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インセンティブ制度とは?基礎知識から導入事例も解説

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企業が成長するには全ての従業員のモチベーションアップが不可欠です。それをあげるために多くの企業で導入されている「インセンティブ制度」

この記事ではインセンティブの基本からメリット・デメリットなどを解説します。

インセンティブ制度の意味

インセンティブには、「誘因」の意味があり、人事用語としては、従業員の意思や行動を変化させるような動機付けのことで、代表的なものに金銭報酬があります。

インセンティブ制度は、従業員の仕事に対してインセンティブを与え、従業員のモチベーションを高め持続させるための仕組みのことです。

インセンティブには5つの種類がある

学術的には「マズローの欲求5段階説」から、インセンティブを5つに分類することができます。

1.物質的インセンティブ (お金・モノ)

物質的インセンティブとは金銭報酬に代表される、人間の基本的な欲求を満たす「金銭やモノ」を与えるインセンティブのことを指します。また物質的インセンティブは金銭だけでなく、テーマパークのチケットや旅行など、現金に変わるものも含まれます。

マズローの欲求5段解説でいうと、物質的インセンティブは生理的欲求と安全欲求を満たすものに該当。これらは人間の最低限の欲求のため、従業員がある程度満たされると物質的インセンティブによってモチベーションをあげることが難しくなります。

2.人的インセンティブ(職場の人間関係)

上司や先輩の人間性によって行動を促進・モチベーションの向上・維持がされることを人的インセンティブといいます。また人は集団に属することで心地よさを感じることも人的インセンティブに当てはまります。これはマズローの「所属と愛の欲求」に該当。

一緒に働く人の人柄や集団への所属これがインセンティブになるの?と疑問に思うかもしれませんが、仕事選びにおいて「人間関係」を重視する従業員には非常に効果的です。たとえば「上司のために成果を出したい」と考える心理が人的インセンティブが働いている状態です。

3.評価的インセンティブ(評価・昇進)

評価的インセンティブとは、企業の中での従業員の労働を評価をすることを指します。これはマズローの「承認欲求」に該当し、企業が従業員個人をしっかりと評価してくれているという思いがベースとなり、その従業員の仕事の成果とは関係のない企業への貢献をしっかりと評価することが重要です。その他には従業員を「褒める」といった心理的評価もあります。

心理的評価はあくまで簡易的なもののため、社員のモチベーションを継続させ離職を防ぐには、個人を昇進・昇格させる地位的な評価が重要です。

4.理念的インセンティブ (企業理念・価値観)

理念的インセンティブとは企業や経営者が掲げる理念や価値観に共感し、従業員の目標達成意欲を動機付けすることを指します。

たとえば経営理念によって従業員が「意義のある仕事をしている」と感じることができれば、自ずと企業全体に使命感や価値観を浸透させられます。このインセンティブは人の承認欲求・自己実現欲求を満たすことができるとされています。

5.自己実現的インセンティブ(夢・使命感)

自己実現インセンティブとは、目標の達成やそれ以外の企業への貢献によって、従業員が満足感を得られる環境を整えることを指します。

前述の評価的インセンティブと重なる部分もありますが、従業員に大きな権限を与えたり、望んでいる業務を担当させたり、融通のきく職場環境を整えたりることがこのインセンティブに当てはまります。このインセンティブは人間の最上級の欲求である「自己実現欲求」を満たすとされています。

インセンティブ制度を導入する3つのメリット

ではインセンティブ制度を導入した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

1.従業員のモチベーションがあがる

仕事の成果に対して報酬など目に見えるインセンティブがあると、従業員のモチベーションは上がりやすくなります。目標達成まであと少しというときに、インセンティブがあるからがんばれるという動機付けにもつながります。

このような従業員の最後まで粘る姿勢は一緒に働く従業員にとってもよい刺激になるでしょう。

2.成果が正当に評価されるので不公平感が減る

いくら頑張っても、頑張っていない人と同じ評価や報酬ではモチベーションも低下してしまいます。しかしインセンティブがあれば、入社年次や役職に関係なく成果を出せば正当に評価されるため不公平感を減らすことができるでしょう。

また、どういった点が評価につながったのかが分かり、従業員がとるべき行動が明確になります。

3.健全な競争を促すことで、企業が成長する

インセンティブ制度の導入によって、企業の中に少なからず競争が生まれます。評価されたい、報酬がほしい、成長したいなど従業員の様々な考えをインセンティブ制度によって刺激されます。その競争が上手く作用すれば、より生産性の高い企業へと発展していくことが可能です。

