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組織開発

会社の生産性を向上したいなら、従業員の「健康」は会社が支援する

組織開発


人材不足が叫ばれる中、果たして「出会い」だけに情熱を傾けて出会ったあとの「働きつづけられる組織づくり」をなおざりにしてよいのでしょうか?

有名な学者ハーズバーグは、従業員の満足度低下や離職の理由は2種類しかないと唱えました。

仕事のやりがい、責務、企業理念への共感など「モチベーター」と呼ばれるもの。もうひとつは、自身の健康状態、家庭との両立、同僚との関係、職場環境など「ハイジーンファクター」と呼ばれるものです。厚生労働省の調査結果によると、離職理由の約8割はハイジーンファクターからくるものでした。

愛社精神の強い優秀な人材でも、ハイジーンファクターが理由で離職することがあります。 そのため、欧米では経営上の重要な投資対象として積極的に取り組まれています。

今回は健康経営の観点から、従業員が安心して”働きつづけられる”環境づくりを推進している、株式会社富士通ラーニングメディアの代表取締役社長 執行役員社長 青山さん、コーポレート統括部 管理部 担当部長 清水谷さん・矢内さんの3人にお話を伺いしました。

働きやすさの根幹こそ健康、すなわち「元気に明るく頑張れる」状態が大切

健康経営をはじめたきっかけを教えてください。

弊社でもともと取り組んでいた従業員の働きやすさづくりを説明するうえで、たまたま「健康経営」という言葉がわかりやすかったからだと思います。働きやすさ、すなわち、「元気に明るく頑張れる」状態をいかにつくっていくかは、従業員満足度や人財定着率の向上にもつながる大切な観点で、昔から重要視してきました。

そして、働きやすさの構築には、オフィス環境、リモートワーク、勤務制度などの要素がもちろんありますが、その大前提として健康があると捉えています。健康は働きやすさの一部なのかもしれません。

なぜ、会社として、従業員の健康に取り組む必要があるのでしょう。

従業員の生産性に大きく影響を与えるからです。弊社にとっての「健康」とは、「朝起きたら会社に行きたいと思える状態」「会社に来て他の従業員と語らうことが楽しい状態」をイメージしています。そうすると、「健康」であることは、従業員の生産性の高さに大きく影響を与えます。

単純に風邪をひいて出社できないという話ではなく、たとえば、会社に来たけど何かやる気がしない状態、それは間違いなく生産性が悪いため、そういう部分も含めて会社としてどうにかしていきたいわけです。出社したけどやる気がでないという状態は、会社全体の生産性の観点で、ボディーブローのように効いてきます。

また、会社が本当に向かいたいベクトルに対して、従業員に頑張ってもらうためにも、個人の健康、言い換えれば、個人が頑張り得るような体質をつくってあげる必要があります。

ただ、それを一人でつくれというのはなかなか難しいわけです。だから、皆で楽しみながらやれるといいですね。ノルマのようにやらされるのではなく、本当に楽しくやりたい人が取り組める、そして段々皆がそれに乗っかっていくのがいいですね。たとえば、ピラティスを皆で行ったときがありましたが、ああいうものは、どんどんやった方がいいのではないかと思います。

ちなみに、私は入社式で新入社員へ弊社で求められる人材像をお伝えしています。2つあるのですが、一つはプロフェッショナリティ、もう一つが「健康」になります。そのくらい「健康」とは大切であると捉えています。

従業員だけでなく家族にとっても働きやすく健康に過ごせる会社へ

従業員の働きやすさや健康づくりのため、どのような環境ができていますか。

会社内における環境だけでなく、そのご家族も含めた環境で働きやすさを実現しようとしています。「元気に明るく頑張れる」や「朝起きたら会社に行きたいと思える状態」の実現のためには、ご家族を含めた周りの環境が重要だからです。

たとえば、子どもがパパやママが会社に行くことに対して前向きであるとよいですよね。「パパやママの会社は、どんな会社なの?」と興味を持ってくれていることは、「元気に明るく頑張れる」や「朝起きたら会社に行きたいと思える状態」という観点でも大切です。

弊社では、定期的に従業員とご家族も含めた社内イベントを行っています。子どもを連れてきてもらっての会社紹介や、別の機会になりますが会社から子どもへ入学祝いのプレゼントを行っています。名前入りの鉛筆や消しゴムといった文房具セットを送ると喜んでくれて、会社にも関心を持ってくれるようです。

