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健康的な職場環境に不可欠!「産業医」の役割や選任方法を紹介

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事業場の従業員が一定の人数を超えると、企業は従業員の健康管理のために産業医を選任しなければなりません。しかし、それまで産業医とかかわったことがない企業担当者にとっては、「そもそも産業医がどのような存在なのか」ということさえ知らないことも多いのではないでしょうか。そこで、この記事では産業医の役割や仕事内容、選任の方法などが理解できるように詳しく説明します。

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産業医とは何か

産業医もれっきとした医者ではありますが、一般的に個人がプライベートでお世話になるような主治医とは役割が大きく異なります。自社に適切な産業医を選任するためにも、まずは産業医が必要な理由や産業医が担う役割について理解しておきましょう。

産業医の役割

従業員が数名や十数名とい規模ならまだしも、人数が多くなると従業員の健康管理も簡単ではありません。そこで、企業において従業員の健康管理などを行うために選任される医者が産業医なのです。また、専門的な立場から健康指導を行ったり、従業員が健康を害することなく快適な環境で仕事ができるように助言をしたりするのも主な役割としています。

産業医が必要な理由

多くの人が働く事業場で効率的かつ適切に従業員の健康管理を行うためには、医学的知識が必要不可欠です。そのため、一定以上の規模の事業場では、労働安全衛生法により産業医を選任することが義務づけられています。

また、働き方改革をはじめ、昔に比べると働き方や働く環境などの見直し、改善などが行われるようになってきました。実際、過重労働からくるストレスやうつなどは、未然に防止することが大切です。産業医とともに労働環境を改善し、予防策を積極的に打ち出すことで、従業員の健康や命を守ることになります。従業員が心身ともに健康で働くことができる労働環境ならば、結果的に安定した経営を継続することにもつながるのです。

関連記事:企業での健康診断が大事な理由とは?従業員の健康強化につながる施策も紹介!

産業医と通常の医師の違い

企業で仕事に従事する産業医も、病院などで患者を診察する主治医のような通常の医師も、同じ医師免許を持った医者である点は同じです。ただし、対象とする相手や事業主に対する立場などが異なります。

医療機関を訪れた病気の人などを対象として検査や診断、治療を行うのが主治医です。主治医は、患者本人のサポートとして治療や助言などを行ってくれます。しかし、原因が仕事や職場にあったとしても事業主に対して職場改善を求めたり、勧告したりする権利は持っていません。

一方で、産業医は事業場に勤めるすべての人を対象としてかかわりますが、診断や治療を行うわけではないことが異なる点の一つです。従業員の状態などをみて、必要に応じて医療機関を紹介します。また、産業医は事業主と労働者の両方に対して中立な立場という点も主治医とは違うところです。

ただし、改善が必要だと判断したときは事業主に対して勧告権を持っています。産業医は、事業場での労働者の健康管理に携わる仕事です。そのため、医師であることに加えて労働衛生に関する知識も有しているなど、産業医として定められた要件を備えた有資格者である必要があります。

産業医の仕事

産業医が実際にどのような仕事をしているのか知ることで、産業医のイメージや事業場で実施すべき健康管理への理解も深めることができるでしょう。そこで、この段落では産業医の仕事内容を具体的に5つ紹介します。

1、衛生委員会や安全委員会への出席

事業場の規模が50名以上になると、産業医の選任が必要になることに加え、事業場内に衛生委員会を設置しなければなりません。さらに、事業の業種や規模によっては、政令で安全委員会の設置が必要な場合もあります。産業医は、衛生委員会の正式な構成員です。

つまり、衛生委員会が行う調査審議事項についての検討に加わり、安全衛生管理の体制を構築することにも参画します。委員会で話し合われた内容は、議事録を作成して記録、保存することが必要です。内容は重要なものばかりですから、情報を共有できるようにし、産業医が万一欠席した場合でも確認できるようにしておくことが望ましいでしょう。

2、職場巡視の実施

産業医にとって「従業員が実際にどのような環境で働いているのか」について理解することは、適切なアドバイスを行ううえで欠かせません。そのため、産業医は原則として少なくとも毎月1回は職場を巡視し、職場環境を確認しなければなりません。

職場巡視では、まず4Sと呼ばれる「整理・整頓・清掃・清潔」がきちんと実施されているかどうかの状況の確認をします。また、事務所衛生基準規則で定められている温熱環境や照度、コンピュータを用いる作業場ではVDT作業環境などもチェックすることが必要です。さらに、トイレの衛生環境やAED、消火器の場所、休養室とその衛生環境なども職場巡視で確認すべき対象に含まれます。

