OKAN WEB MAGAZINE

"働く人のライフスタイルを豊かにする!日本一"おせっかい"なOKANのウェブマガジン"

  • #従業員エンゲージメント
  • 組織開発

従業員エンゲージメントは着実に上げられる!その方法や取り組み事例を解説

  • 組織開発

2021/03/01

2021/03/30

少子高齢化による労働人口の不足により、人材の確保や定着率が不安定な昨今の情勢において、「従業員エンゲージメント」という言葉がいま注目をされてきています。会社自体の魅力を高めていきたい、社内の離職率を抑制したいと願う企業にとっては、見直すべき重要な指標の一つです。

この従業員エンゲージメントの意味や概要、そして企業が実際に取り組んだ事例やもたらす効果などについて解説していきます。

従業員エンゲージメントの意味と要素

はじめに、人事や組織開発の分野において使われる、従業員エンゲージメントの意味について解説していきましょう。
従業員エンゲージメントとは、企業が目指す理念や方向性を従業員が理解し、共感し、そして自らその達成に向かって自発的に貢献しようと思う意欲や意識を指します。

従業員エンゲージメントを構成する三大要素

従業員エンゲージメントを向上していくためには、企業が抱える独自の従業員エンゲージメントを明確に定義していく必要があります。

従業員エンゲージメントには、以下の通り、3つの構成要素があります。

1.理解度

従業員が企業を信頼するためには、企業が掲げる方向性を従業員も具体的に理解し、納得してそれを支持していく必要があります。つまり、企業と従業員の向かう方向性が一致していることが大切だからです。それ故、企業は経営方針や理念を明確にして、従業員の理解度を得ていくことが求められます。

2.共感度

会社のビジョンと一致することは、従業員エンゲージメントの重要な要素です。従業員が掲げる目標や人生設計と、会社が描いている将来像が重なると、日々の業務に情熱をもって取り組むことができ、事業計画への共感にも繋がります。

3.行動意欲

従業員にとって、会社へ努力し貢献できていることは重要なものです。その貢献度を感じられるものに、会社での売り上げなど数字でわかる評価と、人事や関係部署などからの心理的な評価があります。
会社で得た良い評価は、個人的な満足感だけでなく会社における存在価値の実感にも繋がっていきます。その結果として、行動意欲にも良い影響が出るといえます。

日本の基準値:世界との比較

組織のエンゲージメントを測定するツールとして、アメリカのギャラップ社が実施している「エンゲージメント・サーベイ」があります。

同社は全世界1,300万人のビジネスパーソンを対象に従業員エンゲージメントが高い“熱意あふれる従業員”の調査(2017年)を実施しました。この調査によると、首位につけたアメリカ:31%(世界基準:15%)と比べ、日本の従業員エンゲージメントは6%と世界的に見てもかなり低く、全調査国139ヵ国のうち132位と最下位レベルであることが分かりました。

上記の意識調査で低い基準値だった日本でも、2017年から厚生労働省が推進している「働き方改革」の影響により、従業員エンゲージメントの向上に取り組む企業が増えてきました。

しかしながら、2019年から蔓延し始めた新型コロナウイルスによる在宅勤務の増加で、企業と従業員とのコミュニケーションが希薄になっています。個々が孤立しがちな社会環境の時代だからこそ、企業は従業員エンゲージメントの大切さを見直し、改善を図っていかなければなりません。

参照:
Gallup’s State of the Global Workplace report (ギャラップ社:2017年調査)
働き方改革 特設サイト(厚生労働省)

従業員満足度・ロイヤリティとの違い

従業員エンゲージメントによく似た概念として、日本では以前から知られていた「従業員満足度」や「ロイヤリティ」などがありますが、従業員エンゲージメントとはその意味合いが若干異なります。

従業員満足度

従業員満足度は、会社に対する居心地の良さを示すものです。必ずしも企業の業績や生産性に直接結びつくというわけではありませんが、離職防止という観点からみても、従業員満足度を維持・向上させる働きは非常に重要です。

