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週休3日制とは?|企業側のメリット・デメリット、導入事例も紹介

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2021/01/13


平日は4日働いて、休みは3日、そんな週休3日制の働き方が注目されています。企業は、週休3日制により生産性向上や人手不足解消を期待できます。従業員個人にとっても、家庭や自己研鑽の時間が増え、歓迎される働き方ですが、これまでとは異なる就業体系を導入するにあたり発生する課題もあります。

ここでは、週休3日制をメリット・デメリットから、実践する場合の給与体系について解説します。

週休3日制の働き方とは

これまで日本企業では5日働いて2日休むという、週休2日制が主流でした。ところが近年では、この長年続いてきた企業慣習に対して、週休3日制という一石が投じられています。

週休3日制が注目される背景

日本で週休3日制が話題になったきっかけは、日本マイクロソフト社による試験導入です。同社は、2019年8月の1か月、全社員を対象に金曜日を特別休暇とし、週休3日制を実施しました。それよりも前には、2017年にヤフー株式会社が育児や介護といった特定の状況を抱える従業員を対象に、限定的に週休3日制を採用しています。

このように週休3日制が導入される背景には、長時間労働是正といった働き方改革の流れがあります。長い時間働いて売上を拡大させるやり方は、人口減少による労働力の減少、従業員の高齢化、および競争スピードが加速する現代社会ではそぐわないものになりつつあります。

企業の生産性向上と、従業員のライフ・ワーク・バランス、この両面を解決する手段として模索されているのが週休3日制の働き方なのです。

参照:「週勤 4 日&週休 3 日」を柱とする自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」を開始

海外での週休3日制

海外では、日本より制度の導入が進んでいます。そのうちの一つのニュージーランドの遺産管理サービスを提供する「パーペチュアル・ガーディアン」は、2018年に約240人の全従業員に対して、給与はそのままで週休3日制とするトライアルを6週間導入し、話題になりました。

さらに2020年の5月には、新型コロナウイルスの抑制が落ち着いたタイミングで同国のジャシンダ・アーダーン首相が、国内の経済復興につなげるため従業員の余暇を増やす週休3日制導入を企業に呼びかけるなど、取り組みに対する前向きな姿勢がうかがえます。

2020年12月には、ユニリーバがニュージーランドで1年間にわたり、同国で働く81人に対して週休3日制を導入すると発表。新しい働き方が、従業員・企業の双方にどのような効果をもたらすのか注目されています。

参照:Unilever NZ to trial four-day work week at full pay

週休3日制のメリット

企業へのメリットとしては以下のことが考えられます。

・社内のイノベーション促進
・採用力強化と人手不足の解消
・長時間労働是正の促進

一つずつ解説していきましょう。

社内のイノベーション促進

企業にとって週休3日制の大きな目的が、「イノベーション促進による生産性の向上」です。

1か月の試験導入を行った日本マイクロソフト社では、生産性を向上させるコミュニケーションの作法として、「会議設定は基本30分」「会議の人数は多くて5人」「コラボはMicrosoft Teams 活用」という3つのルールを設定しました。

これにより、当たり前だと思っていた1時間長時間拘束や大人数の会議スタイルは見直され、さらにはメールが中心のコミュニケーションから自社ツールであるMicrosoft Teamsの活用で、チャットやオンライン通話・会議を促進。意思疎通の迅速化が進みました。

同社では、週休3日制を導入した月は、印刷枚数が58.7%減、電力消費量が23.1%減と、働き方の変革がペーパーレス化など固定費削減に影響を与えるとも証明しています。

このように、就業日数の減少と生産性維持のバランスは、従来の手法を見直し、新たな方式を採用する流れを強化します。

参照:日本マイクロソフト社の結果

採用力強化と人手不足の解消

従業員にとって、余暇が1日増えることで、自己学習や家族との時間など、プライベートを充実させられます。就業規則によっては、副業を行いキャリアを広げる従業員もいるでしょう。「人生の選択肢が増える」のが週休3日制といえます。

こうしたポジティブなイメージは、企業の採用にプラスに働きます。自己研鑽と成果を求める人材の就職先として選ばれ、優秀な人材が集まります。また、柔軟な働き方のため、育児や介護を抱える人が働きやすくなります。そのため、売り手市場の職種でも人材不足解消が期待できます。

長時間労働是正の促進

2019年4月に施行された働き方改革関連法では、労働基準法が一部改正され、時間外労働に対して明確な限度時間の設定と、違反した企業への罰則が盛り込まれました。

企業は法律の上限である1週40時間、1日8時間を超える労働を従業員にさせる場合にはあらかじめ「時間外・休日労働に関する協定(36協定)」の締結が必要です。その場合でも「月45時間・年360時間」の時間外労働を超えることは禁止されます。さらに、36協定の特別条項を結んだ場合でも、上限規制は下記の通りに設定されています。

