活用し、費用の上限を抑えることが推奨されます。

地域障害者職業センターによる「職リハリワーク」

地域障害者職業センターは各県に1カ所以上設置されている施設で、そこで実施されているのが「職リハリワーク」です。支援プランに基づいた復職支援が主な目的で、医療リワークとのような「治療」ではありません。

職リハリワークでは、休職者本人・雇用主・主治医の三者の間を職業カウンセラーがつなぎ、3ヶ月~5ヶ月程度の職業リハビリテーションを実施して、職場への適応を支援します。

費用は労働保険でまかなわれるため無料ですが、公務員は利用できません。

企業内で実施する「職場リワーク」

独自の職場復帰訓練制度を設けている企業もあり、この制度をリワークと呼ぶこともあります。企業や役所によっては内部に医療機関やリワークの専門部署が存在したり、EAP(従業員支援プログラム)サービスを利用したりする場合もあります。

休職者が復職後安定した就労ができるのかを見極め、再休職を防ぐことを目的としていることが多いようです。費用は企業側での負担となります。

提供される内容も企業によってさまざまです。

(例)
・休職者が安心して療養できるように情報提供を行う
・相談先や支援サービスの情報を提供する
・復帰の際に具体的な復帰プランを作成する

リワークプログラムの取り組み内容

プログラムの内容やスケジュールは実施機関によってさまざまですが、だいたいは下記のような取り組みを適宜組み合わせて構成されています。どのような取り組みが実施されるかを事前に問い合わせて確認しておくことでミスマッチを防げるでしょう。

個人での作業課題(オフィスワーク)

「オフィスワーク」とも呼ばれます。復職時に行うような仕事を想定した作業を行い、仕事をするための集中力を回復させます。まだリワークプログラムに参加したばかりでこのような作業を行うのが難しい場合は、読書などを行うことで集中力を高める場合もあります。

ストレス対処のための振り返り・心理教育

「自分がストレスをどのような原因や場面で感じるか」を分析していく内容です。このプログラムでは、自分が無意識に陥ってしまう思考パターンや、考え方の癖に気づき、ストレスに対する対処法を学びます。また、病気そのものを理解するための心理教育のプログラムも用意されています。

キャリアデザイン

今までのキャリアを振り返ります。自分にどのようなスキルが備わっており、どのような仕事ができるのか、今後どのようなキャリアを想定しているのかを考えていきます。資格に関する学習を行うこともあるようです。

集団認知行動療法(GCBT)

自分の考え方や状況の受け止め方の癖に気付き、より適切な考えや受けとめ方に切り替え、セルフコントロールしていく方法を見つけていきます。

グループミーティング

参加者同士で集まり、復職に関する心配な事や、自分の症状など、さまざまなテーマについて話し合います。近しい悩みを抱える他の参加者と交流することで、自己理解を深めたり、発見や気づきを得ることができます。

グループでの対人技能訓練

参加者同士で「上司」「部下」「同僚」など役を割り振って、共同作業などを行います。

この対人技能訓練は「ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)」とも呼ばれています。自分が苦手とする場面でのコミュニケーションをロールプレイで練習することで、対人関係における問題解決能力や対人スキルの向上などを向上させるねらいがあります。

その他

体力回復のための軽い運動や、グループディスカッション、グループでの軽作業を行うプログラムもあります。スタッフとの個人面談も定期的に実施されます。

リワークプログラムの流れ

リワークプログラムを受けるには、まず症状が安定、もしくは回復していると医師から判断されている必要があります。まずは休職者自身の体調を整えることが第一です。

実施機関によっては、最初のうちは週に3回の通所から始まることもあります。まずは決まった時間に通所して生活リズムを整えることから始まり、少しずつ心身を慣らしていきます。通所の回数が増えていくと、実施するトレーニングも集中力アップや体力アップ、注意力、コミュニケーション能力など、復職に必要な能力を得るものへシフトしていきます。

プログラムが終わり、職場復帰した後も、再発・再休職予防のためのアフターフォローをしてくれる機関もあります。復職後には、健康に働き続けるためのノウハウや、ストレスへ対処法を学べるようです。

リワークプログラムの効果

リワークプログラムを受けることの効果は「職場復帰がスムーズにできること」だけではありません。休職の原因となった症状やストレスの根源へ向き合うことで、復帰後の再休職や不調を防げることも、大きなメリットのひとつです。

休職者が、自身のストレスや精神的な症状へ向き合えるような取り組みには、以下のようなものがあります。

・精神保健衛生士や臨床心理士とともに、なぜその症状が発生したかを理解する
・認知行動療法を行い、無意識の中の自分の思考パターン・行動パターンを理解することで、ストレスや不安感を軽減させる
・生活リズムを整えることで、疲労や気分の波を把握し、自己管理がしやすくなる

このような取り組みを経ることもあり、リワークプログラムを受けてから職場復帰した人のほうが、そうでない人よりも再休職率が低いという研究報告もなされています。

参照:情報、資料|一般社団法人日本うつ病リワーク協会

リワークプログラムが合う人・合わない人

リワークプログラムは、うつ病、それに準ずる気分障害の症状や精神的な不調を持つ人に向けたものです。そのような症状で休職している人が職場復帰を目指すには有効ですが、その他の要因で休職している場合は必ずしも有効ではありません。

リワークプログラムが合う人は、下記のような人です。
・うつ病やそれに準ずる症状によって休職し、回復した人
・ひとりだとやる気が出ないので、集団の中でトレーニングしたい人
・人と関わることで学びや気づきを得たい人
・生活リズムを整えたい人
・さまざまな人と交流したいと思っている人

一方で、下記のような疾患を持つ人にはリワークプログラムが合わない可能性があります。
・強迫性障害
・パニック障害
・社交不安障害

上記のような疾患のある休職者は、リワークプログラムよりも、不安への対処スキルを身につけることが効果的です。「ストレス・コーピング(ストレスへの対処行動)」について、主治医に相談することから始めましょう。

リワークプログラムでスムーズな職場復帰を

従業員が安心して復職し、職場復帰後も健やかに過ごしてもらうため、リワークプログラムの利用を勧めるのはひとつの手段でしょう。それと同時に、休職者を出さないための、従業員が不調に陥るのを防ぐような職場環境づくりも不可欠です。

より働きやすく、従業員がのびのびと業務に携われるような職場作りをぜひ心がけてみてください。

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Writer 執筆者

おかんの給湯室編集部