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おかんのコト

【WLVカンファレンス事前インタビュー】登壇者に聞く「働き方3.0」へのアップデート

おかんのコト


11月26日(火)、グランフロント大阪ナレッジシアター(大阪府)にて開催される「WORK LIFE VALUE CONFERENCE (ワーク・ライフ・バリュー カンファレンス / 通称 WLV カンファレンス )」。当日は経営者、有識者、行政の首長をお招きし、WLVに関する基調講演、3セッションが行われます。

当日より深いセッションができるように、登壇される方々から事前に「働き方3.0」についてのお考えをお伺いしました。

「WLVカンファレンス」が大阪で開催!企業と働く人の働き方3.0を考える

【基調講演】働き方改革は成功だったのか

東 修平氏/大阪府四條畷市長

働き方3.0が求められる理由には、何があるとお考えでしょうか

超少子高齢化への対応という日本が抱えている課題。これは、世界における最先端の課題でもあります。そして、その最前線に立ち、多様な背景を抱える人々に寄り添うのが、私たち自治体職員の責務です。これまで誰も経験したことがない社会課題にしっかりと向き合い、多くの人を巻き込みながら、前例のない解決策を提示し、住民生活を改善していく。これこそ、自治体職員に求められている仕事ではないでしょうか。

当然、法律等に定められた事務を、市役所内で確実に実施することも大切です。しかし、働き方改革によって、もっと現場に飛び出し、もっと多くの民間企業と連携を行い、自らの頭で考えることができる公務員が増えることが、より良い日本へと繋がると私は信じています。

働き方3.0を推進するうえで、意識すべきポイントを教えてください

マインドセットから始めること。これが何よりも重要です。
会議の短縮化や資料の電子化といった取組みも大切ですが、「なぜするか」が腹落ちしてなければ、ただの作業になってしまいます。残業時間の削減や各種休暇取得率の向上といった義務的な数値目標を掲げても、その多くが失敗に終わる理由もそこにあります。あくまで、残業時間が減ることは働き方改革の結果であって、目標ではありません。

全組織的に、働き方改革を推し進めていくんだいう経営側の堅い意志と、マインドセットが整うまでは働き方改革を推し進めないという強い覚悟が大切です。

今後、”個々人の働き方”と”企業”はどうなっていくとお考えでしょうか

民間企業の世界では当たり前かもしれませんが、公務員の世界にも、人生流動性の波が押し寄せています。
例えば、これまでは、いったん市役所に入庁すれば、そこで退職まで働く人がほとんどであったと思います。しかし今や、公務員のなかにも、個のプレイヤーとして優秀な公務員が、さらなる活躍の場所を求め、より挑戦できる市役所へと移っていくという事象が起き始めています。

最も硬直的であるはずの公務員の世界でこうした変化が起きているということは、今後あらゆる組織において、個のプレイヤーが活躍できる環境を整えていくことが必要であり、それが結果として、組織の多様性へと繋がっていくと考えます。

【セッション1】
多様化する価値観。”今”何を求めるのか? 働き手の思考を読み解く

大浦 征也氏/doda編集長

働き方3.0が求められる理由には、何があるとお考えでしょうか

複数の要因があると思います。まず、日本型雇用の前提にある終身雇用、年功序列のような働き方が、ここ20年近くの歴史の中で崩されてきたことです。就職すれば安泰ではない時代になる中で、人生の大半を会社や仕事に捧げること自体の価値を見つめ直す動きがあります。

また、近年ブラック企業という言葉が出てきた流れもあるように、健全でない労働環境が、情報社会のなかで共有されるようになり、自分が置かれている環境を客観視できるようになったこともあるでしょう。加えて、Y世代Z世代のような新しい世代が、このようなことを通じて、仕事への価値観がどんどん変わってきているということもあります。

価値観が多様化し、職場環境に対しての改善意識が高くなっているなかで、時間短縮という意味での「働き方改革」だけでない取り組みが求められています。国をあげての取り組みやテクノロジーの進化があり、時間や場所に縛られない働け方が出来るようになってきたことも、働き方3.0が求められる理由にはあると思います。

