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みなし残業とは?仕組みやメリット・条件を理解してトラブルを回避!

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みなし残業を導入すれば給与計算が効率化されたり年間人件費の計画が立てやすくなるなどのメリットがある一方、内容を理解し運用しなければ違法になってしまうことも。また、就業規則へみなし残業について記載する必要があったり、給与明細への記載の仕方も決まっています。

この記事では改めてみなし残業の仕組みから導入方法までをおさらいできるよう詳しく解説します。

みなし残業とは?仕組みを理解しよう!

みなし残業とは、従業員の給与や手当てにあらかじめ一定時間分の残業代を組み込んでおく制度のことです。「みなし労働時間制」と「固定残業時間制」に分けられ、それぞれ意味が異なります。

みなし労働時間制

みなし労働時間制は、1日の労働時間を決め、そのみなし時間分の給与を従業員に支払う仕組みのことです。たとえばみなし労働時間制で1日8時間勤務の労使間契約を結んでいる場合、実際は7時間しか勤務していなくても給与が減額されることはありません。また、9時間勤務した場合も超過分の給与は支払われません。

固定残業時間制

固定残業時間制ではあらかじめ決められた時間内の残業であれば、常に一定金額の残業代が支給されます。たとえば1カ月20時間の固定残業代を3万円支給している企業では、5時間残業しても20時間残業しても支給されるのは3万円です。しかし25時間残業した場合には超過した5時間分の残業代が別途支給されます。

また、みなし残業において明確な残業時間の上限は設けられていませんが、36協定で定められている45時間以内に抑えることが目安とされています。

3種類に分けられるみなし労働時間制

みなし労働時間制は以下の3つあり、3つを総称してみなし労働時間制と呼ばれています。

•事業場外労働
•専門業務型裁量労働制
•企画業務型裁量労働制

ここからはそれぞれについて詳しく解説します。

事業場外労働

事業外みなし労働時間制は、社外で働くことが多い営業職など、実際の労働時間の把握がむずかしい職種に適用されます。

具体的な要件は以下のとおりです。
・事業場外での業務が中心
・会社からの詳細な指示や管理がしにくい
・実際の労働時間の算定が困難

該当する職種は、外回りの営業職・旅行会社の添乗員・バスガイド・在宅勤務者などです。事業場外での勤務だけでなく、社内に戻って勤務した場合もみなし労働時間として扱われます。

専門業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制は、労働時間の配分や業務の進め方などを企業側が細かく指示・管理することがむずかしく、従業員の裁量に任せた方が効率的に業務ができる職種に適用されます。対象業務は厚生労働が指定した19種類の特定専門職で、代表的な職種は以下のとおりです。

・研究者
・情報処理システム関連職
・弁護士
・税理士
・会計士
・建築士
・テレビやラジオのプロデューサー
・コピーライターや編集者
・弁護士
・中小企業診断士

企画業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制と同じく、労働時間の配分や業務の進行を各従業員に任せることで、より成果を上げやすくなったり、業務の効率化につながる場合に適用されます。

厚生労働省の企画業務裁量型労働制によると、「企画業務型裁量労働制は労働基準法で認められる事業場の業務に労働者を就かせたときに、その事業場に設置された労使委員会で決議した時間働いたとみなすことができる」とされています。

労働基準法で認められる対象業務(以下の全てに該当する業務であること)
・事業の運営に関する業務であること
・企画、立案、調査及び分析の業務
・当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を従業員の裁量に任せる必要がある業務であること
・当該業務の遂行方法および時間配分の決定などについて、管理者が具体的な指示をしない業務であること

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みなし残業の導入条件と方法

みなし労働時間制は違法ではないの?と誤解されることもありますが、労働基準法を遵守すれば違法にならず導入できます。

裁量労働以外の職種や事業場内の業務でもみなし残業を適用することができるのです。ここからはみなし残業導入にはどのような点に気をつければよいのか解説します。

条件1.みなし残業時間・金額を決める

みなし残業制度を導入するには、みなし残業時間・金額を明確に定めなければなりません。以下2つをクリアしていなければ違法となる可能性があるため、適切に定めることが大切です。