*36協定(特別条項)の上限規制
・時間外労働と法定休日労働の合計労働時間数が、月100時間未満
・時間外労働が、年間720時間以内
・時間外労働時間数が月45時間を超える月数は6か月以内

上記に違反した場合には、罰則として6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。こうした法律に反する長時間労働を改善す方法として、週休3日制が挙げられます。

たとえば、先に挙げた日本マイクロソフト社の試験的導入では、1か月の就業日数が25.4%削減されています。減らした就業日数に適用できるよう、業務の仕方を効率化することで、就労環境の整備が期待できます。

参照:働き方改革特設サイト(厚生労働省)

関連記事
36協定の特別条項とは?労務なら知っておきたい知識を解説

週休3日制のデメリット

一方で、週休3日制導入により発生するデメリットも考える必要があります。

ビジネスの機会損失

就業日数の減少により、クライアントとのアポイントメント調整が難しくなったり、コミュニケーションにタイムラグが発生したりする可能性があります。常に稼働し、顧客との接点を持ち続ける形態の事業は、問い合わせの一次返信をAIの自動設定にする、平日休むタイミングを従業員同士でずらすといった工夫が必要です。

また、マネジメント層が週休3日制で従業員が週休2日制のような体制の場合は、社内でのコミュニケーションが円滑に進むよう、従業員の裁量を拡大したり意思決定のフローを簡素したりするなど、リアルタイムの接点がなくても滞りなく仕事が進む体制を構築する必要があります。

勤怠管理の複雑化

週休3日制では、変形労働制の適用などいくつかの給与体系があります。全社員一律の給与体系ではなく、週休3日制を利用する従業員のなかでも給与体系が異なっていたり、一部の社員にのみ適用したりするケースでは、勤怠管理が複雑化します。勤怠管理システムの見直しを図るなど、負荷の軽減が必要です。

業務フローや意思決定改善の負荷

これまでと変わらない成果を出すには、仕事のやり方を変えることが不可欠です。作業にかかる時間を短縮化させる効率化から、ミーティング回数を減らす、時間を制限するなど、減った就業時間でもパフォーマンスが変わらない働き方を検討します。

こうした改善には、情報共有の仕組みが重要です。会議の議事録が誰にでも見られる場所にある、メンバーのスケジュールが可視化されているなど、ツールを利用して共有スピードを高めます。導入初期の段階では、新しい働き方に慣れるまで従業員から戸惑いや不満の声があがる可能性もあります。

週休3日制で給与はどうなる?

週休3日制の給与体系は、基本的に以下の3つのパターンがあります。

1.8時間×4日で給与は変わらない
2.8時間×4日で給与が低下する
3.10時間×4日で変形労働制やフレックスタイム制を適用し給与は変わらない

使い分けについて解説します。

週休3日制の給与パターン

週休3日制は就業時間が減ったからといって、必ずしも給与が低下したり、労働時間が減少したりするわけではありません。

週休3日制で「労働時間減少×給与維持」の場合は、従業員にとって1日休みが増えただけの形になります。

次に、「労働時間減少×給与減少」では、減った労働時間に合わせて給与を改定します。

最後に、「労働時間維持×給与維持」では、1日の勤務時間を長めにすることで労働条件も給与条件も変更せずに週休3日制を実施します。このとき、1か月の変形労働制やフレックスタイム制を適用する必要があります。

変形労働制とは、労働時間を月・年単位で調整することにより、繁忙期などに労働時間が超過しても、時間外労働としての取り扱いを不要とする制度です。

参照:
大阪労働局 変形労働時間制と裁量労働制(労働時間の例外)

一方フレックスタイム制とは、あらかじめ決めた総労働時間の範囲内で、従業員が日々の始業・就業・労働時間について自ら決めることができる制度です。

参照:フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き

週40時間勤務とする場合、10時間×4日勤務では、1週間の所定労働時間は法定内でおさまりますが、1日あたり2時間の時間外労働が発生します。この時間外労働へ対応するため、1か月の変形労働時間またはフレックスタイム制を適用する必要があります。これらの適用は、労使協定または就業規則に記載します。労使協定を変更した場合は、労働基準監督署への届け出が必要です。

週休3日制で給与体系を決める際のポイント

どのような給与体系にするかは、週休3日制を導入する目的および対象によって異なります。

企業のイノベーションを目的とし、業務フローの改善など組織の活性化を推し進めたい場合、適しているのは「労働時間減少×給与維持」の給与体系です。従業員は1日休みが増えることで、自己研鑽の機会を模索し、組織と個人の成長に貢献します。とくに、対象従業員がマネージャー以上など一定の階級以上に適用する場合は、給与を減らさないパターンが適しています。

