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働き方

ボトムアップで改善に取り組む。総務のあり方から見つめ直すメルシャン藤沢工場の取り組み

働き方


国内ワインメーカー大手のメルシャン株式会社。2007年にキリンビール株式会社と業務提携。その後、キリンホールディングスに参画しました。

「メルシャンは、キリングループとは違う風土があります。昔から良い”加減”で、柔軟なところがあると感じます」そう語るのは、メルシャン藤沢工場の副工場長/総務部長である小倉保彦氏。

オフィスおかんを導入している藤沢工場では、この独自の風土のもと、様々な雇用形態のメンバーがいるなかで、全ての人がフラットに働きやすい環境作りを行なっています。今回はその取り組みや総務のあり方について、株式会社OKAN CEO沢木が伺いしました。

多様な雇用形態を抱えながらフラットな組織作りを目指す

ーメルシャンは「良い”加減”で、柔軟な風土」になった背景などあるのでしょうか

大きく2つあると思っていて、まず一つ目が生産量です。藤沢工場だけで、生産しているのは、SKU(最小管理単位)にすると630以上あります。そこに加えて、毎年新商品もあるので、現場にも柔軟な対応やスピード感が求められます。

2つ目は多様な人材を抱えていることでしょうか。工場で働いている半数が派遣の方々です。いわば、メルシャン社外のメンバーに支えられている部分が大きい。だからこそ一人ひとりの声を活かすことが重要と考えています。

ーメルシャン独自の従業員エンゲージメントも毎年細かく取られているそうですね。

多様な人材が一体となり、多くの商品を製造していくには、まず「この会社で働いていてよかった」と思ってもらえることが重要です。これを計測するために、雇用形態問わず全員の従業員エンゲージメントのスコアをとっています。雇用形態ごとのスコアの差も見ていますね。

ー従業員エンゲージメントを向上させるためにどのようなことをしているのでしょうか。

まずは、マズローの欲求5段階説でいう生理的欲求や安全の欲求を満たすことに注力しています。いわゆる根源的欲求と言われるところです。

世間的には、働き方改革やワークライフバランスの整備などエンゲージメント向上の施策としてあげられますが、まずは根源的欲求を満たしてあげることが大切ではないでしょうか。土台をしっかりすることで、その後の変化に対応できると思っています。

ー実際どのようなことを行なっているのでしょうか?

現場の声を拾い上げる「ボトムアップ」を基本とし、小集団の活動を行なっています。具体的には、一昨年できたもので「MottoMotto向上委員会」があります。

雇用形態関わらず、職場で選出したメンバーで委員会をつくって、現場からの要望を吸い上げています。例えば、「更衣室をもっと明るくして欲しい」「横になって休めるスペースが欲しい」などがありました。生産設備に関する要望は、別ルートで意見を出せるので、福利厚生系の働きやすさに関することが多いですね。

どうしても利己的な要望が上がってくる時もあり、その時は、委員が折衷案なども出してくれたりするんです。

意図してこういう場を作ることで、いろいろな声が出しやすくなります。最初は、委員個人の意見が多くありましたが、今では職場で意見を集めてくれるようになりました。

ー出された意見は、どういう優先順位で取り組んでいるのでしょうか?

まず委員会でやると決まったものは、スピード感を持って実現しています。そうでないとせっかく意見を出した人にモヤモヤが残りますから。この委員会には、工場長も参加して、その場で即決されることもしばしばあります。

素早く実現することで、一人ひとりが自分の会社だという”所有感”を持ってくれるようになりました。あとは、MottoMotto向上委員会に限らず、改善提案は年間で3000件を超えるようになりました。

従業員エンゲージメント向上が離職率低下へ繋がった

ー従業員エンゲージメントのスコアにどう影響していますか?

スコアは毎年、わずかずつですが右肩上がりですね。かつ、正社員とそれ以外の雇用形態の社員との格差が縮まっています。

ー他の施策などもあるのでしょうか

従業員エンゲージメントに加えて、「ストレスチェック」、「年2回の人権コンプライアンス意識調査」、「リーダーの360度評価」を行なっています。360度評価は、職場の同僚上司の複数名からフィードバックをもらっています。

ー成果指標などは細かく追っているのでしょうか

全体の成果指標は、単純に前年以上です。高い数値は、前年維持と設定しているものもあります。

従業員エンゲージメントでは、4年間で6ポイント改善しました。エンゲージメントが向上するにつれて、派遣社員の離職率は改善されました。教育コストが下がり、メンバーの熟練度が上がっています。エンゲージメントが上がると職場の雰囲気は全然変わってきますね。

ボトムアップだからこそ一人ひとりに合わせた働き方が実現する

ー株式会社OKANでは、働き方を一律に合わせるのではなく、一人ひとりに合わせた働き方を実現するWLV(ワークライフバリュー)を提唱しています。

確かに、新人で仕事をもっと覚えたいかた残業したい、という人もいます。あとは、子育て世代には、お迎えなどの時間に合わせてシフト勤務を使ってもらっています。法律は守りながら、会社が柔軟に対応することが大切ですよね。

弊社では、MottoMotto向上委員会などを通じて、ボトムアップの体制を意識して工場運営しているので、こういう一人ひとりに合った働き方を、こちらが探りに行かなくても上がってくるようになっていると思います。

あとは情報の共有も重要です。イレギュラー対応をしている時は、なにか事情があったり、明確な理由を持っている場合がほとんどです。だから、違うメンバーから問われた時も、こういう理由だから会社としてこういう対応をしていると答えられる。こういう情報共有は、課長会でも行なっているので、メンバー感の不満も生まれにくくなっています。

総務の本来のあり方とは

ー様々な取り組みを行う中で、総務の本来のあり方とは

そもそも総務は柔軟な方がいいと思っています。規則はある程度遊びがあるもので、それをどう運用するかが総務の面白みですよね。色々なチャレンジができます。

ー総務のミッションはどのようなものがあるのでしょうか

2つあります。まず一つ目が、従業員がメルシャン藤沢工場で働いていてよかったと思えること。もう一つは藤沢に住んでいる方々が、藤沢にメルシャンがあってよかったと思ってもらうことです。弊社では、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)も総務が窓口となっているので、社会的な価値も総務の重要なミッションです。

ー2つは密接に繋がっていますよね。外にしっかりと発信をしていると、社内の方々には誇りがうまれると思います。

本当にそうですね。毎年、地域の方と協力して「藤沢ワイン祭り」を行なっています。その試飲ブースで直接お客様の「美味しいね」という声をきく機会があります。日々自分たちが頑張って製造してるものに対し、皆さんからお褒めのシャワーをもらえるんです。社内でこのワイン祭りを手伝ってくれるメンバーは、5年前は50人ほどだったのが、今は約120人以上にものぼっています。

会社経営では、様々な部署が絡み合って、商品を生み出していますよね。組織作りも一緒で、キャッチーな改革が一人歩きしたら意味がありません。ボトムアップで現場の声を反映していくことで、社内だけでなく社外にも良い影響を与えていけたらと思っています。

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Writer 執筆者

おかんの給湯室編集部

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