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人手不足倒産を防ぐには?ヒントになる解決策と企業事例を解説

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「人手不足倒産」が近年増加しているのはご存知でしょうか。営業先があるのに、受注があるにもかかわらず、従業員がいないために仕事が回らなくなり、その結果倒産してしまう企業が相次いでいます。また、倒産するまではいかなくとも、人手不足に悩んでいる会社は多く存在します。

この記事では人手不足の現状と原因、そして対策を解説していきたいと思います。人手不足対策として導入したいサービスも紹介しますので、どうぞご覧ください。

人手不足倒産の現状|新型コロナが倒産要因の変化に影響

帝国データバンクの「人手不足倒産」の動向調査では、2019年に発生した人手不足倒産件数は185件。この数字は前年比20.9%増、4年連続で過去最多を更新し、右肩上がりの推移が続いています。

最新の東京商工リサーチによる報告によると、2020年度上半期(4-9月)の「人手不足」関連倒産は、215件(前年同期比4.8%増)で、年度上半期としては集計を開始した2013年以来、最多記録を塗り替えたとあります。

参照:
2019年「人手不足」関連倒産 | 東京商工リサーチ
2020年度上半期(4-9月)「人手不足」関連倒産|東京商工リサーチ


倒産要因からみる人手不足

2020年度上半期(4-9月)を要因別にみると、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などの「後継者難」が173件(前年同期124件)へと急増。続く「従業員退職」が20件(同28件)、人手不足で事業継続に支障を来した「求人難」が15件(同39件)、賃金等の人件費アップから収益が悪化した「人件費高騰」が7件(同14件)となっています。

「後継者難」が増加し、「求人難」型や賃金などの人件費アップによる「人件費高騰」は半減という結果となりました。

業種から見る人手不足

業種別では、介護関連業種や飲食業を含む「サービス業」が50件(前年同期比26.4%減)と最多を占めています。次いで「建設業」が42件(同23.5%増)、「卸売業」が31件(同55.0%増)、製造業(同16.6%増)と小売業(同40.0%増)が各28件、運輸業11件(同42.1%減)となりました。

トップの業種でもある「サービス業」は、離職率でもその数値の高さが課題となっています。平成30年の雇用動向調査結果によれば、様々な課題を抱えている「医療・福祉」よりも約37万人もの人材が離れており、「卸売業」「小売業」にいたっては、離職者数が最多となっています。

参照:平成 30 年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省

コロナの影響が顕著にみられた2020年

調査結果から、2020年における人手不足問題には、新型コロナウイルスの感染拡大および緊急事態宣言が大幅な変化を与えたと考えられます。

人手不足の要因において、「求人難」「人件費高騰」ではなく「後継者難」が全体の8割まで増加していることも、新型コロナがもたらした影響によるものだといえるでしょう。こうした変遷から、人手不足が今までとは違った、新たな段階へと進行していることが読み取れます。

参照:
2020年度上半期(4-9月)「人手不足」関連倒産|東京商工リサーチ
「人手不足倒産」の動向調査(2019年1~12月) | 株式会社 帝国データバンク[TDB]

人手不足倒産の4つの要因

こうした人手不足が起こる要因は、大きく4つに分けられます。

・後継者難
・従業員退職
・求人難
・人件費高騰

「後継者難」倒産

代表者の高齢化が進む中で、後継者となる人物がいないのが「後継者難」倒産です。

経営者の平均年齢は年々上昇しており、2019年時点で62.1歳となっています。一方で、経営不振の企業では後継者育成まで手が回らず、結果として事業承継が後回しになってしまいます。

代表者の死亡や体調不良が後継者難の要因の8割を占めるといった結果も。そうした状況から、倒産や廃業を余儀なくされる、といったケースが多く挙げられます。

参照:『後継者難』の倒産状況調査(2020年1-11月)|東京商工リサーチ

「従業員退職」倒産

「従業員退職」倒産は、会社の中核を担う社員の退職等によって人手不足が起こるケースを指します。

職場環境へ順応できなかったり、業務ストレスでうつ病を発病したりといった精神的な理由から定年退職にいたるまで、退職の理由はさまざまです。単純に人手が足りなくなるだけでなく、組織の中核を担っていた社員の独立などによって事業の継続が困難になることがあります。

