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従業員の意識を変えるインナーブランディングとは?事例・施策・ツールを紹介

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企業を成長させるには、顧客向けのサービスだけではなく従業員のモチベーションを上げることも重要です。今回紹介する「インナーブランディング」は、従業員の意識を変えるために大事な手法です。ただ、言葉は聞いたことがあっても概要を知らない人もいるはず。

そこで今回は、インナーブランディングの概要やメリット・手法などを紹介します。本記事終盤には、事例も載っていますので参考にしてみてください。

インナーブランディングとは?

インナーブランディングをはじめて聞いた人もいると思います。はじめに、インナーブランディングの概要について簡単に見てみましょう。

従業員に会社のことを理解してもらうための活動

インナーブランディングは、従業員に会社のことを知ってもらうための啓蒙活動です。社内コミュニケーションをとるための活動とは違います。なお、顧客に会社のことを知ってもらうための活動は「アウターブランディング」と呼びます。

企業が従業員に知ってもらうべき内容は、大きく3つある

従業員に企業のことを知ってもらった方が良い内容は下記3つです。

・企業ブランドの理念
・企業が進もうとしている目標(ビジョン)
・企業ブランドの価値

上記3つの内容を頭の中に入れて活動すると、インナーブランディングで効果が発揮されやすくなるかもしれません。

エクスターナルブランディングとの違い

目標の違い

インナーブランディングの主な目標は、「社員に企業の理念や価値観の共有をしてもらうことです。その一方で、エクスターナルブランディングの最終的な目標は「製品・サービスを顧客に購入してもらう」ことです。認知をしてもらい、顧客にサービスを使用してもらうことが重要視されているため、消費者と価値観を共有するだけでないということを覚えておきましょう。

対象者の違い

インナーブランディングは、社員や社内を中心としたステークホルダーに向けて行われますが、エクスターナルブランディングは消費者に向けて行われます。対外的に発信をしていくという点では、ユーザーになる可能性のある特定のコミュニティや地域を対象とする場合も含まれます。

メッセージ性の違い

インナーブランディングでは、企業のビジョンや理念を浸透させるような文脈で伝えられます。一方、エクスターナルブランディングでは、企業やサービスののブランド性を周知する文脈のメッセージが語られます。つまり、ブランドアソシエーションとよばれる「ブランドから連想されるイメージ」を発信していくことになります。

使用する媒体の違い

インナーブランディングの場合、社内向けの発信であるため、社内報などで発信されるなど、インターネット上やSNS上での発信はあまり多くありません。しかし、エクスターナルブランディングの場合、対象者が不特定多数の人々であることからも、様々な手段が活用されます。つまり後者は、インターネット・SNSなどあらゆる方法を用いてPRしていく必要があるということです。

インナーブランディングのメリット

ここでは、インナーブランディングのメリットを見てみましょう。

企業・ブランド理解の促進

所属している企業ブランドの理解向上に役立ちます。とくに、入社したばかりの社員だと企業ブランドを把握できていないケースも多いです。

長年働いている社員でも企業ブランドを間違って理解している場合があります。企業ブランドのコンセプトを覚えてもらう意味でも、インナーブランディングは役立つといえます。

従業員満足度の向上

従業員のなかには、会社に対して不満を持つ人もいます。しかし、インナーブランディングを行うと、従業員の不満が減って満足度向上へつながるケースもあります。従業員満足度の上昇で、退職者の減少や仕事のモチベーションアップに結び付く確率が上がるためおすすめです。

企業の評判アップ

従業員が会社の良い評判や企業ブランドを顧客や家族などに話せば、社外での企業評判アップにもつながります。

インナーブランディングができていないと起こるリスク

インナーブランディングができていない場合、企業に悪影響を及ぼす恐れもあります。どんな内容があるか見てみましょう。

会社に対する従業員の不満が増加する

インナーブランディングを行わないと、企業に対して誤解をもつ従業員が増えるかもしれません。会社側は従業員のことを考えていると思っても、従業員側からすると不満が募っているケースもあります。誤解をもった従業員が増えると、退職者の増加につながるため気をつけたいところです。