・みなし残業代の対象となる残業時間数を月45時間以内にする
・みなし残業代を含めた月給を設定する場合は労働基準法に定められた最低賃金を下回らない基本給に定める

条件2.雇用契約書・就業規則へ明記する

みなし残業制度を導入するには、雇用契約書や就業規則へもみなし残業についての記載が必要です。以下の内容を就業規則や雇用契約書に明記しましょう。

・みなし残業代として一定額の割増賃金が毎月支給されること
・みなし残業時間を超えた場合、超過分を別途支給すること
・みなし残業代が時間外の割増賃金、深夜割増賃金、休日割増賃金のいずれに該当するかの内訳
・給与明細にはみなし残業代を毎月の給与明細に記載する旨

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給与明細の記載方法

給与明細にはみなし残業代と基本給を分けて記載します。みなし残業代を基本給に含めて記載すると、違法にあたるリスクがあります。

従業員の給与明細にはみなし残業代の金額と残業時間数を明確に区別して記載するようにしなければなりません。

みなし残業を導入する企業側のメリット

みなし残業を導入すると企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

給与計算の効率化につながる

みなし残業を設定しておくと、あらかじめ決めた残業時間であれば別途従業員に支払う残業代は発生しません。そのため給与計算がシンプルになりやすく、毎月の給与計算業務の効率化につながるでしょう。

人件費予算が立てやすくなる

人件費は企業にとって大きな費用です。みなし残業制度を導入すれば月ごとの残業代の変動が抑えやすくなり、年間の人件費の見通しも立てやすくなります。

従業員の業務効率があがる

みなし残業制度では実際の残業時間が0時間でも、定められた残業代が支給されます。たとえばみなし残業時間が20時間で3万円の従業員の場合、残業が0時間でも20時間でも同じ3万円が受け取れるのです。

これにより、従業員に効率よく業務をしようという意識が起こりやすく、業務の効率化につながることが期待できます。

従業員の収入が安定する

繁忙期などによって残業時間が変動する場合、みなし残業が導入されていなければ従業員の給与額も連動します。極端な場合には残業代が月15万円つく場合もあれば、0円のこともあるでしょう。

しかしみなし残業代が導入されていれば、労働時間にかかわらず毎月一定額の給与が支給されるため残業時間に左右されることなく従業員の収入が安定します。

みなし残業を導入する企業側のデメリット

ここまではみなし残業制度のメリットについて解説してきました。では、みなし残業制度のデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

本来払う必要のない残業代が発生する

メリットの裏返しになりますが、企業側は従業員の残業時間があらかじめ定めたみなし残業時間を下回る月でも一定の残業代を支給しなければなりません。

場合によってはみなし残業時間制度を取り入れる前よりも人件費が高くなる可能性もあるため、事前に従業員別の年間残業時間数・残業代を確認してみなし残業制度を導入する必要があります。

みなし残業時間分は残業すべきと誤解されてしまう

みなし残業時間制度を導入すると、従業員によっては定められた時間数は残業をしなけばならないと誤解をするケースが発生することも。みなし残業制度は残業の必要がなければ残業はしなくてもかまいません。

社内が定時で帰りづらい雰囲気になることを防ぐためにも、しっかりと誤解のないよう説明することが大切です。

サービス残業が発生する可能性がある

あらかじめ定めたみなし残業時間を超える残業が発生した場合には、企業は超過分の残業代を別途支払う必要があります。

しかし、みなし残業制度を導入することで「あらかじめ定められた残業代以上は支払われない」と誤解され間違ったルールで運用されるケースもあります。このような誤解はサービス残業につながり従業員満足度を下げてしまう可能性があるため、しっかりと説明しておくことが重要です。

みなし残業の注意点

みなし残業制度を導入するにはさまざまな注意点があり、知らず知らずのうちに違法にあたる運用をしてしまうケースもあります。もし違反があると労働基準監督署の調査などで指摘されれば指導が入ったり、従業員からの不信感につながるリスクも。