「求人難」倒産

働き手を探して求人をするものの、採用には至らず人手不足が解消されないといったケースが「求人難」倒産です。

日本全体として人材不足が課題となっていることからも、多くの企業が人材確保のための施策を打っている状況です。なかでも、離職が多い業界では、求人難が起こりながら離職を防ぐことができず、二重苦となっている場合も。

「人件費高騰」倒産

労働人口の減少や最低賃金の値上げに伴って人件費が高騰し、人手を確保できないのが「人件費高騰」倒産です。

有効求人倍率が高い状況下では、他社の求人と差別化を図らなくてはなりません。つまり、企業は人材確保のための施策として、賃金水準を上げることとなります。もともと人手が足りない企業が人件費コストを上げることで、業績とのバランスが取れず、倒産を選ぶことになってしまうケースが考えられます。

参照:人件費の分析(人手不足)|中小企業庁

人手不足の社会的背景と原因

それではなぜ今、人手不足が起きているのでしょうか? その社会環境と原因を探っていきたいと思います。

少子高齢化による生産労働人口減少

人手不足に陥っているおおもとの原因は「生産労働人口の減少」。少子高齢化が叫ばれるようになって久しいですが、この人口減少問題がいよいよ実社会で表面化してきたということです。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2060年の人口は約8500万人。現在よりもおよそ4000万人もの人口が減ってしまいます。単純計算で年間100万人の減少。日本の人材不足問題はまだまだこれからといった状況です。

団塊世代の一斉退職

日本の雇用や消費を担う団塊の世代の退職も、人手不足の背景と考えられます。

団塊の世代を少し広くとらえ、58~62歳(1947~1951年生まれ)の人口を合計すると、1063万4000人となります。これは、日本の総人口1億2557万人の1割に近しい数を占めており、これだけの数の労働人口が大量に定年退職するとなれば、現状の人手不足のさらなる悪化は想像に難くありません。

団塊の世代による相当なボリュームの退職は、避けることができない課題であるため、人手不足を発生させる、非常に大きな原因であるといえるのです。

参照:統計局ホームページ/統計Today No.32|総務省統計局

転職者の増加

総務省が2020年2月に発表した統計によれば、2019年の転職者数は過去最多の351万人となっています。

日本の雇用情勢が改善の兆しを見せる中、より良い条件を探し求め、前職を離職する転職者が増加。つまり、転職と同数の離職が起きていることになります。転職者の増加に伴い、人手不足倒産の「従業員退職」倒産に当てはまるケースが増えていると考えられます。

参照:増加傾向が続く転職者の状況|総務省統計局

人手不足解消のための4つの方策

それでは「まだ倒産するまでには至っていないけれども、現在進行形で人手不足に悩んでいる」という場合にはどのような対策をとったらいいのでしょうか。ここではその方向性を解説していきたいと思います。

女性・高齢者採用の拡充

まず一番に挙げられるのが未開拓人材の活用です。特にここ数年、注目されているのが「女性」と「高齢者」。

総務省の統計では2017年の就業率の平均は男性が68.4%であるのに対して、女性は49.8%。仮に就業していても非正規やパートタイムの方が多いのが現状です。高齢者(65歳以上)の就業率は23%。女性、高齢者ともに過去最高の就業率を記録していますが、まだまだ伸びしろがあります。

優秀な女性やシニア人材を積極採用していくことで人手不足解消になるほか、「多様性豊かな社内風土」にもつながっていくと考えられます。

IT技術を活用した業務の効率化

新規採用を推し進めていくと同時に、仕事の効率化を図って「人手を必要としない仕組みづくり」に取り組むことも大切です。最近ではメールだけでなく、SNSやチャットサービスを社内のコミュニケーションツールとして導入するケースも増えてきました。また、クラウドサービスも充実してきており、経理や会計などの業務改善に取り組む企業も多くあります。

IT技術を活用すれば、自宅や喫茶店などリモートワークも十分に可能になります。仮に出社時間が往復2時間だった場合。出社回数を半分に減らしたら、月に20時間もの時間を捻出できます。

外注サービスの活用

ITサービスを活用すると同時に、業務をアウトソースするということも視野に入れましょう。たとえば、日々のルーティンワークである事務処理は比較的容易にアウトソーシングできますし、ランサーズやクラウドワークスと言ったプラットフォームを利用するのもひとつの方法です。