ロイヤリティ

ロイヤリティとは忠誠心の意味です。従業員との関係だけでなく、顧客に対しても使われるビジネス用語です。日本では、伝統的に企業が従業員に対して力を持っていたこともあり、労使関係においてロイヤリティが重要視される傾向にありました。しかし、指示を待つスタイルでは、従業員独自の創造力や判断力の低下を招いてしまうといったネガティブな結果をもたらす場合があります。

このように、従業員満足度やロイヤリティは、所属する会社、上司、そして仕事に対する評価への満足度が「従業員自身の基準」となっています。一方、従業員エンゲージメントは、「企業が目指す目標や方向性が基準」であり、それに伴った従業員の理解や共感、行動意欲を評価する指針となるものです。

関連記事
OKANの事例で語る!ニューノーマル時代に押さえるべき従業員支援のポイント

従業員エンゲージメントを高める効果

それでは、従業員エンゲージメントを高めると一体どのような効果があるのでしょうか。

人材が定着し、離職率が低くなる

かつては終身雇用制度という働き方の仕組みが一般的で、その過程の中で従業員エンゲージメントも自然と発生し、企業もそれに期待ができるような時代でした。しかし、終身雇用制度が崩壊してからは、優秀な人材が他の企業へ引き抜かれたり、個人がより良い勤務条件で転職をしていくようになり、企業の採用環境はますます厳しくなっています。

このように、人材の流動化やワークモチベーションの多様化により、従業員に働き続けてもらうためには、金銭面だけでない企業と従業員の関係性の構築=「従業員エンゲージメントの向上」が、重要な要素になっています。

つまり、従業員エンゲージメントを高めることで、企業も従業員の安定した確保や定着率を向上させることができるのです。

モチベーションを維持できる

企業と従業員の方向性が一致していると、所属意識が高まるため、企業を信頼し安心して業務に取り組むことができます。それによって、従業員は仕事に対するモチベーションを維持することができます。

自分の仕事に意義を見出し、充実感をもって働けるため、長期的にみても大きな効果があります。

仕事への積極性が高まる

従業員が企業に誇りや貢献意欲を持っていれば、さらなる高みを目指して難しい業務にも挑戦していくことも期待できます。

この時、企業(上司)からの指示のみで動いている場合は、能動的に問題解決をしようとしないものですが、従業員が自ら積極的に取り組んでいる場合は、すすんで問題解決に取り組む良いきっかけになります。

顧客満足度が上がり、業績が向上する

仕事への積極性が高まり、主体的に自己研鑽に励んでいくと、顧客満足度の向上にも繋がります。成果が出たことで、従業員のモチベーションもアップするという良いサイクルが生まれるはずです。

企業利益を向上させるために重要な仕組みの一つであるSPC(サービス・プロフィット・チェーン)というフレームワークにある、“従業員満足度を上げると、サービスの質も向上し、顧客満足度にも影響する”という一連の好循環が生まれます。このように、「従業員満足度」「顧客満足度」「業績の向上」「企業の利益」は、互いに深く関わりがあるのです。

関連記事
従業員満足度をあげて業績を伸ばす!SPC(サービス・プロフィット・チェーン)の仕組み活用方法を解説

従業員間のコミュニケーションもスムーズになる

従業員エンゲージメントが高くなることで、従業員同士の良好なコミュニケーションを生まれます。職場環境が改善されると、従業員の精神的安定が維持できるため、不要な摩擦やトラブルが減ります。そして、従業員同士の親和力や協調性が高まり、サービス自体の向上、業績アップにもつながるでしょう。