インセンティブ制度を導入する4つデメリット

ここまではインセンティブ制度のメリットを解説しました。ではインセンティブ制度がマイナスの方向に作用した場合、どんなデメリットが発生するのでしょうか。

1.競争によって企業や組織の結束が壊れるケースがある

これまで人間関係がよく、チームプレーが上手くいる企業でも、インセンティブ制度を導入したことがきっかけでその関係性が壊れる可能性があります。

たとえばインセンティブが個人の成果のみ評価する設計になっていた場合、従業員が評価対象の業務だけを行ない、評価に関係のない業務はないがしろにされる可能性もあるからです。

従業員個人にのみ評価が成果に直結していると、新入社員の育成や業務マニュアルの作成、従業員同士のフォローなどはインセンティブに直結しない業務のため、誰も対応しなくなるでしょう。そのような企業では結束力が弱まってしまうのです。

2.企業の成長が停滞する可能性がある

インセンティブ獲得の要件を満たすことに固執し、目先の結果を優先するあまり新しい挑戦をしなくなることがあります。現状の業務をただまわしているだけでは、長期的にみて企業の成長は停滞するでしょう。

3.心理的プレッシャーを感じる従業員もいる

インセンティブ制度によって生産性が向上する従業員がいる一方で、インセンティブ制度が導入されたことで心理的プレシャーを感じストレスをためる従業員がいることを忘れてはいけません。

明確にインセンティブ達成の条件が明示されることで、失敗を恐れて動けなくなったり、行動できなくなることが原因と考えられます。このようなストレスは従業員の生産性の低下につながってしまうのです。

4.一部の従業員しかインセンティブを享受できない設計の場合、不公平になる

インセンティブ制度の設計では、一部の従業員しか達成できない条件になっていないか注意して確認しなければなりません。たとえば、営業に強い企業なら営業職、技術に強い企業なら技術職にしか達成できないインセンティブ制度になっていた場合、その他の業務を担当している従業員のモチベーションの低下が起こる可能性があります。

また、インセンティブ制度の基準を決めるのは「人」です。そのため、一部のエース従業員だけが達成できる条件になっていることも考えられます。いくら頑張っても一部の従業員しかインセンティブの恩恵を受けられないのであれば、制度は型だけのものになり企業の発展につながらないでしょう。

インセンティブ制度の設計ポイントは公平性

インセンティブ制度がマイナスに働かないようにするためには、全ての従業員に対して公平なルールで行なうことが重要です。その中でも特に重要な2つのポイントについて解説します。

全ての従業員に配慮した制度・運用

繰り返しになりますが、一部の優秀な従業員だけがインセンティブの条件を満たせる制度設計では、その他の従業員のモチベーション低下が必須です。インセンティブ制度設計には公平な評価が不可欠です。

運用した際に一部従業員のみがインセンティブ条件を満たしている場合には、制度設計に何かしら偏りがあると考えられます。

全ての職種に配慮した制度・運用

インセンティブ制度というと、営業職など成果が目に見えやすい職種が対象になりがちです。しかし、成果のみをインセンティブの対象をしていてはバックオフィス・企画職・技術職などの他の職種から不満が出るのは避けられません。

そいういった事態を防ぐには、営業職以外の職種に対するインセンティブの評価軸として、成果ではなくプロセスを評価する設計にするなどの配慮が必要です。

インセンティブ制度の導入事例

近年、インセンティブ制度を導入する企業が増えてきましたが、以前からインセンティブ制度を整え課題を解決してきた企業もあります。実際に制度を導入した企業はどんな課題があり、どんな効果が出たのでしょうか。

深刻な退職率を20%改善!株式会社サイバーエージェント

参照:企業情報 | 株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントでは2000〜2003年頃は退職率の高さが深刻で、その改善が重要課題でした。

そこで導入したのが「勤続インセンティブ」です。一定条件での退職時に支給される勤続インセンティブ制度で、30歳から積立を開始し勤続10年以上、40歳から受け取ることが可能。 業績と連動し営業利益の一定率が分配されます。

人材の流動性が高いイメージがある業界ですが、サイバーエージェントでは勤続年数や終身雇用にこだわったインセンティブ制度を導入しています。その意図はネット業界が成熟していけば、それまで以上に人脈と経験が求められてくるという経営判断だからです。

また、この制度を導入した当時は成果主義がもてはやされていた時期でもありました。しかしサイバーエージェントでは、成果主義は日本になじまないという議論を重ね成果主義を導入せず、「日本人はチームで取り組んだ方が力を発揮しやすい」という結論を出しています。そこで個人の成果だけではなく、チームとしての働き方を評価するようにし、会社が従業員のことを大切にする姿勢を打ち出すようにしました。そうすることで、従業員も心から会社を大切に考えてくれるようになり、従業員の結束力が高まり業績が向上しました。