従業員が減って、社内業務が回らなくなる

従業員数の減少で社内業務をこなせなくなって、会社が倒産に追い込まれるケースもあります。現在は人材不足で倒産する企業も増えています。黒字でも倒産する企業はありますので、覚えておきましょう。

仕事に真剣に取り組む従業員が減少する

仕事に対して誇りを持たない社員が増える危険性もあるため要注意。社内の士気を高めるためにも、インナーブランディングは必要だといえます。

インナーブランディングの具体的な施策

インナーブランディングの施策には、いろいろな方法があります。どんなパターンがあるか見てみましょう。

ポスター作り

企業に愛着を持ってもらうために、オリジナルのポスターを作る方法です。話題のキャラクターなどを載せて、従業員の興味・関心を高めている企業もあります。多くの企業で使われている手法といって良いでしょう。

なかには、有名なデザイナーや写真家・漫画家などにポスター作成を依頼する例もあります。ただし、ポスターを貼りすぎると従業員から煙たがられる恐れもあるため、ご注意ください。

企業ブランドをまとめた本・動画制作

企業ブランドの内容を詰め込んだ本・動画を製作している企業もあります。手づくり感を醸し出せば、会社に対して従業員が愛着を持ってくれるかもしれません。

自社で作成するのが厳しい場合は、出版会社や映像制作会社に依頼するのも1つの手です。本や動画を作る目的やコンセプトを業者へしっかり伝えると、理想のものが出来上がるはずです。

企業情報を盛り込んだ社員向けサイトの制作

社員向けに企業情報を盛り込んだサイトを製作するのも1つの手です。サイト内には、会社の理念や歴史の他に、社内イベントや福利厚生の情報など従業員に役立つ情報も載せると閲覧率上昇につながります。

従業員間で社内サイトの内容について触れる機会が増えれば、プラスの効果が出る可能性もあります。従業員が興味関心を持ちたくなる内容を載せてみてください。

社員へのアンケート

社員へのアンケートを実施するのも忘れてはなりません。インナーブランディングを実施した側では良い出来だと思っても、社員側からすると不評な場合があるからです。なお、アンケートを実施するときは下記のことを意識しましょう。

質問内容を増やしすぎない

回答内容が多すぎると、質問に答えるのが面倒に感じる人もいます。仕事で時間に追われている人だと尚更です。質問内容を5~10個程度にして、「2、3分」程度で回答が完了する質問量にしましょう。

答えやすい質問文を作成する

回答者が答えやすい質問内容にするのも大事です。「質問文に専門用語を多用しない」「相手に伝わりやすい質問文を作成する」「相手のプライベートに触れすぎない質問文にする」などです。回答者を配慮した質問文づくりが、回答率を高めることもあります。

現代では、ちょっとした質問文の文言が「セクハラ」の対象になるケースもあるためご注意ください。

単一選択型を活用する

単一選択型とは、回答内容に番号や記号を用いる形式のことです。「○○について、1~5の中から2つ答えてください」「会社に対する満足度をA(最も高い)~E(最も低い)の中から1つ選択してください」といった形です。

回答者側は提示された番号や記号の中から選択するだけなので、サクサク答えられます。回答を集計するときもラクなのでおすすめです。

社員同士が考えを出し合うワークショップ

ワークショップ(※1)で従業員に意見を出し合ってもらい、インナーブランディングの効果を上げようとしている企業もあります。

(※1)ワークショップとは、主に参加者同士で考えを出し合ったり体験したりする場を指します。

インナーブランディングの実施ポイント

インナーブランディングを効果的なものにするには、いくつかのポイントがありますのでご紹介します。

インナーブランディングの状況を数値化する

インナーブランディングが従業員に対して効果があったのか数値化しましょう。「何%の従業員が満足できたと答えたか」「業績がどのぐらいアップしたか」などを正確に把握するといった形です。

数値化すると、インナーブランディングの効果度合をある程度測定できるため、改善ポイントも見えやすくなります。とくにアンケートの内容は、数値化しやすいためおすすめです。

従業員に強要しない

従業員に強要しすぎるのも良くありません。たとえば、企業ブランドを載せた本を強引に従業員へ読ませようとするなどです。場合によっては、従業員から「パワハラ」だと訴えられる恐れもあります。従業員自らが、興味・関心を持ってくれる企画を作るのが大事だといえるでしょう。

長期的スパンで取り組む必要がある

インナーブランディングの施策によっては、短期間で効果が現れない場合も…。短期間で効果が現われにくい企画については、長期的スパンで取り組みましょう。

なかには、数カ年計画で進むプロジェクトも存在するため要注意。早く効果を出したいがために焦った行動をとると、企画が台無しになる恐れもあります。ココロに余裕を持った行動を忘れないでください。

インナーブランディングの事例

ここからは、インナーブランディングを行っている企業の事例を見てみましょう。

スターバックスコーヒー|従業員の自主性を重視!