一方、柔軟な働き方による人材不足解消が狙いであれば、「労働時間減少×給与減少」の働き方も支持されます。育児や介護を抱えているなど、働く時間数に制約がある従業員にとって平日5日勤務に縛られない働き方は魅力的です。

最後の「労働時間維持×給与維持」は、ワークライフバランスを重視する人材に有効なアピールです。とくに、フレックスタイム制と週休3日制の組み合わせは柔軟性の高い働き方です。本業以外に副業を持っている人や、資格取得・育児など両立させるべきものがある人に支持されます。

週休3日制を取り入れている企業事例

佐川急便

運送業界大手の佐川急便株式会社は、セールスドライバー向けに週休3日制を導入しています。週休2日か3日かは選択が可能。週休3日制の場合は、変形労働時間制を採用し、7時~23時半の間で平均実働10時間の働き方となっています。

その場合の就業日数は、シフト制で月13日。1日休みが増える働き方で、家族との時間を増やしたり、趣味に没頭したりなど、ライフスタイルのチョイスが増えることがアピールポイントです。求人票には、休みの日の兼業も可能と言及されており、人手不足に悩む運送業界の採用強化を主な目的としています。

参照:佐川急便セールスドライバー求人

株式会社ネクストビート

保育園・幼稚園向けの業務支援システムや、教育などをテーマにしたWebメディア事業を展開するネクストビートでは、2020年4月より週休3日制を導入しています。

対象となるのは、開発部のマネージャー以上のポジションの社員です。月曜を固定休みとする平日4日勤務となっています。同社の週休3日制の狙いは、従業員の副業や自己学習の機会創出により組織と個人の双方に好循環を生むこと。現在は7名の従業員が対象となっており、休日にエンジニア向けコンテンツの自己学習を行うなど、学びの機会やネットワークを広げています。

参照:2020年4月より「週休3日制」を導入。テックカンパニー化に向け、好循環を生み出すエンジニアリング組織へ

600(ろっぴゃく)株式会社

オフィス向けにキャッシュレス無人コンビニ「600」を提供する600株式会社は、2017年の創業から完全週休3日制を導入しています。スタートアップとして創業した代表が、仕事と子育ての両立を目指し自発的に休日を増やしたところ、仕事のパフォーマンスの向上を実感。従業員を採用してからも週休3日制を続け現在に至ります。

参照:無人コンビニ600 会社ブログ

みずほフィナンシャルグループ

みずほフィナンシャルグループは、「新しい働き方」と題して、2020年11月より場所や曜日・時間にとらわれない柔軟な働き方を強化しています。狙いは、仕事の生産性や企業の活力を高めることです。

その一環として12月より導入されたのが、週休3日・4日制です。フレックスタイム制を拡大し、組合との協議を前提に、本人希望による週休3日・4日制を導入。多様な働き方を可能にすることで、様々な価値観や状況を抱えている従業員が活躍できる企業になることを目指しています。

参照:みずほフィナンシャルグループ プレスリリース

週休3日制を導入する際の注意点

最後に、週休3日制の導入前に検討するべき注意点を4つ紹介します。

1,適用対象となる従業員を決める

週休3日制の対象社員を、全従業員とするのか一部の従業員とするのかを決定します。また、導入にあたっては本人の希望を確認する必要がありますので、全社向けのミーティングで意見を募ったり、個別に面談を行ったりします。

2,賃金の支払い方法を決定する

週休3日制にあわせて、給与体系を決定します。採用力強化、働き方の多様化、生産性の向上など、導入の目的と従業員の希望を照らし合わせながら最適な方法を選びましょう。

3,一時的な利用を許可するか

週休3日制を、ある一定の期間のみ使用するなど、よりフレキシブルな位置づけにすることもできます。また、新しい働き方への移行の混乱を少なくするために、まずは試験的な導入で反応を見る方法もあります。

4,副業を認めるかどうか

週休3日制の検討には、副業は必ず議題にあがります。そのため、週休3日制の導入と同時に、副業ができるかどうかも就業規則に明記しておきましょう。

目的とメリットの合致で広がる週休3日制

1日休みが増え、事業の生産性も維持される。それどころか、新たな働き方によって、より多様な従業員が働きやすくなる。週休3日制は、今後情報技術が発展し、労働人口の減少に向かう日本企業にとって一つの画期的な働き方になるかもしれません。

一方で、これまでとは異なる就業スタイルを定着させるには、企業側の仕組みの改善や働く側の意識改革が求められます。大企業の試験導入やスタートアップ企業での活用などを通じて、最適な週休3日制の活用が模索されていくでしょう。

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Writer 執筆者

おかんの給湯室編集部

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