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福利厚生

家族手当とはどんな制度?支給相場から運用まで徹底解説

福利厚生


家族がいる従業員に対して支給される家族手当。時代の流れから、制度の廃止を検討する企業が増えてきています。そもそも、家族手当とはどういう制度で、どのような条件のときに支給するものなのでしょうか。制度の基本的な事項から、現在どのような代替制度へ移り変わっているかを解説します。

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家族手当とは何か

家族手当とは、従業員が家族を扶養している従業員に、一定の条件を満たす場合に、その人数等に応じて、基本給とは別で支給される手当のことです。法定外福利厚生であり、法律で義務付けられている制度ではないため、支給の有無や支給額、条件などは企業によってさまざまです。

企業によっては、配偶者のみを対象にした「配偶者手当」、子どものみを対象にした「子ども手当」、または扶養家族のみを対象とした「扶養手当」と、対象に応じた運用を行なっている例も。「扶養」の基準については、税法上の扶養配偶者(年収103万円以下)としている場合が多いようです。

家族手当の現状

現在、家族手当は一般的にどれくらいの金額が支給され、どれくらいの割合の企業が支給をしているのでしょうか。

いくら支給されているか

家族手当はそもそも企業によって制度の有無や金額が違うため、基準額や決められた金額はありません。従業員の平均金額としては、家族手当平均額は17,282円となっているため、この金額を従業員一名あたりの相場と考えることができます。この金額は会社の規模によって差があり、従業員数が30人〜99人の企業では平均12,180円、従業員数1000人以上の企業では21,671円と、規模の大きい企業のほうが金額も多く支給されています。

企業規模別の家族手当、扶養手当、育児支援手当などの労働者1人あたり平均支給額

人数 労働者1人あたり平均支給額(円)
1,000人以上 21,671
300~999人 17,674
100~299人 15,439
30 ~ 99人 12,180

また、東京都労働相談情報センター『平成30年版中小企業の賃金・退職金事情』では、業界間での差はあるものの、配偶者への支給金額は10,000円程度、子ども一人への支給金額はおおむね5,000円程度が平均と報告されています。

参考:
厚生労働省 平成27年就労条件総合調査
    産業労働局 平成30年版中小企業の賃金・退職金事情

家族手当が支給されている企業の割合

人事院が公表している『平成30年職種別民間給与実態調査』によると、家族手当制度を導入している企業の割合は全体で77.9%となっています。従業員数別で確認すると、従業員数33人〜99人の企業では64.1%、1000人以上の企業では77%と、企業規模によって差はあるものの、過半数以上の多くの企業で導入されていることが伺えます。

家族手当、扶養手当、育児支援手当などの支給企業割合

人数 支給企業割合(%)
1,000人以上 77.0
300~999人 76.8
100~299人 72.2
30 ~ 99人 64.1

家族手当の支給条件とは

家族手当の支給対象となる範囲

「家族手当」とされた場合、支給対象となる家族は「配偶者」や「子ども」の両方を含む例が多くみられます。また、「両親」も含まれる場合もあります。さらに、所得税法上の扶養親族には「6親等内の血族及び3親等内の姻族」「都道府県知事から養育を委託された児童」「市町村長から養護を委託された老人」も該当するので、それらも対象となる企業も存在するようです。

しかしながら、これらの範囲に含まれるからといって、無条件に支給対象となるわけではなく、対象となる家族の収入や年齢、世帯状況で判断がなされます。

支給対象となる家族の年齢条件

対象家族を年齢で限定する場合、子どもは「満18歳以下」もしくは「満22歳以下」と就業前の年齢を規定し、両親は「満60歳以上」というように就業中の年齢を除外して規定される例が多いようです。

支給対象となる家族の収入制限

収入の上限としては、「所得税の配偶者控除が受けられる年収103万円以下」または「社会保険の被扶養者として認められる年収130万円未満」を基準とする企業が多くみられます。一方で、収入に制限を設けないケースもあり、まさに企業ごとに基準が定められていることがわかります。

支給対象となる家族と同居しているか

「対象となる家族が従業員と同居しているかどうか」「対象となる家族が従業員の同一生計内で生活しているかどうか」という規定のある企業もあります。同居が条件である場合は、子や配偶者であっても別居している時点で支給対象からは外れてしまいます。

例えば、子どもが一人暮らしをしている場合や単身赴任で配偶者や子どもと別居している場合、別居をしている両親がいる場合などであっても、生活費を送っているのであれば「同一生計内」と判断されるため、同一生計であることが条件の場合は支給対象となる可能性があるでしょう。

また配偶者の定義を「届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む」や「戸籍上の性別を問わない」のようにしている場合、事実婚や、同性のパートナーであったとしても、他の条件を満たせば支給対象となるでしょう。

家族手当を支給することによる効果・影響

従業員にとってはとてもありがたい家族手当ですが、企業にとっては負担となっていることも事実。企業にとって、または従業員にとって、家族手当はどのような影響があるのでしょうか。

支給するメリット

家族手当は従業員の生活の負担を軽減し、従業員の満足度を向上させます。従業員に気持ちよく働いてもらうことで、離職率の低下も期待できるでしょう。また、充実した福利厚生は優秀な人材の採用にも一役買うかもしれません。

支給するデメリット

家族手当は、あくまで支給条件に当てはまる従業員に支給されるものであり、仕事の成果に対するものではありません。したがって支給資格のない従業員が、不公平を感じてしまうことも。このようなデメリットもあり、家族手当の廃止を検討する企業が増えているようです。

