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業務効率化

残業代の計算方法とは?基本・原則や項目の定義と注意点を解説

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働き方改革の中で、残業は特に厳しくチェックされるようになってきています。残業代の計算は、用語の定義や計算方法などが複雑なため、難しく感じている担当者も多いのではないでしょうか。時間外労働についての賃金規定は労働基準法に定めがあり、総務・人事部門の担当者は法を遵守し、正確に適用することが求められます。本記事では、残業代の計算方法について、基本や主要な項目、注意すべきポイントなどを解説します。

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残業代計算に役立つ基礎知識

残業代の計算は複雑ですが、さまざまな状況へ応用するためには基本をしっかりと理解することが必要です。残業代計算の基礎知識として、基本的な計算方法や、計算の原則について解説します。

残業代計算の基本

残業代は、基本的に「残業代=残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」で計算できます。

残業時間」とは、「所定労働時間を超えて働いた時間」を意味し、「所定労働時間」は各事業所で定められている労働時間で、1日、1週間、1カ月などの単位で定められているのが一般的です。

1時間あたりの基礎賃金」とは、時給に相当するもので、時給制ではなく日当制や年俸制の場合は、支給額などから1時間あたりの賃金を算出して使います。

割増率」とは、法定労働時間を超えた労働時間に対する賃金への増加率です。割増率は時間帯や休日出勤などの状況に応じ、25%、50%など複数のケースが法律で定められています。残業代の計算式が頭の中に入っていると、どのような要素によって残業代が変わってくるのかが理解しやすくなるため計算式は必ず覚えておきましょう。

残業代計算の原則

残業代の計算式はそれほど難しくありませんが、難しいのは「各要素をどのように集計し、賃金計算に反映させるか」です。

残業代の計算では、集計・計算のための原則がさまざまにあり、これに基づいて計算が行われています。残業時間の集計方法や、集計した数字をどのように反映させるかは会社によって違いが見られますが、分単位で計算し、それに応じて残業代を支給するのが正しい方法です。ただし、1カ月間の残業時間を合計したときに、1時間未満の端数がある場合、30分未満なら端数は切り捨てし、30分以上なら端数を切り上げることができます。こうした数字の扱いについてもしっかり方針を作成し、周知しておかないとトラブルの原因になるので注意してください。

また、労働者が半休・時間休を取得した日に、規定の就業時間外に働いた場合は、一日の法定労働時間を上回らない限り割増賃金は発生しません。しかし、法定労働時間を上回ればその分は割増賃金が発生します。

たとえば、9時から18時まで(うち12時から13時は昼休憩)が定時になっている会社で、午前中だけ休暇を取得した従業員が13時から出勤し、19時まで働いた場合は割増賃金は発生しません。なぜなら、この日の労働時間は6時間となり、一日の法定労働時間の枠内だからです。ただし、こうしたケースでも会社の就業規則で残業手当の支払いを行う旨が記載されている場合は残業代を支給しなくてはなりません。

参照:
割増賃金の基礎となる賃金とは?|厚生労働省
時間外労働・休日労働・深夜労働 | 大阪労働局

残業代計算に必要な各項目の定義と計算方法

残業代の計算では、計算に使用する「残業」「基礎賃金」「割増率」の3項目の定義を正しく理解することが大切です。それぞれの要素の定義と、その計算方法について紹介します。

残業について

普段から何気なく「残業」と言うことがありますが、単に遅い時間まで働けば残業というわけではありません。残業についての定義や種類について正しく知ることは、正確な表現や把握のために役立ちます。

残業の定義

残業代の計算では、残業の時間数や種類に基づいて計算を行います。そのため、残業代計算を適切に行うには、残業の定義についての正しい理解が欠かせません。

「残業」の定義は、「就業規則や労働契約書などによって定められた所定労働時間を超えて働くこと」であり、会社はこの所定労働時間を超えた分を残業代を支給することが義務付けられています。

所定労働時間は法定労働時間とは異なり、あくまでも会社が独自に定めるもので、いつ、どれだけの時間働くのかといったことを規定したものです。通常、所定労働時間の中に定められている1日あたりの労働時間をもとに賃金を計算します。