従業員の成長できる環境という面ではいかがですか。

他にも弊社らしさを挙げるとすれば、中途採用が一般的な研修業界において、新卒採用が主であることです。新卒を育てられる会社です。

他社からもなぜ新卒から講師を育てられるのかを質問されることがしばしばあります。もちろん、研修の会社だから、人に教えることが好きという資質の人間を採用していることがあります。

ただ、それだけでなく、講師が他の講師を育てる環境、丁稚奉公ができる環境がよい影響を与えています。そして、その背景にはやはり働きやすさがあります。仕事をするうえで、楽しさや少しの気楽さが大切だと思っていますが、そういった余裕が、社内に語らいの場や教え合う文化を生んでいると思います。

弊社のように研修事業やコンサルティング事業を行う会社の場合、プロフェッショナル人財が多くなるため、割と個が立っています。ただ、働きやすさがあるから、個と組織のバランスがうまく取れ、個人の力の向上が組織の力の向上につながり、それがまた個人の力の向上につながるサイクルができています。

また、女性が多い会社です。富士通グループのなかでも、これだけ女性比率が高い会社はそれほどないですね。そのため、昔から自然と女性が活躍できる仕組みが整っていると思います。

たとえば、時短制度は子どもが小学6年生まで適応可能です。女性比率が高いから社内にロールモデルがいるということも、よい影響を与えているのかもしれません。幹部社員の女性比率も高く、一時期わたしの直接の部下が全員女性ということもありました。

最後に、フレックスや在宅勤務、リモートワークなどICTを活用した、働きやすさの構築には近年益々力をいれています。時間や場所にとらわれない働き方を進めております。

健康経営理念の浸透と現状の可視化に注力。PDCAサイクルを徹底的に

健康経営の推進にあたり、どのような課題がありますか。

経済産業省の「健康経営度調査」を活用し2つの課題を洗い出しました。
1つ目は、健康経営理念をさらに浸透させる必要があります。社内外へ健康経営宣言を発表しましたが、これはあくまでスタートです。宣言はその性質上、抽象度が高くなります。理念を従業員に腹落ちしてもらえるよう、宣言にのっとり具体的な施策を推進していきたいです。

2つ目は、具体的な取り組みの検討に必要となる健康データの取得・整備を徹底したいです。健康経営の初年度だったこともあり、健康診断結果を含めた健康関連データの把握に苦労しました。今後は、健康関連データをタイムリーに把握できるよう、健康保険組合とも連携を強化していきたいです。

「健康経営度調査」は、健康経営の進捗度の把握、現在地の把握に最適だと考えています。来年度も「健康経営度調査」を活用し、上記の課題が解決に向かっているか、経年変化を追いPDCAサイクルをまわしていきたいです。

健康経営の理念を浸透したいなら、従業員が五感で楽しめる具体策が必要

どのようなきっかけで「食育セミナー」を利用しましたか。

弊社と株式会社おかん(以下、おかん)は、2018年8月の「オフィスおかん」導入よりお付き合いがあります。
2018年7月に健康経営宣言をしましたが、具体的な施策を検討する上で何か支援をいただけないか、オフィスおかんのカスタマーサクセスチームに相談しました。

どのような目的で「食育セミナー」を活用しましたか。

従業員への健康経営理念の浸透のため活用しました。健康経営宣言は社内外に行い理念も伝えていますが、その浸透にはやはり具体的な施策が必要となります。今回の「食育セミナー」の他にも、「オフィスおかん」含めた食事支援やピラティスなどの運動支援、卒煙支援を行っています。
また、弊社担当の産業医より、従業員の食生活にかかわる意識改善の必要性の共有を受けており、食育はぜひ実施したいと考えていました。

約80%の従業員へ理念が浸透、産業医と参加型のセミナーを協働開催

「食育セミナー」の内容は、どのようなものでしたか。

当日は、「たった1時間で完全理解!FLMにあった健康的な食事方法」と題して、保健師資格を持つおかんスタッフに講師をお願いしました。昼休み中に、オフィスおかんのお惣菜を食べながら、わきあいあいとした雰囲気のなか行いました。
弊社にあった食事のとり方と弊社の健康経営理念や取り組みを、講義とワークショップで学びました。

