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組織開発

リテンションマネジメントで長く働ける会社づくりを!取り組むメリット・ポイント

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人材不足が叫ばれる現代日本において、従業員全員が長く働き続けられる環境を作り、離職を減らすことは、企業を成長させていくために必要不可欠です。

そんな中、「リテンションマネジメント」に近年注目が集まっています。企業の魅力を高めて人材の流出を引き留めるこの手法について詳しく解説します。

リテンションマネジメントとは?

リテンションマネジメントは維持・引き留めを意味する「リテンション(retention)」と人事管理に使われる「マネジメント(management)」を組み合わせた言葉で、人材定着・従業員活躍のための管理手法です。自社に所属する従業員が長く働き続けられるようにするためのヒントとなる考え方です。

リテンションマネジメントについて、海外や一部の専門家は「優秀なハイスキル人材を定着させる方法」と定義していますが、この記事においてはハイスキル人材かどうかに関わらず「自社に所属するメンバー全員が、長く働き続けられる方法」として取り扱います。

人材定着を行うことは、従業員にとっても、企業にとっても多くのメリットがあります。そのためには、長く働き続けられる環境が整った組織作りが重要となるのです。

なぜ今リテンションマネジメントが注目されるのか

ではなぜ今、リテンションマネジメントが注目されているのでしょうか? そこには、現代の日本全体が抱えている社会問題や、雇用への考え方の変化が関係していました。

人材不足

人材不足や労働力不足は、日本のあちこちで叫ばれています。少子高齢化で10代後半~60代の「労働力となる世代」の人口が減少し、高齢の従業員は退職してしまうため、結果的に人材不足に陥っているのが現状です。

また、求職者の数よりも求人の数が多い、いわゆる「売り手市場」であることも人材不足の原因となっています。

離職率が高い・人材定着しにくい

終身雇用があたりまえだった時代とは違い、今では「労働条件が悪い」「人間関係や社風が合わない」と感じたら転職する、という考え方が一般的になり、3年内離職率は30%とも言われる時代です。

そんな現状から、多くの企業が人材定着のための施策に取り組んでいるようです。厚生労働省の「平成30年若年者雇用実態調査の概況」データによれば、何らかの対策を実施しているのは実に72%の事業所。


参照:平成30年若年者雇用実態調査結果の概況|厚生労働省

「職場での意思疎通の向上」「本人の能力・適正にあった配置」「採用前の詳細な説明・情報提供」といった対策をとっている企業が多く見受けられます。

しかし離職率は依然として高いまま。つまり、各企業が取り組んでいるリテンション施策は、効果的ではない可能性があるということです。

では、どのようなことを意識すると効果が出やすいのでしょうか? ここからは実際にリテンションマネジメントに取り組むときのポイントをご紹介していきます。

施策へ取り組むことによるメリット

リテンションマネジメントに限ったことではありませんが、新たな施策を取り入れる際にはまず目標(ゴール)を見据えるべきです。

そのために、まずはリテンションマネジメントに取り組むメリットを確認しましょう。

採用コストを抑えられる

従業員が離職するたびに新たな人材を採用するのは、企業にとって大きなコストがかかってしまいます。採用にかかる費用や時間はもちろん、人事に携わる従業員にも負担が増えてしまう結果に。

離職者を減らして人材定着率を上げることで、こういった採用に関わるコストを抑えることが可能になります。

教育コストを抑えられる

新たな従業員が入社すれば、その人に対する教育や研修を行う必要があります。会社についての基礎的な研修から実際の業務を行いながら指導するOJTまで、その教育にはもともと勤めている従業員の力が必要不可欠です。

採用コストと同じく、教育にかける費用や時間といったコストは人材定着率を上げることで抑えられるように。

なお、下記の記事で新入社員育成に重要な役割を持つOJT研修のポイントをご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:OJTの効果を高めたい人必見!研修を成功に導くためのコツとは?|おかんの給湯室

長期的な事業計画が立てられる

事業を成長させていくためには、長期的な事業計画を立てる必要があります。そしてその計画を実行するためには、必要なマネジメント力を持った人材が社内にいるか、もしくはこれから採用できるかといった点も重要です。

人材の入れ替わりが少なければ、従業員それぞれのスキルや適性を正確に見極めることができ、長期的な事業計画を立てる際に確実性が生まれます。

企業イメージの向上につながる

離職率が高い企業は、「人が定着しないのは企業の体質に問題があるからでは…」と思われかねません。
特に就職活動を行う学生は、企業のイメージを非常に気にする傾向があり、離職率が高い企業にはマイナスイメージを抱いてしまいます。