なお、改善が必要だと判断する箇所があれば、指導を行うのも産業医の役割です。

3、従業員の健康チェックや面接指導の実施

健康診断で異常があると認められた従業員がいれば就業判定を行い、万一就業制限や休職が必要だと判断した場合は意見書を提出します。ただ、健康診断の結果によっては就業判定が不要と判断されるケースであっても、なんらかの改善が必要な場合もあります。

その場合、本人や職場に対して生活習慣の見直しなど健康管理の改善や、働き方の改善について助言をするのも産業医の仕事です。長時間労働が認められる人やストレスチェックで高ストレスの判定が出た人に対しては、健康管理を目的とした健康相談や面談指導も実施します。

4、休職や復職に関する面談の実施

産業医は、従業員が休職するときや復職する際に面談を実施するのも役割の一つです。休職の希望を持つ従業員はもちろん、体調不良などが原因で遅刻や早退、欠勤が続いているなどの状況が確認された従業員に対しても休職についての面談を行います。

さらに、求職している従業員が現場復帰を希望するときも、産業医による復職に関する面談が必要です。通勤の負担や仕事に対する不安など、休職者にはさまざまな不安材料があります。一見、病状が回復しているように見えても、実際に復職してみると再び不調を引き起こしてしまうことがあるかもしれません。

そうならないよう復職の際は「病状がどのくらい回復しているのか」を把握したうえで、復職の可否を判断することが大切です。もし、他の従業員と同じような勤務ができないと判断される場合は、状況に合わせて時短勤務や勤務の軽減など、就業制限を指示することもあります。

5、健康教育や労働衛生教育の実施

産業医は、普段から従業員に対して健康管理や衛生管理を目的とした健康教育、労働衛生教育を実施する必要があります。健康教育や労働衛生教育の実施そのものは法律で定められた産業医の義務というわけではなく、実施回数なども決められているわけではありません。しかし、事業場での健康管理や衛生管理を徹底するためには、従業員自身が知識を身につけ、意識を持って業務に従事することも必要です。

こうした健康教育や労働衛生教育は、企業や組織の要望に基づき、社員教育の一環として行われています。教育内容のテーマに関しては、特に決まってはいません。ただ、対象の事業場で取り扱う有害物質に関する内容や生活習慣病についての話、メンタルヘルスまで取り上げるべきテーマは幅広く存在します。

産業医の選任に関するルール

一定以上の従業員を抱えているなど、事業場がある基準を満たせば、事業者は産業医を選任しなければなりません。もし、選任しなければならないにもかかわらず怠れば罰則もあるため、もれなく実施することが必要です。そこで、この段落では産業医の選任が必要になる基準や勤務形態とともに、違反した場合の罰則についても詳しく説明します。

産業医の選任が必要となる基準

常時雇用している従業員が50名以上いれば産業医の選任が必要です。ただし、これは企業全体で考えるのではなく事業場ごとに選任しなければなりません。つまり、支店Aで従業員100名、支店Bに従業員が50名いる場合、A支店とB支店それぞれに1名ずつ産業医を選任しなればいけないということです。なお、選任する産業医は従業員が50~3000名までは1人以上でかまいませんが、3001名以上の規模になると2名以上が必要になります。

勤務形態は専属か嘱託か

従業員数が50~999名ならば、産業医の勤務形態は嘱託でもかまいません。嘱託のケースでは、産業医が事業場に常駐しているわけではなく、月に数回、1回あたり数時間程度、事業場に訪問してもらう形が一般的です。

ただし、従業員数が1000名以上になると、事業場の専属として常駐する産業医が必要になります。また、1000名以上いなくても従業員を労働安全衛生規則第13条に定める有害業務に従事させる場合は、従業員数が500名以上いれば専属の産業医を選任することが必要です。

違反した場合の罰則とは

事業場の従業員数が50名以上になるなど、産業医を選任すべき事由が発生したときは、発生日から14日以内に産業医を選任しなければなりません。そして、産業医を選任したことを遅滞なく、事業場を管轄する労働基準監督署へ報告する必要もあります。産業医選任の期限や報告義務は、労働安全衛生法や労働安全衛生規則に則ったものです。違反すると50万円以下の罰金となるため、おろそかにしないようにしましょう。また、労働基準監督署が事業場に調査に入り、産業医に関して質問されることもあります。

