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健康経営度調査とは?令和3年度の変更点や活用方法を解説

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健康経営を実施しているけれど「次の取り組みが思い浮かばない」「この取り組みで本当によいのか」と悩んでいる総務担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような場合は、自社の健康経営の振り返りや他社の取り組み内容をチェックできる「健康経営度調査」を活用しましょう。

この記事では健康経営調査の概要や活用方法、令和3年度の調査票の押さえておきたいポイントについて解説します。

健康経営度調査とは

健康経営度調査は経済産業省が行っている調査で、目的は大きく分けて以下の2つです。
・企業の健康経営取り組み状況と経年した変化を分析
・健康経営銘柄の選定や健康経営優良法人(大規模法人部門)のための情報収集

調査票の中身は毎年社会の状況によって変わるため、この調査票から「いま健康経営に何が求められているのか」がわかります。

調査に回答すれば「自社の健康経営の取り組み度」の振り返りになります。なぜなら調査は専門家による委員会が実施しており、健康経営度調査に回答するとフィードバックシートが企業に返送されます。自社が健康経営にどれくらい取り組めているのか、第三者目線でフィードバックが得られる貴重な機会ではないでしょうか。

また、健康経営に取り組みたいけれど何からはじめればよいかわからないといった場合にも、調査票の項目を見れば取り組むべき内容がわかるでしょう。

ちなみに健康経営銘柄や健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定を取得するためには、健康経営度調査への回答が必要です。

健康経営優良法人との関係

健康経営優良法人制度は経済産業省が健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」するために、認定を行なう制度です。地域の健康課題に沿った取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、優良な健康経営を実施している大企業や中小企業などの法人が対象となります。

認定部門は2つあり、大企業といわれる法人が対象の「大規模法人部門」と中小規模の法人を対象とした「中小規模法人部門」があります。

大規模法人部門の認定を受けるには、健康経営度調査を実施する必要があります。中小規模法人部門は提出の必要はありませんが、任意で提出することも可能です。

健康経営銘柄との関係

健康経営銘柄は経済産業省と東京証券取引所が共同で実施しています。戦略的に健康経営に取り組む企業の中から、東京証券取引所の上場企業33業種の各業種につき1社ずつ選定されます。

従業員の健康課題について企業が主体的に取り組みを実施することが求められ、そのための環境整備などが評価されます。従業員の健康増進の取り組みによって、企業の業績や企業価値を高めることが目的です。

健康経営銘柄の認定を受けるには、健康経営度調査も実施する必要があります。

健康経営度調査の申請手順

ここからは、健康経営度調査票の提出方法と、調査票がどのように審査されるのかについて解説します。

調査票の入手から提出まで

健康経営度調査の調査票の入手方法は、東証一部情報企業かそれ以外の企業かで異なります。また、調査方法は「電子調査票方式」です。紙での提出は受け付けていませんので注意しましょう。

東京証券取引所上場企業 (TOKYO PRO Market、外国部、REITを除く)

1.健康経営度調査の受付開始時に、郵便もしくはメールで案内が届く
2.専用サイトで健康経営度調査をダウンロードし、必要事項を記入したデータをアップロードして提出

その他企業・法人

1.新規申請用ID発行サイトにアクセスし法人名、メールアドレスなどを登録する
2.登録メールアドレス宛に、専用サイトURL、ID、パスワードがメールで届く
3.専用サイトで健康経営度調査をダウンロードし、必要事項を記入したデータをアップロードして提出

5つのフレームワークを活用した評価方法

健康経営度調査は以下の図のとおり、5つのフレームワークによって評価されます。

出典:経済産業省

フレームワークは図のとおり、5つの項目で構成されています。
1,経営理念、方針
2.組織体制
3.制度、実施実行
4.評価、改善
5.法令遵守、リスクマネジメント

これらは経営基盤から従業員1人1人まで「従業員の健康に関する取り組み」が連動しているかを評価するため、定められたものです。すべてのフレームワークが均等に評価される訳ではなく、図のとおりピラミッド型で社会的な状況を考慮した重みづけがされています。

健康経営度調査の活用方法

健康経営度調査ではさまざまな視点から審査が行われるため、1つずつクリアすればよりよい経営に近づけていける内容になっています。

ここからは具体的にどのような点で健康経営度調査を活用すればよいか、解説します。

フィードバックシートで自社の現状を理解

健康経営優良法人の中のホワイト500に認定されるには、健康経営度調査のフィードバックシートなどの開示が必須要件になりました。

フィードバックシートは客観的に自社の立ち位置分析にも役立ちますが、他社がフィードバックシートを開示するようになると他社の取り組み内容やそれについての評価の情報を得られます。それらを自社の健康経営に活かすことで、よりよい経営につながるでしょう。

業務パフォーマンスの評価・分析

健康経営度調査を継続していると、企業が健康経営を実施し従業員の生産性や企業経営にどのような効果があったのかを自社で評価・分析できます。経年での変化がわかるため、健康経営の成果を客観的に把握できるのです。

また、業務パフォーマンスの指標(アブセンティーイズム、プレゼンティーイズム、ワークエンゲイジメント)の有無やその手法も企業に問われるようになります。このような指標や手法が公開されると、これから健康経営に取り組む企業にとってよいお手本となり、健康経営をはじめやすくなるでしょう。