従業員エンゲージメントを向上させる方法

従業員エンゲージメントを向上させるためにどのように高めたら良いのか、具体的にいくつか効果的な例を見ていきましょう。

着目したいエンプロイーエクスペリエンス

近年、従業員エンゲージメントをさらに高めるための取り組みとして、「エンプロイーエクスペリエンス」という概念が人事業界のトレンドとして注目を集めています。

働きがいやスキルアップだけでなく、より良い職場環境やキャリア形成、健康状態の維持など会社生活で経験するあらゆる影響を包括した考え方です。このエンプロイ−エクスペリエンスへの理解を深めることで、従業員の職場環境や健康面での改善、従業員満足度・生産性の向上や離職率の低下につながります。また企業側も従業員のキャリア形成を明確に図ることができ、会社組織自体の成長へとつなげることができます。

関連記事
エンプロイーエクスペリエンスを徹底解説!導入のポイントや注意点を紹介

従業員エンゲージメントを向上させるチームを作る

会社の経営側と従業員がチームを組んで従業員エンゲージメントを高める活動をするために、経営側がこの活動に協力してくれる従業員を募り、企業と従業員の活動委員会などを合同で作ります。

この時、仕事への熱意にあふれ高いパフォーマンスを発揮しているような従業員エンゲージメントの高い従業員を選ぶことが大切です。

モデルとなる従業員をピックアップ

従業員エンゲージメントが高くパフォーマンスを発揮している、企業にとって継続して働いて欲しい、他の従業員にとってもお手本になるような従業員の選定をモデルケースとして、各部署各職務から何名か選定をします。

モデルとなった従業員の分析

モデルケースとしてピックアップした従業員を、人事課の情報だけでなく該当者のインタビューやアンケートを行うなどして、以下のような観点から個人情報に留意しつつ情報分析をします。

・報酬レベル
・職務内容
・スキル
・直近のパフォーマンスの人事評価
・高いパフォーマンスを発揮するための行動内容や努力
・企業や組織に対するモチベーションやネガティブなイメージ

従業員に求める要素の洗い出し

この企業で働きたい魅力やモチベーションは何か、やる気を失わせるものは何か、などを追求していきます。

モデルとなった従業員の情報分析を整理し、活動委員会が従業員に期待する要素を加え、企業にとっての望まれる“理想の従業員像”を職種や職位ごとに構成していきます。

会社に必要な改善点の見直し

理想の従業員像の基準に近い従業員を増やしていくために、以下のような点について、見直しと再構築を行います。

・会社の共有理念や価値観
・事業計画
・経営側メンバーの選定方法
・会社と従業員の結束力を高めるための活動
・研修制度
・評価や査定基準
・就業規則
・役職、職務等級制度
・給与や退職金など報酬制度
・テレワークなど柔軟な働き方制度の導入
・ダイバーシティ
・シニア雇用制度
・福利厚生制度 など

福利厚生の充実

従業員エンゲージメントの向上に欠かせないものの一つが、「福利厚生の充実」です。

近年、多くの企業において働き方改革の取り組みが進んでおり、仕事とプライベートの両立を目指す“ワークライフバランスへの関心”がかなり高まってきています。このため、給与や仕事内容と同じように、より良いプライベートを確保できる福利厚生の充実も、従業員エンゲージメントを高める重要なポイントとなっています。

従業員エンゲージメントのサーベイの実施

企業内で理想の従業員像を分析模索しながら、毎年もしくは数年に一度、従業員エンゲージメントのサーベイを実施し、エンゲージメントレベルを数値として見える化をしていきます。そのサーベイの結果を活動委員会とともに精査し、経営側と従業員に共有し、今後の活動の方針などを決定していきます。

このように、従業員エンゲージメントを向上する方法は色々ありますが、企業と従業員の一体化を進める活動において、経営側の理想や考えを従業員に強要するのは良策とはいえません。ともに考え、行動し、こうした活動を続けていくことが重要です。

従業員エンゲージメントを高めた企業の事例

従業員エンゲージメントを向上させるために、実際に施策を実施している企業の事例をいくつか紹介していきましょう。

メルカリ | 感謝の気持ちをチップでお返し

メルカリのHRは採用活動だけでなく、成長する組織にあわせて人事制度の構築やエンゲージメント施策を行っています。

その一つのプロジェクトとして、『メルチップ(mertip)』という形で、リアルタイムにスタッフ間で感謝や賞賛をしあい、インセンティブとして一定額のピアボーナス(成果給)を贈りあえる制度を導入しています。導入1ヶ月後にすぐに制度の良い効果が現れ、社内アンケート調査では満足度が87%にも達したとのことです。