食事のとり方パートでは、食事バランス、カロリー、夕食が遅い時間の従業員に向け間食の必要性をお話いただきました。食事バランスは、3色食品群を用いて3色の役割や1食で3色をとる必要性をお伝えいただきました。講義内容を振り返るワークショップも行いました。

弊社の健康経営理念や取り組みパートでは、従業員への健康経営理念の浸透度合いを、認知・理解・共感の3段階に分け、今回のゴールを理解に設定して実施しました。認知とは、理念の存在や内容を知っている状態、理解とは理念を自分の言葉で説明できる状態、共感とは理念を自身の行動や発言に落とし込めている状態を指します。

そのために、同業他社や健康経営の先進企業を含めた健康経営宣言のなかから、弊社の宣言を選んでもらいました。弊社が目指す「最高の水準の知のサービス」の提供をヒントに判断をしている従業員が多くいました。

健康経営の取り組み紹介では、従業員が何気なく利用している施策が、健康経営推進の取り組みであることを理解してもらいました。

「食育セミナー」の開催にあたり、どのような点をこだわりましたか。

内容は、2つのポイントを弊社向けにカスタマイズいただきました。

1つ目は、産業医・看護師との協働開催です。おかんに弊社の健康課題解決に適したセミナーを提供いただく狙いがありました。

弊社の健康課題は、高血圧や脂質異常症の従業員が多いことです。背景としては、残業による遅い時間の夕食、炭水化物に偏った食事です。この背景をふまえ、食事バランス、カロリー、残業時の間食に関する内容を講義に盛り込んでいただきました。

おかんと産業医・看護師との事前打ち合わせを実施し、セミナー冒頭では、産業医が健康診断結果を踏まえ、弊社特有の健康課題にふれつつ挨拶しました。

2つ目は、ワークショップの実施です。従業員の主体的な参加のため、講義だけのセミナーとせずに、クイズ形式のワークショップを取り入れてもらいました。「正しい食事のとり方クイズ」は前半の講義で学んだ食事バランス、カロリー、間食のおさらいとして行いました。チーム内で互いの意見を交換し合う姿が印象的でした。

「食育セミナー」で、どのような効果がありましたか。

従業員の食意識が向上しました。実施後のアンケートで「食行動をすぐにでも改善したい」と回答した従業員は88.9%にもなりました。なかでも、「栄養バランスのよい食事をすることを意識したい」「残業時は適切な間食をとりたい」という声が多かったです。

また、健康経営の理念と取り組みの浸透においても効果がありました。「健康経営の理念を理解した」従業員は77.8%、「健康経営の取り組みを理解した」と回答した従業員は83.4%となりました。

健康経営の取り組みとして導入していた食事関連の施策は、オフィスおかんを含めて3つあります。ただ、今回のセミナー前は、健康経営の文脈で導入されたと知らない従業員が多くいました。その状況の改善が進んだように思います。

全体を通して、セミナーの満足度は100%と高評価でした。従業員より「バランスよく食べなければ、各栄養素の効果は発揮されないという知識が参考になりました。意識は確実に変わりました。」との声もあり効果を感じています。

おかんへの今後の期待を教えてください。

健健康経営の推進のために、課題の特定から対策の実行の段階まで様々なシーンで伴走いただけるとよいです。

たとえば、セミナーでは様々なテーマで定期的に開催してほしいです。健康課題解決のためには食事に限らず、運動や睡眠対策が必要です。従業員より「ランチセミナーの内容がとてもよかったので、定期的に開催してほしい。日が経つと意識が薄れてきそう。」「運動支援もあればいい。」との声もあがっています。また、従業員の健康にかかわる意識と行動変容のために、単発でなく定期セミナーが有効だと思います。

加えて、年齢や職種、健康診断の結果を考慮して対象者を絞り、健康課題ごとのセミナーも実施できるといいです。

最後に、健康経営推進の体制づくりに注力したいと考えています。その活動の支援をお願いしたいです。現在、「安全衛生委員会」を中心に健康経営を推進していますが、より全社を巻き込んだ活動にしていくため部門横断でのWGを想定しています。

Writer 執筆者

おかんの給湯室編集部

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