社会全体やSDGsに意識が向く

健康経営度調査には「社会全体の健康に関する取り組み」などの調査項目があります。つまり健康経営への取り組みを自社だけにとどめず、サプライチェーン・SDGs・社会全体に向けましょうという経済産業省からのメッセージです。

また、企業活動や商品・サービスを通じた社会全体の健康への貢献も調査項目に加えられています。

このように健康経営度調査を実施することで、自社内に意識が向きやすいところを社会全体にも向けることができます。

令和3年度の注目すべきポイントと変更点

令和3年度の健康経営度調査票のサンプルをもとに、変更点や新設項目をまとめました。ここからはこの調査票の注目すべきポイントと変更点について解説します。

番号 新設/変更 項目 認定要件 回答必須
Q5 新設 健康経営優良法人への申請
Q6 新設 回答開示の可否
Q23 新設 取引先の取り組みの支援
Q24 新設 社会全体の「健康」に対する貢献
Q31 新設 保険者への従業員の健康診断データの提供
Q18 変更 健康経営で解決する経営上の課題の特定
Q22 変更 取引先の考慮
Q38 変更 任意健診・検診受診率向上のための取り組み
Q42 変更 ヘルスリテラシーの従業員への教育
Q43 変更 適切な働き方の実現に向けた取り組み
Q47 変更 特定健診・特定保健指導実施率の把握
Q60 変更 新型コロナウイルス感染症への対応
Q62 変更 喫煙率低下に向けた取り組み

経営戦略なくして健康経営が成り立たなくなってきた

令和3年度の健康経営度調査では、以下設問の回答が必須になりました。

・Q18.健康経営で解決する経営上の課題の特定
・Q19〜21.社内外への情報開示
・Q22〜24.自社従業員を超えた健康増進に関する取組
・Q70.健康経営の実施についての効果検証

これらの設問をクリアするには、「経営者の健康経営へのコミットメント」「投資家や従業員など社内外への情報開示」「取引先・社会環境・SDGsを考慮した取り組み」「自社全体の効果検証」など総務の枠をこえた取り組みが必要です。

つまり健康経営は経営戦略なしに成り立たなくなってきているのです。今年度にこのような設問の回答が必須化されたことから、今後もますます経営戦略に踏み込んだ設問が増えることが予想されます。

フィードバックシートの公開承諾がホワイト500認定の必須条件に

令和3年度から、フィードバックシート・調査票の回答の一部を公開承諾することがホワイト500の認定条件になりました。

項目は「公開可」「ホワイト500または優良法人に認定された場合のみ開示可」「ホワイト500に認定された場合のみ開示可」のいずれかを選択すれば認定条件クリアとみなされます。

健康経営度調査提出フローの電子化

調査票提出や認定に必要なフローが大幅に効率化されました。調査票の提出は電子化され、専用サイトでデータをアップロードして提出するようになっています。また、調査票・契約書への押印も不要となります。

設問数が198問から176問に減少

近年の調査では健康経営の分析精度をあげるため設問数が毎年増加していましたが、今年度からは企業の負担を考慮し設問数が絞られました。具体的には令和2年度に設問数198問だったものが令和3年度は176問に減少しています。

調査回答と認定が同時に申請可能に

調査に回答する際、同時に健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定申請を同時に行うかチェックを入れる項目が追加されました。これは申請を少しでも効率化するためです。認定申請をする場合には忘れずにチェックを入れておきましょう。

戦略マップの作成・公開が求められている

健康経営の戦略を立てる際のツールとして「戦略マップ」が紹介されています。戦略マップとは、健康経営施策と期待する効果のつながりを図にしたもののこと。

これを公開しているかどうかの設問もあることから、戦略マップを作成し公開することが求められているといえるでしょう。

健康診断のデータを保険者へ提供

40歳以上の従業員の健康診断データを健康保険組合への提供が必須項目に加わりました。データ提供に関して保険者に意思表示をしておく必要があるので注意しましょう。

従業員の健康維持・増進に関する取り組み

従業員の健康維持や増進に関する取り組みとして、Eラーニングやウェビナーなどでの実施も該当するようになりました。

ホワイト500の認定要件に喫煙率を下げる取り組みを追加

令和3年度から、ホワイト500の認定要件に喫煙率を下げる取り組みが加わりました。現時点で喫煙者がいない場合には、その状態を維持するための取り組みを行う必要があります。

新型コロナ対策

昨年に引き続き、新型コロナ感染症対策についての設問が設置されていますが、令和2年度にあった臨時・緊急措置についての設問は撤廃されました。

令和3年度では新型コロナ感染症対策について大きく分けて以下4項目について問われています。
・感染者が発生しても従業員の健康と事業継続を両立させるために定めた事業継続計画の内容
・人との接触を避けるための多様で柔軟な勤務ルールの整備
・職場の環境整備・出社を余儀なくされる従業員への配慮
・従業員等のワクチン接種に対する支援

健康経営度調査を経営戦略に活かそう

健康経営度調査は自社の健康経営を振り返るよいチャンスです。また、調査票の設問から「いま社会から、企業は何を求められているのか」がわかります。一部の健康経営認定企業ではフィードバックシートの開示もはじまることから、いままでよりも他社事例の情報が手に入りやすくなります。

経年の自社情報と他社情報、調査票の設問などを分析し、自社の経営戦略に活かせる情報を手に入れましょう。

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おかんの給湯室編集部

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