人を雇うのにはコストがかかり、リスクも増えます。そのため、外注できるものは外に出して、本業に専念するという資源配分も人手不足の企業には有効な策であると言えます。

働きやすい環境づくりをする

いま現在に働いている社員に長く働いてもらうという視点も大切です。新しく人を入れても、同時に既存の従業員が辞めていってしまえば元も子もありません。そうならないためにも「働きやすい職場づくり」「成長できる環境づくり」に取り組んできましょう。

最近では、福利厚生の充実に力を入れる企業も増えてきており、その事例もたくさんあるので以下の記事をぜひ参考にしてみてください。

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人手不足の対策として企業がとるべきアプローチ徹底解説!

人手不足対策に積極的な企業事例 4社

実際に人手不足対策を講じている企業を見ていきたいと思います。いずれの例も再現性が高いものばかりなので、本気になればすぐに始められるのではないでしょうか。

株式会社タニタハウジングウェア|ワークライフバランスを重視

建材メーカーであるタニタハウジングウェアは、働きやすい環境整備に力を入れている会社です。特に育児をしている社員へのサポート体制が充実しており、「くるみんマーク取得」「東京ワークライフバランス認定企業」にも認定されています。

【企業データ】
事業概要:製造業
所在地:東京都板橋区東坂下2-8-1
創業:1947年
資本金:7,200万円
従業員数:129人

【取り組み内容】
・育児短時間制度を就学前までに拡充(法定は3歳まで)
・Facebookや社内イントラネットを活用して情報共有
・子どものいる社員に対して、10万円の入学金祝制度を導入

【効果】
・育児糾合後の復職率100%
・育児休業中でもオンライン上で情報が見られるため、復職がスムーズになった

URL:https://www.tanita-hw.co.jp/index.html

株式会社ふらここ|女性社員が活躍できる場を提供

ふらここはひな人形や五月人形を製造している会社で、メインターゲットは「20~30代のお母さん」。ターゲット層と同じ若手女性社員が活躍できる場の提供に力を入れており、その取り組みが業績と働きがい向上につながっています。

【企業データ】
事業概要:小売業(人形)
所在地:東京都中央区東日本橋3-9-8
創業:2008年
資本金:500万円
従業員数:20人

【取り組み内容】
・子連れ出勤の自由化
・パート社員から正社員への転換制度を充実
・商品企画研修の充実

【効果】
・女性社員の活躍が目覚ましく、業績拡大
・20代の女性社員が企画した商品がヒット

URL:https://www.furacoco.ne.jp/

株式会社双美商会|多様な働き方ができる会社

双美商会は、和歌山県に本社を置くビルメンテナンスの会社。「人と建物、自然に優しい空間の提供」をモットーに掲げ、もちろん従業員にも優しい制度がいろいろと敷かれています。社員やパータイマーのニーズそって、多様な働き方をすることができるのが特徴です。

【企業データ】
事業概要:ビル総合メンテナンス、一般労働者派遣事業、消臭 液の製造・販売
所在地:和歌山県田辺市湊32-12
創業:1961年
資本金:1,000万円
従業員数:291人

【取り組み内容】
・社内研修制度の充実(OFF-JT・OJTともに)
・自社バス運行による送迎
・年中無休の託児所を開設
・企業内表彰制度の設立

【効果】
・和歌山県「子育て応援企業」に認定
・さまざまな事情を抱えるパートタイマーの方にとって働きやすい職場環境の実現(業績向上にも繋がっている)

URL:http://www.futami-s.co.jp/

株式会社ホーユーウエルディング|人手不足解消のために自動化を推進

ホーユーウエルディングは鉄加工を主におこなっている会社です。ここでは人手不足の解消のため、工程の機械化が進められています。そういった取り組みが認められ、チャレンジ意欲の高い企業に贈られる「ひょうご成長期待企業」にも認定されています。

【企業データ】
事業概要:製造業(3次元レーザー加工、など)
所在地:兵庫県伊丹市森本9-14
創業:2006年
資本金:300万円
従業員数:23人
事業概要:製造業(3次元レーザー加工、など)