出典:スターバックス コーヒー ジャパン: Starbucks Coffee Japan

超巨大コーヒーチェーンとして有名なスターバックスコーヒーは、従業員満足度の向上に力を入れています。一番の特徴は職場環境です。従業員にはレジやドリンク係など、いろいろな業務を行わせています。さらに、シフトメンバーも毎回同じにならないような工夫もされており従業員を飽きさせない工夫がされているのも特徴。

また、従業員同士で取り組む仕事も多いです。店頭で新商品をアピールするときのキャッチトーク(うたい文句)、店内の商品ディスプレイは店舗従業員のアイデアを基に作られています。店舗に貢献している気持ちを従業員に感じてもらうことで、インナーブランディングの効果を上げているのです。

従業員のモチベーションを上げる仕組みがあるからこそ、多くのお客様に満足していただけるサービスを提供できているのかもしれませんね。

株式会社オリエンタルランド|従業員をもてなすサンクスデー!

出典:ホーム | 株式会社オリエンタルランド

株式会社オリエンタルランドといえば、東京ディズニーリゾートを運営している会社です。サンクスデーとは閉園後の東京ディズニーリゾートを貸し切り状態にして、働いているキャスト(主に準社員・非正規社員など)を招待する企画のことです。

サンクスデーではオリエンタルランドの役員・社員が、キャストをおもてなしします。東京ディズニーリゾートに愛着を持ってもらうのはもちろんのこと、企業ブランドを再確認する場にもなっています。キャストのことを考えているからこそ、お客様も楽しめているのかもしれないですね。

三井化学株式会社|研究者と社会とのつながりを作る!

出典:社内意識が向上! 三井化学が手がけたインナーブランディングの成功例 | VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト

三井化学株式会社では、オープン・ラボラトリー活動「そざいの魅力ラボ(Mitsui Chemicals Material Oriented Laboratory:MOLp/モル)」で、見える化しづらかった研究者と社会との関わりを作り出し、インナーブランディングを成功させています。

従来、BtoBビジネスという特徴から、プロダクトの価値が社会から認知を得づらいという課題を抱えていました。こうした課題は社員のモチベーションやロイヤリティにも大きな影響を与える、と判断し生まれたのが「MOLp」。社員の成長を促進し、横のつながりを作る組織横断的な活動へと踏み出すことに成功しました。

ANAホールディングス株式会社|社員自らによるANAらしさの追求!

出典:ANAグループ行動指針「ANA’s Way」の推進 | サステナビリティ

ANAホールディングス株式会社では、グループ行動指針「あんしん、あったか、あかるく元気!」を「ANA’s Way」と題し、策定しています。

この指針のワーディングは、社長直轄のプロジェクトチームから生まれ、非常に多くの社員がこのプロジェクトに参加し、社員一丸となってじっくりと時間をかけたといいます。この行動指針は、顧客に対する印象に変化を与えるだけでなく、ANA社員の「らしさ」や誇りを認識するためのものとなりました。

株式会社ユーザベース|社員にバリューを定着するユニークな仕組み!

出典:「DO」と「DON’T」で自社のバリューを明文化。ユーザベース「31の約束」の存在意義

株式会社ユーザベースは、従業員に会社の共通する価値観を浸透させるため、「カルチャーブック」を制作しました。

従業員の数が増えるにつれ、希薄化しがちな「バリュー(行動規範)」がイラスト付きでわかりやすく明文化されています。企業で掲げる7つのルールを「DO(すべきこと)」と「DON’T(すべきでないこと)」で分けてはいるものの、イラストで示された31の約束は絶対なるものではなく、むしろこれらの規範が社員の心のよりどころとなることを目指しているそうです。

リッツカールトン|顧客満足度を高めるブランド体験!