ただし、「月曜から土曜まで、9時から21時」というような所定労働時間を定めることはできません。労働者の健康や権利を保護するために、労働基準法でその上限を「1日8時間、1週間40時間」が定められているからです。企業はこれを守っていれば、所定労働時間を自由に定めることができます。間違った解釈のまま人事制度ができあがっている場合もあるため、確認してもし問題があれば早めに直しましょう。

残業の種類

「残業」といってもさまざまな種類があります。
「残業」には「法定外残業」「法定内残業」の2種類があり、それぞれ残業代の扱い方も異なっているため注意が必要です。

もともとの所定労働時間が労働基準法で定められた時間内である場合、その所定労働時間を超えて働いた場合に「法定内残業」になります。一方、労働基準法で定められた労働時間を超えて働く場合は「法定外残業」です。たとえば、所定労働時間が1日7時間の従業員が1時間残業すると、法定労働時間の8時間に収まるため、所定内残業だと判断します。

しかし、所定労働時間が1日8時間(=法定労働時間の上限)の従業員が1時間残業した場合は、法定労働時間を1時間超過するため、このケースは法定外残業です。残業時間を法定外と法定内でしっかり区別しておかないと、残業代の計算を間違えたり、労使の認識に違いが生じてトラブルになったりするので注意してください。

基礎賃金について

この基礎賃金は基礎賃金の計算は会社の制度や個人の状況によってさまざまなケースがあるために特に難しく、残業代への影響も大きいので重要です。残業代は、「1時間あたり基礎賃金」に割増率を乗じて計算するため、この基礎賃金を正しく算出することが求められます。賃金計算が時間給制の場合、基本的に時間給単価を計算に使うことが可能です。月給制の場合、各種の手当も含めた月給を、1カ月の所定労働時間で除することで1時間あたり基礎賃金を算出します。

この場合、手当の中で個人的な事情によって支給されている手当などは、基礎賃金から除外して計算可能です。個人的な事情によって支給されている手当は、「家族手当」「通勤手当」「別居手当」「子女教育手当」「住宅手当」「臨時に支払われた賃金」「1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金」などが該当します。

一方で、「資格手当」や「職務手当」など仕事に関係し、個人によらず常時発生する賃金については基礎賃金の計算に含めるのが一般的です。毎月の給与支給額をもとに残業代が計算されると人件費が過度に大きくなってしまいますし、修正の際には労使間でトラブルが生じかねません。

基礎賃金の定義を正しく理解し、また従業員にも伝えることや、給与明細などで確認できるようにすることが大切です。基礎賃金が正確に計算できると、人件費のシミュレーションの精度も高まり、人件費のコントロールがしやすくなります。

割増率について

残業代の割増率はさまざまな条件によって変動しますが、その適用や計算をめぐってトラブルになりやすいため、労使双方で正しい理解が必要です。割増率の適用基準や計算方法について解説します。

割増賃金の適用基準

残業であれば、どんなケースでも割増賃金が適用されるのではありません。残業には「法定外残業」「法定内残業」の2種類がありますが、労働基準法で割増賃金の支給が事業者に義務付けられているのは、法定時間外労働のみです。基本的に法定内残業では割増賃金の支給は不要です。

割増率は状況別に25%、35%など下限が設定されており、上限に定めはありません。割増率の下限は、「時間外労働」「深夜労働」「休日労働」などの状況ごとに定められています。

また、法定内残業については労働基準法で割増賃金の支払義務が定められていませんが、支給している企業も多いです。この場合の割増率は、法律ではなく企業の就業規則によって規定されるため、労働基準法上の割増率の数字に関係なく企業が自由に定めることができます。

法定内残業では割増賃金が発生しないなら就業規則への記載は特に不要ですが、支給する場合はトラブルを避けるためにも就業規則や36協定へ記載し、所定の役所への届け出ることが必要です。

ケース別の割増賃金率

割増賃金には、「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」の三種類があり、それぞれ適用される割増率の下限に定めがあります。「時間外労働」が発生した場合、「時間外手当」「残業手当」などの名称で割増賃金の支給を行いますが、法定労働時間の超過分に対し25%以上の割増率の適用が必要です。

