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事前の準備が必要不可欠!介護離職せずに介護を続けるためのポイント

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両親や配偶者の介護が必要になったときに、介護離職しなければならないと考える人も多いでしょう。しかし、介護離職は介護者本人はもちろん、家族や職場にも影響が大きいことです。そこで、介護離職を考えている人や、介護離職する従業員を見てきた企業担当者のために、仕事を辞めずに介護を続けるためのポイントについて紹介します。

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ゼロには遠い!介護離職の現状

安倍晋三首相が2014年に打ち出した「アベノミクス」は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という「3本の矢」により、持続的な経済成長を狙う経済政策です。さらに、2015年には第2ステージとして、強い経済、社会保障、子育て支援の「新3本の矢」を掲げています。その中で、社会保障の具体的な内容に、介護離職ゼロが含まれているのです。身内の介護による離職は、一般企業だけではなく国にとって喫緊の課題となっています。総務省統計局が2017年に発表した「就業構造基本調査」によると、15歳以上の人口約1億1097万6000人のうち、介護をしているのは約627万6000人です。

そのうち仕事をしながら介護を行っているのは約346万3000人、仕事をしていない人は約281万5000人でした。これらの調査結果から、介護を行っている人の半数以上は、仕事と介護を両立していることがわかります。一方、2017年10月から2018年9月までの1年間に、約9万9000人が介護や看護のために離職しており、うち男性は約2万4000人、女性は約7万5000人です。これは、離職者全体の約1.8%にあたります。割合としては小さいとはいえ、少子高齢化が進む状況を踏まえると、年間10万人近くが介護離職をしている現状は、決して楽観視できるものではありません。

参考:
【厚生労働省】仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査
【首相官邸】ニッポン一億総活躍プラン
【総務省統計局】平成 29 年就業構造基本調査 結果の概要
【首相官邸】アベノミクス「3本の矢」

介護離職による従業員の負担

介護離職の問題点は、介護を行う本人に負担しかかからないことです。介護離職によって生まれる負担の具体例を4つ紹介します。

心身の負担は軽減できない

仕事を辞めれば介護に専念できるぶん、心身の負担が軽減されると考えて、介護離職を選ぶ人もいるでしょう。しかし、退職したにもかかわらず、かえって肉体的、精神的な負担が増えたと感じている人が多いのも事実です。原因として、生活が介護一辺倒になってしまう点や、日々の心労や将来の不安に加えて収入の心配までしなければならないという点が挙げられます。介護に対する責任や精神的なプレッシャーから、慢性疲労や睡眠不足に陥ったり、介護している事実を知られまいとして周囲から孤立し、介護の不安や悩みを誰にも相談できずにうつになったりというケースも多いです。

特に、好きな仕事についていた人や、仕事にやりがいを感じていた人は、仕事を辞めてしまった後悔や喪失感から心身に不調をきたすこともあるでしょう。結果として、自身も通院しながら介護を続けることになり、心身の負担も経済的な負担も大きくなってしまう可能性があります。

収入が一気に下がる

当然ながら、離職すると収入が大幅に減ります。失業手当や親の年金で一時的に収入を確保する方法はあるものの後には続かないため、介護が長引き復職の目途が立たなければ、いずれ収入が途切れてしまうでしょう。日々の生活費に加え、介護サービスを利用すれば費用が発生します。介護に集中するほど出費がかさむため、少しでも節約するには24時間つきっきりで介護を行うしかありません。

自分で介護をすれば経済的な負担は減るものの、心身の負担は大幅に増えます、介護している本人の心身に支障をきたすリスクは上がってしまいます。人によっては住宅ローンや子どもの養育費などの負担も継続的に発生するでしょう。たとえ復職できたとしても、離職前より収入が下がる可能性は高く、介護の負担が減った後も経済的な負担がすぐに解消されることはありません。

キャリアの断絶

介護離職によるデメリットの一つが、キャリアが断絶されてしまうことです。一度離職してしまうと、これまでのキャリアが途切れるだけではなく、復職しても積み上げたキャリアが通用するとは限りません。総務省が2019年6月に発表した「介護施策に関する行政評価・監視」によると、再就職できた介護離職者は43.8%、そのうち正社員になれたのは20.6%という結果が出ています。原因として考えられるのは、介護離職者の年齢層が高いことです。年齢が高くなるほど、離職後のキャリアを積んでいくのは難しくなってしまいます。