出典:ゴールドスタンダード | ザ・リッツ・カールトン

マリオット・インターナショナルが提供する世界規模でチェーン展開するホテルブランド「ザ・リッツカールトン」では「ゴールドスタンダード」という6つの企業理念をもとにサービス提供を行っています。

中でも、理念の一つ「サービス・バリューズ」には「リッツカールトンの一員であることを誇りに思う」ことを中心に12のサービス指針が示されています。こうした指針を継続的に学ぶ機会も設けられており、従業員の主体的な行動を促すことに成功しています。

インナーブランディングを成功に導くサービス・ツール

自社の従業員だけでインナーブランディングを成功させるのは難しいです。成功率を上げるにはサービス・ツールを使うのも1つの手です。最後の章では、インナーブランディング向けのサービス・ツールを3つ紹介します。

凸版印刷株式会社|組織風土変革を促す支援


凸版印刷株式会社は印刷会社ですが、インナーブランディングを支援するサービスを行っています。

社内ポスターや教育・研修、社内報奨制度の提案など、いろいろなツールを基に企業へ提案しています。企画を立てるときのサポートも依頼可能です。

URL:凸版印刷|サービス:インナーブランディング支援サービス

株式会社イマジナ|「おもしろい組織をつくる」実践

株式会社イマジナは企業ブランディング、人材コンサルティングをメインに活動している会社です。

2500社以上のコンサルティングをしたこともあり、インナーブランディングに関する知識は豊富です。イマジナでも、ワークショップなど数多くのインナーブランディングを企業へ提案しています。

URL:イマジナのサービス|株式会社イマジナ

株式会社ドングリ|多様な事業・組織を楽しい場に

株式会社ドングリは、企業ブランディングから商品ブランディングまで幅広い活動を行っている会社です。

「丸亀製麺」や「オーストラリア大使館」「野村証券」など有名企業から新ブランドの開発まで、多彩な制作実績があります。老舗ブランドのみならず新ブランドも手がけており、社内向けの施策であるインナーブランディングにも対応しています。

URL:実績・事例 | ブランディング・デザインコンサルティングファーム

株式会社エフアイシーシー|社員の共感を得るブランドマーケティング

株式会社エフアイシーシーは、「ブランドと人の存在意義による共創」をビジョンに掲げ、10年以上のブランドマーケティングを実績を持つ会社です。

「グリコ」「UCC」「リプトン」といった有名企業のプロモーション立案やブランディング戦略に携わっています。ブランドの社会的意義を創造し活用できるように、ブランディングとマーケティングを両立したブランドマーケティングのサポートを行っています。

URL:サービス|FICC

株式会社 博報堂コンサルティング|新しい社会からの待望に応える

株式会社博報堂コンサルティングでは、全社員が企業のゴール・目標を理解して自律的に動ける強い組織をつくるための支援を行っています。

組織の硬直を改善し、企業ビジョンをもとにして社内の意識や価値観を再統一していく、インターナルブランディングを提供。成果を測る指標の一つとして「オーナーシップ」という概念を重視し、社内ブランド浸透の仕組みづくりをサポートしています。

URL:インターナルブランディング|サービス一覧|博報堂コンサルティング

株式会社BIOTOPE|持続的な「らしい」企業への成長を促す

株式会社BIOTOPE(ビオトープ)は、企業や組織をひとつの生命体としてとらえ、持続可能な「らしい」企業へと成長させるサービスを提供するデザイン会社です。

効果的に未来描述、組織変転、原型創造を実現するために、想いを引き出し、かたちをつくり、広げる、という独自の段階によって21世紀型の組織へと導く支援を行っています。

URL:ABOUT|株式会社BIOTOPE

組織のカタチに応じたインナーブランディングを

インナーブランディングを上手く活用できれば、社内の士気も上がります。ただ、活用できなければ士気が下がる可能性もあるため、慎重な計画立てが必要です。

インナーブランディングのサービス・ツールを効果的に使い、組織にとって有意義なものにしていただければと思います。

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執筆者 Writer

おかんの給湯室編集部

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