家族手当を廃止する企業が増えている

上で記したような従業員同士での不公平感や、続く景気の低迷、家族形態の多様化などの多くの背景があり、従来の家族手当の仕組みの見直しをしたり、廃止をする企業が増えています。

『平成30年職種別民間給与実態調査』には、家族手当の支給制度のある会社のうち、14.2%が配偶者に対する家族手当の廃止や見直しを検討しているという報告が出ています。さらに、東京都の「中小企業の賃金・退職金事情」を年代別に確認すると、1982年には83%の企業が家族手当を支給していましたが、2013年には56%と、都内中小企業においてはすでに大幅に減少しています。

家族手当の廃止企業が増えている理由とは

理由の一つとしては、共働き世帯の増加や独身世帯の増加など、家族手当の支給対象者がそもそも減っていることが考えられます。男性のシングルインカムのみで生計を立てる世帯が減少し、女性が結婚・出産後も仕事を続けることが増加しました。結果的に、家族手当の支給条件から配偶者が外れ、支給対象者が減っていることが考えられます。

もう一つの理由としては、仕事においては成果をより重視する傾向になってきていることが上げられます。同じ成果を上げている従業員たちであるのに、彼らの家族構成によって給与に大きな差が出るのは不公平だ、という意見が聞かれるようになりました。

廃止した企業の例

有名な企業では、トヨタ自動車が扶養配偶者への家族手当を廃止し、子どもひとりあたりの手当額を4倍にすると決定、2021年に完全移行すると発表しています。また、自動車メーカーでは、ホンダも2016年に扶養配偶者への手当を廃止し、子どもへの手当額を増額しています。ホンダの場合、介護が必要な家族に対しても手当が出る制度となりました。

このように、旧来の「女性は結婚したら専業主婦」という家族システムが時代とともに変化し、女性が社会に出ることも多くなった今、少子高齢化において、子育て支援や介護の支援となりうる新しい制度への移行が、大企業でも徐々に行われてきていると言えます。

家族手当を導入する場合の注意点

不平等が出ないようにする

家族手当は上記の通り支給する企業が減少しており、廃止を検討している企業も今後増えていく可能性があります。それでも導入を検討する場合、従業員の間に不公平感が出ないように最大限考慮する必要があるでしょう。

家族手当の不正受給

制度を導入した後も、不正受給を防止できるような運用を行わなければなりません。例えば、「支給条件に配偶者の年収を条件にしていたが、その制限を超えた」「子どもの年齢が制限を超えた」「対象家族との同居が条件であったが、別居することとなった」など、対象の家族が支給条件から外れてしまった場合、従業員は会社へ報告しなければなりません。その報告を怠り、支給条件を満たしていない状態にもかかわらず受給を続けている場合は不正受給となります。

これを防止するためには、定期的な確認が必要です。家族手当の申請内容に変更がないかどうか、書面での確認、および説明会の開催を行うことで不正受給の防止につながります。家族手当の過払いは、企業が「不当利益の返還請求権(民法167条、703条)」を持つことになりますので、10年までさかのぼって返還請求を行うことができます。このことも含め、不正受給のリスク周知を徹底しましょう。

また、一度導入すると、廃止の際に下記のような手続きを踏む必要があります。制度を取り入れる前に、今後継続的に制度の運用が可能かを再考してもよいでしょう。

家族手当を廃止する場合の注意点

家族手当を減額したり廃止したりすることは、従業員にとって不利益変更となり、すぐに廃止できません。

労働契約法第8条に「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」とあるように、労働条件の変更には労働者と企業が合意する必要があり、企業側が一方的な就業規則の変更を行うことはできません。従業員全員の合意を得ることが必要となります。

家族手当の廃止、減額にあたっては、対象となる従業員のみならず、全ての従業員にその経緯と目的に納得してもらう必要があります。現在支給を受けている従業員だけではなく、今後支給を予定していたであろう従業員がいることも想定されます。従業員一人ひとりの意見を丁寧にヒアリングしていきましょう。また家族手当を受給している従業員が、制度廃止後の負担が急増しないよう、段階的に支給額を減じていくような経過措置を取ることも検討してみましょう。

変更後の規定は、従業員の過半数代表者に内容の確認と意見聴取を行なった後、労働基準監督署への届出が必要となります。届出の際には、「就業規則変更届」「従業員の過半数代表者からの意見書」「変更後の就業規則」を準備し、所定の管轄の労働基準監督署へ提出しましょう。

家族手当の代わりになりうる制度

家族手当を廃止する代わりに、従業員の納得を得られるような制度を用意する企業も多いかと思われます。配偶者への手当を廃止して子どもや要介護者への手当を充実させる場合もありますが、「基本給に一本化する」「能力手当を新設する」という選択も。

基本給に一本化された場合、基本給ベースで算出される残業代や賞与に反映されるので、従業員にとっては喜ばしい変更になることも考えられます。能力手当の場合、PCやITの技術、英会話など言語能力など、業務に使用するスキルによって手当を支給するような制度にすることにより、従業員の成長モチベーションを上げることにつながるでしょう。

参考記事:
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より自社に合う制度設計を

大正時代に作られた制度と言われる家族手当。昭和、平成を経て従業員のライフスタイルが多様化し、より公平さに納得感のある制度になるよう見直す動きが広がりつつあります。従業員のやる気につながるような制度をめざし、様々な事例を参考にしながら、より自社に合う制度設計を考えてみてはいかがでしょうか。

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