復職してキャリアの断絶が防げたとしても、正社員になれる人は少なく、年収も下がってしまうことがほとんどです。要介護者が亡くなり、介護の必要がなくなった後も、介護者は生活を続けていかなければいけません。介護のために経済的基盤を手放すのは、非常にリスクの高い行為といえます。

介護離職による会社の負担

介護離職は介護者本人だけではなく、介護者が所属する企業にもデメリットが大きいです。介護を理由に離職する従業員は40~50代が多く、ほとんどは企業の中核としています。この年齢層の従業員は、企業にとっては重要な戦力というだけではなく、若手にノウハウや戦力を伝える役割を担っている人材です。しかも、労働力人口が低下していることもあり、代替要員がすぐに見つかるとは限りません。

結果として、残った従業員の業務量を増やさざるを得ず、不満が大きくなる可能性があります。すると、若い年齢層の従業員まで、業務量や残業の多さを理由に離職してしまうリスクが高くなるでしょう。従業員数が減れば業務が回らなくなり、売上の減少につながる可能性もあります。このように、介護離職は企業にとっても非常にダメージが大きい選択です。

参考:
【厚生労働省】仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査
【総務省】介護施策に関する行政評価・監視 -高齢者を介護する家族介護者の負担軽減対策を中心として- <結果に基づく勧告>

国の制度を活用しよう

介護離職を防ぐため、国はさまざまな制度を実施しています。これらの制度は介護者が行使するべき正当な権利です。心身および経済的な負担を減らすためにも、積極的に利用しましょう。また、企業担当者も、要介護者を持つ従業員が円滑に制度を利用できるよう支援しなければいけません。ここからは介護に関する主要な制度を3つ紹介します。

介護休業と介護休暇

仕事を辞めずに介護を続けるには、介護休業や介護休暇を利用するという方法もあります。介護休業とは、要介護状態の家族1人につき、通算93日まで休業できる制度です。要介護状態とは、介護保険制度の要介護状態区分において要介護2以上であることを指します。また、要介護認定を受けていなくても、2週間以上の介護が必要であれば、要介護状態です。介護休業は必ずしも93日間、仕事を休まなければならないというわけではありません。たとえば、1回目は30日、一旦復帰してしばらく経ったら25日、さらに期間をおいて35日というように、3回までなら分割して休むことも可能です。

なお、介護者の負担は介護段階によって増えるケースもあります。1回目の取得時は介護に関する手続き、2回目は施設介護への移行、3回目は終末期に備えるといったように、要介護者の状態に合わせて段階的な取得を視野に入れると良いでしょう。一方、介護休暇とは通院の付き添いや介護サービスを受けるための手続きを行う際に、年5日まで休暇を取得できる制度です。介護休暇は1日もしくは半日単位で取得できます。いずれも法律に基づく制度なので、従業員が申請すれば、事業主は拒むことができません。

労働時間の制限

介護を行っている従業員には、労働時間の制限が適用されます。労働時間の制限とは、介護が終了するまでの期間に限り、残業の免除や時間外労働、深夜労働の制限を受けられる制度です。事業主は労働時間の制限を受けている従業員に対し、1カ月あたり24時間、年間150時間を超える時間外労働をさせることはできません。また、事業主は労働時間短縮のため、短時間勤務制度かフレックスタイム制度、時差出勤制度、介護費用の助成措置のいずれかを実施する義務があります。利用できる期間は制度の適用を開始した日から3年間です。また、最低でも2回以上利用可能な措置を講じなければいけません。

介護休業給付金

経済的な負担を軽減するために、介護休業給付金を利用するのも一つの方法です。介護休業給付金を受けるには、いくつかの条件を満たしている必要があります。まず、介護者が雇用保険の被保険者であり、家族を介護するために休業していることです。さらに、休業開始日から過去2年間において、賃金支払基礎日数が11日以上の月が12カ月以上ある人が対象となります。フルタイムで勤務している人なら、休業開始日の1年以上前から勤務していれば、問題なく介護休業給付金が支給されるでしょう。介護休業給付金の手続きは、勤務先ではなくハローワークで行います。支給日数や支給額は人により異なるため、具体的な金額が知りたいときは、ハローワークで確認しましょう。

参考:
【厚生労働省】介護で仕事を辞める前にご相談ください!