また、時間外労働の限度時間(原則は1カ月に45時間、1年間に360時間)を超える場合は、25%以上の割増率を設定して36協定に明記します。繁忙期など臨時的な事情がある場合に限り、時間外労働の上限が1カ月60時間、1年に720時間に拡大されますが、この上限を超える時間外労働はその時間に対して50%以上の割増賃金の支払いが必要です。

労働基準法によって定められている法定休日(1週あたり1日、1カ月あたり4日)に勤務させた場合が「休日労働」です。
休日労働では、35%以上の割増率が適用されます。休日労働に対する残業代は、「休日手当」などと呼ばれ、一般的な残業手当(時間外手当)とは区別される場合も多いです。基本的に休日労働は法定労働時間や所定労働時間に定めがない労働であるため、時間外労働という概念がありません。時間外労働の特殊な形態として考えます。

たとえば、基礎賃金が1000円の従業員が法定休日に出社し、9時から18時までの間に8時間労働した場合、「1000×8×0.35=2800」円が休日手当の支給額です。休日労働の労働時間も、週内や月内の労働時間煮含めて計算するため、時間外労働にも注意を払う必要があります。また、1日の中で22時から5時までの間は「深夜労働」に当たり、これに該当する時間に労働をさせた場合は25%以上の割増率を適用した賃金を支給することになります。割増分を「深夜手当」という形で支給するケースが多いです。

もし18時から働き始め、24時までの労働があった場合には、6時間分の賃金に加え、22時から24時までの2時間分の賃金に割増率を乗じた深夜手当を支給します。この場合、基礎賃金が1000円なら深夜手当として「1000円×2×0.25=500」円が深夜手当の支給額です。

なお、残業代の計算では、それぞれのケースにおける割増率を合算します。つまり、休日労働かつ深夜労働が発生した場合は「35%+25%=60%」が割増率の下限になるということです。人件費が非常に大きくなりますので、不要な残業を発生させないためにも適切な人員の確保や業務の効率化が求められます。

参照:
厚生労働省:主な用語の定義
労働時間・休日 |厚生労働省
36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針

時間外労働について企業が注意したいポイント

時間外労働の取り決めや計算において、企業は36協定や、罰則・適用時期などに注意しながら運営することが必要です。企業が注意すべきことについて、ポイントを整理して解説します。

36協定

時間外労働に関する労使間で決めたルールが「36協定」です。労働基準法第36条では、法定労働時間を超えて労働者を働かせる際には、書面によって協定を締結し、所定の労働基準監督署へ届出をする必要があることが定められています。法的な根拠のあるものですので、もしも時間外労働に対して割増賃金を支払っていた場合でも、協定を結んで届出を行っていない場合は労働基準法違反になるため注意が必要です。

36協定では、「時間外労働を行う業務の種類」や「1日、1カ月、1年当たりの時間外労働の上限」などを各企業の労使の代表が話し合って定めます。また、たとえ36協定で合意したとしても、法律上の時間外労働の上限である「月45時間・360時間」は守らなければなりません。

罰則や適用時期

「働き方改革関連法」が施行されてから、時間外労働時間が限度時間を上回った場合には罰則が発生されるようになりました。時間外労働時間の上限規制は、一般的には2019年4月から始まっていますが、中小企業では2020年4月からの適用となります。臨時的な事情によって労使双方の合意がある場合でも、残業時間を「年720時間以内」「複数月平均80時間以内」「月100時間未満」に収めなければなりません。

もし違反した場合、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される恐れがあるため注意が必要です。

参照:
36協定で定める時間外労働及び休日労働 について留意すべき事項に関する指針 (労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針)
時間外労働の上限規制 | 働き方改革支援のご案内 | 厚生労働省

関連記事:
知らなかったではすまされない!「労働時間」に関する基本知識 | おかんの給湯室

残業代はケースに応じて慎重に計算しよう

残業代は「残業代=残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」で計算できます。それぞれの要素の定義や、基本的な計算方法の理解が正確な計算のためには大切です。残業代の計算は複雑で法改正もありましたが、ルールに則って正確に運用することが求められます。労務・人事担当者への負担も大きいですが、ケースごとに規定に照らし合わせつつ、慎重に計算することが大切です。

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