反対に、離職率が低い企業には「それだけ働き続けたくなる企業である」というプラスイメージがつきやすくなります。これは就活生だけでなく、顧客から見ても良いイメージとなるでしょう。

労働生産性の向上

人材が入れ替わるたびに業務の引き継ぎや教育・研修などの業務が発生すると、既存の従業員の業務圧迫に繋がり、精神的にも負担がかかってしまいがち。

また、業務に慣れ効率的に動けるベテラン従業員が多くなるほど、労働生産性の向上につながります。

顧客満足度の向上

顧客にとっても、同じ従業員が担当し続けることは信用につながります。「いつも同じ人が担当してくれるから、話が早い」という安心感は大きいもの。

人材定着率を上げることは、従業員同士だけでなく顧客との信頼関係も築き上げ、顧客満足度の向上という大きなメリットになるのです。

10の要素を意識して人材定着率を上げよう

リテンションマネジメントを構成するのは、以下の10の要素。それぞれ取り組んでいければ、離職者を減らし人材定着率を上げることが可能になります。

1.福利厚生

利用できる福利厚生の数と質を充実させることは働きやすさにつながり、転職を思いとどまらせる効果があります。

2.従業員満足度の向上/エンゲージメント

従業員にとっては、企業に対する満足度が高く企業風土への思い入れがあるほど「ここで働き続けたい」と感じるもの。

社内でのコミュニケーションが良好だとエンゲージメントが高くなり、ハラスメントの防止にもつながります。

3.ワーク・ライフ・バランス

仕事と生活のバランスがとれるかどうかは働きやすさに大きく関わってきます。労働時間が長すぎないかや休暇の取りやすさ、働くママへの支援策、副業の認可など、従業員一人ひとりが調和のとれた働き方を実現できる環境を作ることが大切です。

企業は、このバランスを左右する要因となる「ワーク・ライフ・バリュー」への理解も必要です。ワーク・ライフ・バリューについては、下記の記事をご覧ください。

関連記事:5分でわかるワーク・ライフ・バリューとは?|おかんの給湯室

4.健康/メンタルヘルス

身体的・精神的に健康な状態でなければ、長く働き続けることは考えづらいもの。定期的な健康診断を実施したり、従業員の健康状態や心理的状態が分かるツールを導入したりといった施策を行い、従業員の健康管理を展開しましょう。

5.働く環境・制度の整備

働くオフィスの環境や出勤に関する制度の整備を行うことも、リテンションマネジメントの施策として有効です。

環境整備としては、コミュニケーションスペースを作ったりフリーアドレス制のオフィスにしたりといった方法が考えられます。リモートワークや時短勤務など、柔軟な働き方に対応できる出勤制度も働きやすさにつながります。

6.適正な評価

業務に対して適正な評価をするため、従来の上司が部下の人事評価を行うという制度ではなく、同僚や部下を含む多方面の従業員が対象者の人事評価を行う「360度評価」もいい施策と言えます。社内限定で使用できる社内通貨を利用すると、社員同士での人事評価を取り入れやすくなりますよ。

7.報酬

報酬の改善は、最もリテンションマネジメント施策と言えるでしょう。スキルや経験に見合った給与体系であるかや、評価するパフォーマンスの定義づけを見直すことは、企業にとっても従業員にとっても大きなメリットがあります。待遇改善策のひとつとして、持ち株制度を導入するのもいいでしょう。

8.マネジメント

従業員の希望やスキル、経験、キャリアプランを踏まえた配置を行うためには、上司と部下とのコミュニケーションが必要不可欠です。面談の機会を増やしたり、メンター制度を導入することでコミュニケーションをとりやすくなり、より一人ひとりに合ったマネジメントを実行できるようになりますよ。

9.育成・能力開発

従業員の育成や能力開発はもちろん企業にとって有益なものですが、従業員にとってもやりがいや成長を感じられ、働き続けようというモチベーションにつながります。
従業員それぞれの目標管理を行う、キャリアパスに合わせたジョブローテーションなどで適正な配置を行うといった施策も有効です。

10.採用からのオンボーディング

新人を組織の一員として戦力化し定着させる一連の流れは、その後働いていくためのモチベーションに大きく関わってきます。新人研修を全体オリエンテーションのみで行うのではなく、定期的に短いサイクルで実施する1on1ミーティングなどを活用しながら職場全体で受け入れていくことで、早期退職を防ぎましょう。

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上記で紹介した10つの要素をさらに詳細に解説したeBookはこちらよりダウンロードいただけます。

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  • 働き続けられる組織作りが急務な理由
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実際の企業事例を参考にしよう!