【ハローワークインターネットサービス】雇用継続給付

介護が必要になったと感じたときの準備や心構え

介護についての準備や心構えがあるかないかで、介護が必要になったときの気持ちは大きく変わります。将来的に介護が必要になると感じたら、少しずつ心の準備を整えておくことが大切です。ここからは介護に対する心構えや、準備しておくべきことを4つ紹介します。

介護保険制度を活用する

介護保険とは、介護のために必要な費用を給付してもらえる制度です。ただし、介護を受けていれば誰でも受けられるというわけではありません。対象となるのは、各市区町村への申請により、要介護認定を受けた人です。被保険者は大きく分けて、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。第1号被保険者は64歳以上、第2号被保険者は40~64歳が対象です。

要介護認定を受けると、食事や排泄など日常生活を送るための補助だけではなく、国が提供するさまざまな介護サービスを受けることができます。サービスの内容は自治体により異なりますが、基本的に地元密着型のサービスを展開しているのが特徴です。しかも、被保険者であれば、介護サービスを利用する際の自己負担額は1割で済みます。

相談窓口を確認する

介護について不安や悩みが生じたら、一人で悩まず相談することも大切です。身近に相談できる相手がいないときは、自治体が設置する地域包括支援センターを利用しましょう。地域包括支援センターは、介護や医療、保健などの総合相談窓口です。専門知識を持ったスタッフが在籍しているため、介護予防ケアプランの作成や虐待被害の防止など、幅広い相談に応じてもらえます。

さらに、介護保険の申請をしたい場合も、地域包括支援センターから手続きができます。利用できるのは対象地域で暮らす65歳以上の住人と、その支援に携わっている人です。介護が必要だと感じたときは、最初に地域包括支援センターへ相談すると良いでしょう。なお、相談料は無料です。ただし、地域包括支援センターから紹介されたサービスを利用する際は、費用が発生することもあります。

ケアマネージャーに相談する

ケアマネージャーとは、介護を必要とする人が過不足なくサービスを受けられるよう、利用者へさまざまな支援を行う専門職です。主な業務として、ケアプランの作成や適切な介護サービスの提案、介護保険の申請代行などが挙げられます。特に、介護保険を利用したサービスは、ケアプランがなければ受けられません。ケアプランそのものは要介護者本人や、その家族が作成することも可能です。

しかし、ケアマネージャーであれば介護保険の支給限度額におさまるよう計算しながら、必要なサービスを組み合わせることができます。そのため、ケアプランの作成はケアマネージャーに依頼するのが一般的です。なお、ケアマネージャーへの支払いは、全額が介護保険でまかなわれています。利用者の自己負担分は発生しません。

職場での理解を求める

介護休業や介護離職は、労働者の正当な権利ではあるものの、職場にかかる負担は避けられません。介護に対する理解を深めるためにも、できるだけ早めに相談しておくと良いでしょう。まずは上司や人事担当者に状況を報告したうえで、制度の利用も視野に入れつつ、仕事と介護を両立する方法を模索していくことが大切です。介護が必要になりそうな状態であれば、地域包括支援センターやケアマネージャーだけではなく、職場の人事担当者にも相談し、どのような支援制度を利用できるのかを確認します。事前に調べておけば、人事担当者も手続きの内容を把握できるため、いざ介護が始まったときにもスムーズに対応してもらえるでしょう。

「家族が介護するもの」という思い込みをなくそう

身内の介護は自分がしなければならないという思い込みから、介護離職に至る人も少なくありません。しかし、家族だけでは負担が大きいからこそ、国がさまざまな制度を用意しているのです。また、企業側も従業員の状況を理解し、仕事と介護の両立支援を積極的に行わなければいけません。ここで紹介した情報を参考に、無理なく仕事と介護を両立させましょう。

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