参照:贈りあえるピアボーナス制度、メルチップ(mertip)の導入

GREE | 上司と部下の関係がカギ:1on1で支える目標管理

個人の成長と業績アップを目指す目標管理の仕組み『MBO(Management By Objectives)』に加え、『1on1』を導入し定期的な振り返りを行うことで、上司と部下の信頼関係を構築しています。

実施後のアンケート調査でも、社員全体の7割が1to1の制度に満足していると回答しており、現場マネージャー向けの1to1研修も積極的に実施されています。

参照:上司と部下の信頼関係をベースとした、MOBの運用を1on1で支える目標管理

Ubie |ノンストレスでより自分らしく働く

医療現場でAIによる問診サービスを提供するUbieでは、従業員によりその人らしく働いて欲しいと願う会社理念の下、『完全フレックスタイム制』を導入しています。

朝方タイプの人は早朝から出勤、夜型タイプの人は午後からゆっくり出勤といったように、各人が最高のパフォーマンスを発揮できる時間帯で働けるため、従業員エンゲージメントも向上したということです。

参照:完全フクレックスタイムの導入で、自由な働き方を可能にしたシステム

Amazon | トレーニングの場を提供し、個人の成長をサポート

Amazonでは『Amazon career choice(アマゾンキャリアチョイス)』と呼ばれる従業員のためのトレーニング機関を設けています。

従業員が社内や社外で需要の高い分野の職種に就くために、ソフトウェア開発やITサポートなど従業員自らが希望する研修だけを受けることができます。社員のキャリア形成の成長を支援する、従業員エンゲージメントの好事例といえるでしょう。

参照:スキルアップにつながる社員のためのトレーニング機関、Amazon career choice(アマゾンキャリアチョイス)の設置

福利厚生を充実させるサービス「オフィスおかん」

前述したように、従業員エンゲージメントを向上させる方法の一つに、福利厚生の充実があります。そんな中、置くだけ社食の「オフィスおかん」が、どんな企業にも設置できる食の福利厚生サービスとして注目を集めています。

冷蔵庫や専用の自動販売機を設置し、健康的で安心・安全なお惣菜を24時間いつでも1品100円で食べることができます。提供するお惣菜は、管理栄養士が監修し、全国各地の季節の食材を使いながら、働く人たちの健康に配慮して作られています。また、全国どこでも導入可能で、現在は北海道から沖縄まで全国47都道府県で導入されている実績があります。

食のサポートだけにとどまらず、「健康経営」「従業員の満足度向上」「社内コミュニケーション活性化」「オフィス環境改善」「女性活躍支援」「人材定着」「採用促進」など、企業が抱えている多くの課題を解決する新しいアプローチのツールとして業種・規模問わず活用されています。

また、新型コロナウイルスの流行下においては、感染リスクを避けるために外出せずにいつでも社内で食事を提供したい、在宅勤務者が増えたことによる社食利用者の減少などからの運用コスト削減などの目的で、オフィスおかんへの切り替えが増えています。

関連記事
オフィスおかんの評判・料金・提供エリアは?導入事例や効果を徹底解説

従業員エンゲージメントが見直される時代

労働人口が減少している日本企業にとって、人材の確保は重要な経営課題となっています。先の見通しがつかず不透明で厳しい時代であるからこそ、困難を乗り切り、企業はピンチをチャンスに変える大きな変革を必要とされています。

従業員エンゲージメントを高めることは、従業員と企業との結びつきをより強固で確かなものにすることへ繋がります。お互いにWIN-WINの結果をもたらすためにも、組織の発展に欠かせない大きな課題として取り組んでいきましょう。

Writer 執筆者

おかんの給湯室編集部