産業医との契約について

産業医の契約形態は一つではないうえ、契約形態によって給与も変わってきます。そこで、この段落では産業医の主な契約形態と給与の相場についてみていきましょう。

産業医との契約形態

産業医として企業で勤務する場合、企業との間で直接契約を結ぶパターンのほかに紹介会社が間に入り、業務委託契約を結んで働く形態もあります。ただし、紹介会社が間に入るからといって、必ず業務委託契約であるとは限りません。産業医を選任した経験がない場合や、産業医をどう探せばいいかわからないという企業は、採用支援という形で紹介会社に産業医を紹介してもらうことが可能です。紹介後は、企業や産業医の希望次第で直接契約を結ぶケースもあります。

一般的に専属で勤務するケースは直接契約、嘱託の場合は業務委託契約である傾向が多いです。契約を結んだら、企業は管轄する労働基準監督署に対し、産業医の選任報告書を提出しなければなりません。

産業医の給与

産業医のなかでも嘱託で勤務する場合の相場は、時給換算するとおおよそ3万~5万円程度です。ただし、従業員が多い事業場や有害業務に従事している事業場の場合は、もう少し時給が高くなることもあります。一方、専属では週5日勤務するケースもあるものの、週に1日は研究日にあてたいという希望を持っている産業医が多い傾向です。そのため、週5日勤務よりも週4日勤務であることが一般的になっています。給与は週4日で考えると、年俸1000万~1500万円程度が相場です。

もちろん、嘱託で働く場合と同様に業種や事業場の規模などで多少の幅があります。なお、複数の事業場を取り仕切る産業医は総括産業医と呼ばれ、高度な専門性や経験を求められるため、給与もさらに上がります。

良い産業医を見分けるポイントとは?

2016年に厚生労働省がとりまとめた「産業医制度の在り方に関する検討会報告書」によれば、職場の状況を把握した産業医が労働者の健康確保や健康保持増進をはかるための対策に積極的にかかわることを求めています。

そこで、実際に産業医を選ぶときは、次のようなポイントに考慮して選ぶことが大切です。例えば、製造業やサービス業、IT関連など事業場の業種によって見るべきところやチェックポイントも異なります。そのため、産業医がかかわることになる事業場が抱えている課題に対してアドバイスや意見を適切に述べることができ、課題を解決に導くことができるかどうかが大切です。

有害物質を扱う業務などのように専門性の高い業種の場合、自社の業界について詳しいかどうかもポイントになります。その際、事業場の労働環境を適切に診断し、指導を行うことができる労働衛生コンサルタントの資格の有無も一つの目安です。さらに、産業医は企業と従業員の双方にかかわり、両者の立場をどちらも尊重しながらすべての関係が納得いくように解決策を提示しなければなりません。そのため、ヒューマンスキルも必要であるといえるでしょう。

産業医の探し方

地域の医師会のほか、企業の健康診断を実施している機関に相談してみると、産業医を紹介してもらえることがあります。また、親会社が産業医を選任しているならば掛け持ちが可能な場合もあるため、相談してみるといいでしょう。医師の人材紹介会社でも登録されている産業医のなかから、条件や事業場の希望に合わせて紹介してもらうことが可能です。

人材紹介会社を利用して嘱託の産業医を紹介してもらう場合、訪問回数ごとに料金を明示されることが多いでしょう。専属の産業医を紹介してもらう場合は、給与額や雇用条件の交渉など煩雑な手続きを人材紹介会社に任せることができるため、企業側の負担が減ります。

紹介会社のなかには、選任後も産業医の業務や企業の産業保健活動に対して、サポートサービスが充実しているところもあります。

産業医について正しく理解して自社に適した選任をしよう

健康で安全な労働環境を維持するためには、産業医の存在は必要不可欠です。従業員の人数が少ない事業場では、産業医の選任が義務づけられてはいません。しかし、実際は少人数でも産業医の活用は推進されています。従業員が健康で安心して業務に従事することができるよう、事業場に適した産業医を選任し、事業場の健康管理に努めましょう。

参考:
【厚生労働省】産業医について教えて下さい。
【日本医師会認定産業医】産業医とは
【厚生労働省】衛生委員会について教えて下さい。
【厚生労働省】産業医について~その役割を知ってもらうために~

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Writer 執筆者

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