クックパッド株式会社|「まかない」で生まれるコミュニケーション


クックパッド株式会社は、レシピ投稿・検索サービス「cookpad」を運営する企業。「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを掲げ、たべかた学習アプリ「たべドリ」や生鮮ネットスーパー「cookpad mart」など、つくり手を増やしつなげる事業に挑戦し続けています。

同社には、従業員の主体的な活躍を支援するための制度やカルチャーが充実しています。

・社内にある大きなアイランドキッチンと毎日届く新鮮な食材で、自由に「まかない」を作れる
・他部署の業務を約2か月間体験できる「社内留学制度」
・コアタイムを設定しないフルフレックス制
・5人以上集まったら申請できる「部活動」の活動費用をサポート
・グローバル人材育成のため、新卒入社3年目までの希望者に海外での研修制度を用意

特に「まかない」制度は、料理にミッションを掲げるクックパッド株式会社ならでは。コミュニケーションが生まれる場にもなっており、従業員満足度の向上に役立っているようです。

参考:クックパッド株式会社 採用サイト

株式会社ヒューゴ|3時間の昼休み「シエスタ」で仕事の効率アップ

株式会社ヒューゴは大阪に本社を構えるITコンサルタント企業。「デジタル施策であらゆる課題を解決」というビジョンのもと、Webサイトの運営や設計、プログラミングなどの技術を提供しています。

同社では、自由な働き方を支援する制度を取り入れています。

・13時~16時の3時間を自由に過ごせる昼休みとする「シエスタ(仮眠)制度」
・2018年からテレワーク制度を導入し、より自由な働き方が実現可能に

なんといっても特徴的なのは「シエスタ制度」。昼食後の眠くなる時間帯に長めの休憩時間をとることでリフレッシュし、午後の業務に集中でき効率がアップするのだとか。

この3時間に仮眠をとるのはもちろん、ジムへ行ったり映画鑑賞をしたりと過ごし方は自由。在宅勤務でもこの制度は有効で、非常に自由な働き方を可能にする制度と言えるでしょう。
休憩が長い分終業時間も遅くなりますが、シエスタタイムに休まず仕事をして早く帰ることもできるそうです。

参考:昼に「シエスタ」毎日3時間 ITコンサルのヒューゴ|日本経済新聞

カネテツデリカフーズ株式会社|「見て覚えろ」から「マンツーマン」に

カネテツデリカフーズ株式会社は、主にかまぼこやちくわなどの練り製品を取り扱う食品製造会社です。一時期、新人の離職率が50%を超えていました。離職率が高かった原因は、「仕事は見て覚えろ」という風土により満足な教育がなされず、コミュニケーション不足が発生したこと。

しかし制度を変え、企業の風土を変えることで離職率をわずか数パーセントにまで低下させています。

・マンツーマン指導「新入社員指導員制度」を導入
・1か月の目標を先輩といっしょに立て、しっかりと振り返ることを徹底
・若手の先輩社員が指導にあたることで、新人・若手両方の育成に

風土を変えるのは簡単なことでありませんが、同社は教育の仕組みを変えることで離職者の数を大幅に減らしました。

参考:【わが社のオキテ】|産経WEST

サイボウズ株式会社|「働き方宣言」で働く場所も時間も柔軟に

サイボウズ株式会社は、ビジネス向けのグループウェアやクラウドサービスを開発から販売、運用まで行う企業です。

同社は「100人いたら100通りの働き方がある」という考えに基づき、働き方改革に取り組んでいます。

・働く場所も時間も従業員が考え、実現する「働き方宣言制度」
・企業への断りなしでも副業が可能
・子どもの預け先がない、保育園に行きたがらないといった問題に対応する「子連れ出勤制度」
・社内イベントや部活動支援を実施

柔軟な働き方への対応はもちろん、社内でのコミュニケーションを生み出すための施策も。長く働き続けられる仕組みが数多く作られています。

参考:ワークスタイル|サイボウズ株式会社

自社の課題を見つけて離職者を減らそう

人材の定着率を上げるには、今いる従業員が「どうすれば長く働き続けたいと思うか」を考え、リテンションマネジメントを実施することが大切です。そのためには柔軟な働き方や社内コミュニケーションの活性化、福利厚生の充実など、さまざまなアプローチが考えられます。

そのアプローチをどのように行えば良いかを考える起点となるのが、「自社の課題を知る」ことです。そこで有効になってくるのが、社内の不満の見える化を行うサーベイツール。

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Writer 執筆者

おかんの給湯室編集部

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