ここからは実際にどのような注意点があるのか、確認していきましょう。

求人広告に明記しておく

2017年に職業安定法が改正され、みなし残業制度を導入している企業は自社の求人広告においてその内容を明記することが義務付けられました。

明記するべき項目は以下の4つです。
1.みなし残業代の金額
【例】みなし残業代3万円、固定残業代3万円、など
2.あらかじめ定める残業時間数
【例】20時間相当を含む、など
3.みなし残業代を含まない基本給の金額
【例】基本給20万円、固定残業代3万円、など
4.みなし残業時間より超過した残業時間の残業代は別途支給する旨を明記
【例】20時間を超える時間外労働は残業代を追加支給、超過分は別途支給、など

企業と求職者のトラブルを未然に回避するために、みなし残業制度について適切な記載を徹底するようにしましょう。

就業規則・雇用契約書などに必要事項を記載する

前述のとおり、雇用契約書・就業規則・求人広告にみなし残業制度の必要事項を記載していなければ違法とみなされるリスクがあります。みなし残業制度について、以下の項目は必ず明記しておきましょう。

・固定残業代を含まない基本給の金額
・固定残業代に関する残業時間数と金額
・固定残業時間を超過した残業や休日労働、深夜労働に対して別途残業代を支給する旨

具体的には就業規則に「固定残業手当」などの項目を設け、以下のような規則を記載しておく必要があります。
・基本給のうち4万円を所定労働時間外の労働・法定休日労働、および深夜労働(20時間分)の固定残業手当として支給する

・固定残業手当は従業員が実際に所定労働時間を超えて勤務したかどうかに関わらず支給する

・実際の労働時間が固定残業代を上回る場合には、別途残業代を支給する

※休日労働、深夜労働をみなし残業代に含めない場合にはその旨も記載しなければなりません。

みなし残業代が最低賃金を下回っていないか確認する

みなし残業代を含めた月給を設定する場合、その固定残業時間数と固定残業代が最低賃金を下回っていないか確認しなければなりません。

たとえば固定残業時間20時間・固定残業代が2万円の場合は以下のように計算します。
20,000÷(20×1.25)=800
これが東京都に存在する企業の場合、東京都の最低賃金は1041円のため最低賃金を下回っており違法になります。

厚生労働省が定める都道府県別の最低賃金を下回らないよう適切に計算し、月給を設定するようにしましょう。

給与明細に残業時間数・みなし残業代を記載する

みなし残業時間制度では、給与明細に固定残業代の金額とそれを超えて残業した時間を記載する義務があります。超過分の残業代未払いを防ぐためにも労働時間を正確に把握しなければなりません。

たとえば固定残業代3万円込みで月給25万円の従業員の場合、基本給22万円、固定残業代3万円と別々の項目で給与明細に記載します。

月45時間以上をみなし残業としていないか確認する

1カ月の残業時間は36協定で45時間以内と定められています。36協定とは法律で定められた労働時間を超えて残業する場合に従業員と企業の間で結ぶ取り決めです。特別条項をつけると上限時間の延長をすることはできますが、あくまで一時的なものです。

そのため、みなし残業制度では原則45時間を超える固定残業を設定することはできません。

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従業員の労働時間を正しく把握する

あらかじめ定めたみなし残業時間を超える残業や深夜労働、休日労働を従業員が行った場合には別途残業代を支給する必要があります。タイムカードなどで労働時間の把握をしっかりと行なわなければうっかり違法になってしまう可能性も。

たとえば出勤簿に判子を押してタイムカードがわりとするのは不十分で、きちんと何時何分に出勤・退勤したか確認できるようにしなければなりません。

労働基準法によると雇用主は従業員の労働時間を正しく管理する義務があると定められているため、適切に管理するようにしましょう。

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みなし残業代を正しく理解してトラブルを未然に防ごう

みなし残業を導入するには36協定や労働基準法、最低賃金などさまざまな決まりを守らなければなりません。「知らなかった」では済まされず、未払いの残業代が発生していた場合には過去に遡って従業員に残業代を支払わなければならないことも。

みなし残業は正しく運用すれば企業・従業員両方にとってメリットのある仕組みです。導入前に残業時間や金額などの条件や就業規則を締結する際の注意点をしっかりと確認し、トラブルを未然に防ぐよう設計しましょう。

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