【取り組み内容】
・作業工程をロボット化
・ロボットのプログラミングも自社で内製
・1年に1日好きな時に休みを取得できる「Special Thanks Day」の導入

【効果】
・自動化を進めた結果、作業効率・品質ともに改善
・ロボット化により、休みを取得しやすくなり従業員満足度の向上にもつながっている
URL:http://www.hoyu-welding.co.jp/

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検討したい外注サービス6選

それでは最後に人手不足対策に最適なサービスを紹介していきます。明日から導入できるものもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

業務効率アップを図るサービス

Slack(スラック)|世界で利用されているビジネスチャット

世界中で利用されてるビジネス向けチャットサービス。もともとはアメリカ企業がリリースしたもので、今では100カ国以上でダウンロードされています。容量5GBまでであれば無料で使えるのもうれしいポイント。LINEやFacebookにはない機能が評価されており、使い勝手の良さがウリです。
URL:https://slack.com/intl/ja-jp/

Remotty(リモティ)|リモートワークに最適なバーチャルオフィス

オンライン上のバーチャルオフィスサービス。Remottyにアクセスすると同時に、PCのカメラで撮影された画像が自動でメンバーに共有されます。その画像は定期的に更新され、それぞれのメンバーが「今、どういった状況にあるのか」すぐにわかる仕組みになっています。まるで実際のオフィスにいるような感覚で仕事をすることができ、在宅勤務やサテライトオフィスなど、いろいろなタイプのリモートワークに適しています。
URL:https://www.remotty.net/

アウトソーシングサービス

クラウドワークス|日本最大級のクラウドソーシングサービス

最近流行りのクラウドソーシングは、仕事を発注したい企業と受注したい個人のマッチングをおこなうプラットフォームです。クラウドワークスはそのなかでも日本最大級のサービス。簡単なデータ入力から、文章執筆、プログラミング、デザインなど、企業はさまざまな種類の仕事を依頼することができます。単発の仕事から発注ができるので、企業にとっても忙しい時期だけ利用するなど、それぞれに合った使い方ができます。
URL:https://crowdworks.co.jp/

シュフティ|主婦に特化したクラウドソーシングサービス

シュフティも有名なクラウドソーシングサービスです。特徴はワーカーのほとんどが主婦・主夫であること。ほかでは発注しづらい細かなタスクでも早期対応が可能です。アンケート回答や電話営業など、発注できる仕事内容も多岐に渡ります。
URL:https://app.shufti.jp/

働きやすい職場環境整備のためのサービス

オフィスおかん|1品100円から購入できるプチ社食サービス

オフィスに専用のボックスや冷蔵庫を設置して、いつでもそのなかの惣菜を食べることができる食事サービスです。「健康経営」の重要性が高まるなかで、非常に注目が集まっています。食事内容も栄誉バランスがしっかりと考えられており、メニューもさまざま。季節ごとのメニュー替えもあるので飽きが来ないのもポイントです。仕事帰りに持ち帰って、夕食の1品にすることもできるので、忙しいお父さん・お母さんにとってもありがたいサービスです。
URL:https://office.okan.jp/

Unipos|社員同士で褒め合うピアボーナス

ピアボーナスは社員同士でボーナスを与える仕組み。Uniposはピアボーナスをサポートするサービスで、部署単位でも導入が可能です。コミュニケーションの活性化や従業員満足度の向上につながります。スマホから簡単に投稿でき、タイムラインでチームに共有されます。特徴は「拍手」という機能。投稿に賛同したら、拍手を送り賞賛に便乗することできます。これにより社内の模範行動が共有化され、よりよい企業文化が醸成されていきます。
URL:https://unipos.me/ja/

人手不足解消で働きつづけられる会社に

少子高齢化に歯止めが利かない日本においては、今後も人手不足が成長の阻害要因となることは間違いありません。そのため今からできることを少しずつ始めていくことが重要です。

「人が少なくても滞りなく業務遂行ができる体制づくり」「働きやすい環境整備をして魅力ある会社づくり」など、やるべきことはたくさんあります。対策をしていくことは人材不足解消になるでなく、業務効率や働きやすさの向上にもきっとつながっていきます。自社がどのような状況に置かれているのかをしっかりと見定めながら、できることを始めていきましょう。

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執筆者 Writer

おかんの給湯室編集部

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