このインセンティブ制度を導入した結果、30%だった退職率を10%まで低下させています。

参照:「安心できる福利厚生」株式会社サイバーエージェント
   「似ているようで全然違う! サイバーエージェントとリクルートの人事制度や文化」

年間1人あたり最大30万円支給!株式会社リクルートジョブズ

参照:株式会社リクルートジョブズ

株式会社リクルートジョブズでは「GIB(Goal In Bonus)」と呼ばれるインセンティブ制度が導入されています。この制度はいわゆるノルマを達成すれば金銭的報酬が得られるごほうびです。

GIBの内容は3ヶ月ごとに会社が目標を設定し、その目標を達成すると年間最大30万円のインセンティブが支給されます。全社GIBと部門GIBがあり、その組織の従業員全員に支給される仕組みです。

このGIBの1番の注目ポイントは「成果主義」という点です。GIB(Goal In Bonus)の中のBonus(ボーナス)は、一般的な年2回定期的に支給されるボーナスの意味とは異なります。GIBが指すボーナスは、給与以上の働きをした従業員や部門などに対する報奨で、成果を会社にもたらした人にだけに与えられるものです。

このインセンティブを導入したことでの具体的な成果は不明ですが、目の前ににんじんをぶら下げられた馬を例に考えると、その効果は絶大なのではないでしょうか。

参照:「特徴ある人事制度」株式会社リクルートジョブズ
「Goal in Bonus=「GIB制度」に見るリクルートの成果主義」社長の教室

インセンティブ制度を手軽に導入!おすすめサービス5選

社内でインセンティブ制度を設計することも可能ですが、インセンティブ制度サービスを利用すればもっと手軽に始めることができます。ここからはおすすめのサービスを5つご紹介します。

ポイント型インセンティブ|成果だけでなくプロセス評価も柔軟に設計可能

リロクラブが運営する「ポイント型インセンティブ」は、その名の通りインセンティブによってポイントが付与される仕組みです。現金や金券ではなくポイントを付与する報奨制度のため、柔軟な制度設計が可能。より広い対象者にポイントを付与することができます。

たとえば、営業表彰・勤続表彰・健康促進といったテーマでのポイント付与はもちろん、業務改善提案の回数に応じたポイント付与などプロセスの評価、お誕生日をお祝いするポイント付与なども設定できます。

URL:ポイント型インセンティブ

Unipos|ピアボーナスの仕組みで運用

「ピアボーナス」という言葉をご存知でしょうか。ピアボーナスとは従業員同士で贈り合える成果給のことです。Uniposではピアボーナスの仕組みを取り入れています。

UIはSNSのようなタイムラインになっており、投稿が一目でわかります。従業員の称賛なども見えるためモチベーションアップにもつながるでしょう。

URL:Unipos

インセンティブポイント|約20,000の商品と交換可能

インセンティブポイントというプラットフォームでは、企業のインセンティブ制度によって付与されたポイントの管理・交換を手軽にワンストップで行なうことができます。

ポイントは約20,000の商品と交換が可能で、コミュニケーションの活性化にもつながるサンクスポイント機能も搭載されています

URL:インセンティブポイント

サンクスコレクト|ポイントはJTBの旅行商品とも交換できる

旅行会社JTBの100%子会社のJTBベネフィットが運営するサンクスコレクト。インセンティブとして与えられたポイントは約10,000の商品と交換できる他、JTBの旅行商品とも交換することができます。

URL:サンクスコレクト

インセンティブ・プラス|社内コミュニケーションを活発にする機能

インセンティブ・プラスはSNSのようなUIで、気軽に投稿することができます。また、メッセージと一緒にポイントを送り合うことができ、双方向のコミュニケーションで社内の活性化を促します。

従業員の頑張りに対して付与されたポイントは、いろいろな商品と交換が可能。Amazonギフトカードや電子クーポン、旅行商品まで揃っているのがうれしいポイントです。

URL:インセンティブ・プラス

多様性に対応したインセンティブの制度設計が不可欠

インセンティブと聞くと「報酬」というイメージがあった方でも、こんなに様々な種類のインセンティブ制度があり、制度設計では全従業員が対象になる配慮が必要なことがお分かりいただけたかと思います。

少し前までであれば、金銭的なインセンティブ制度のみで従業員に気持ちよく働いてもらえたかもしれません。しかし、現在ではワークライフバランスが提唱され、育児や介護・自身の病気と闘いながら仕事をしている人も増えています。

人口の減少により新たな人材獲得が困難な中、さまざまな事情を抱えた従業員のモチベーションをあげ、企業が発展していくためにはその多様性に対応したインセンティブの制度設計が不可欠といえるでしょう。

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執筆者 Writer

おかんの給湯室編集部

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