働き方3.0を推進するうえで、意識すべきポイントを教えてください

昔のような組織作りや、職能型といわれる属人性に担保したような仕事の振り方だけでは、企業経営や組織運営が難しい状況になっています。また、今の日本は一人あたり労働時間は減り、かつ労働人口も減っていると言われています。

しかし、副業・兼業や女性やシニア、そして外国人等、全てひっくるめた労働力から考えると、必ずしもそういえない部分もあるのではないでしょうか。単純に労働人口だけでは表現されていない潜在的な労働力がまだ現場にはあり、今後大きな役割を担っていくと思われます。

このようなことから、いろいろな属性・働き方をする人が、やりがいを持って働ける環境をつくるべく「ダイバーシティ・マネジメント」が重要になってくると思います。属人性に担保しない仕事の作り方、組織の運営の仕方、もしくは全部が内製という自前主義ではなく、外部のチームと組んで進めるなどを組みわせていくことをより一層意識していくべきです。

今後、”個々人の働き方”と”企業”はどうなっていくとお考えでしょうか

シンプルに言えば、人事権が個人に紐付くことが加速するでしょう。企業が人事権を持って、転勤や配属を決めてきた時代から、自分の生き方や働き方は自分で決める、まさに「キャリアオーナーシップ」の時代になっていくと考えています。

こうなれば、本当の意味で、個人と企業の関係性が対等になります。個人にとって仕事とは、人生を輝かせるフィールドであり、また自己実現の一つの要素です。そこに不本意な企業判断があったり、ライフステージの変化に応じられない働き方の強要があれば、そのフィールドを容易に変えることが起きるでしょう。

一方で企業側は、歴史や規模に関わらず、個人の活かし方、外との組み方次第では、大企業しかできないことが少なくなっていくでしょう。
すると、個人と企業の最適なマッチングにおける限界コストが下がり、個人と企業がくっついたり離れたりの自由度は高くなります。これはある意味で、理想郷でありながら、見方によっては弱肉強食の世界を作り出すとも言えます。

もしかしたら、格差社会を加速させ、コミュニティに属せない人を生み出すかもしれない。今まで日本人は、縦社会の人間関係といわれていました。ですから、会社に入社すれば、友達はいなくても同僚がいた。しかし、働き方の自由度があがれば、そこから取り残される人が出てくる可能性もあるということを心にとめておかなければなりません。それをどう解決していくのかを今後議論していきたいと思います。

西崎 康平氏/トゥモローゲート株式会社 代表取締役社長

働き方3.0が求められる理由には、何があるとお考えでしょうか

労働人口が減少し続ける昨今では、数や量による生産性の向上は頭打ちの時代となった。日本が世界と戦う競争力を取り戻すために必要なものは「仕事へのワクワク」だ。

ワクワクのない仕事にいい仕事なんて生まれやしない。

ただ言われたことだけをこなす作業しかできない人材が増え続ければ、きっと世界の食い物にされるだろう。テクノロジーが進化するなかで旧態依然とした根性論や精神論で立ち向かおうとする時代錯誤の会社は淘汰され、テクノロジーを活かし効率的にパフォーマンスを生み出す環境をつくりあげた企業だけが生き残る。

単なる業務時間の短縮や待遇面の改善を働き方改革とは呼ばない。企業においても、働く人びとにおいても、どちらにもプラスに作用する真の働き方改革が必要だ。そのためには、変化を恐れず課題と向き合い、悩み考え立ち向かう人材が、仕事にワクワクして取り組める環境づくりが求められている。小手先だけの働き方改革に未来はない。

働き方3.0を推進するうえで、意識すべきポイントを教えてください

まずは自分たちが目指すべき理想の会社像を掲げることからスタートして欲しい。弊社が掲げる理想の働き方は「世界一変わった会社を創ろう」だ。

このビジョンに近づくために、具体的な手段や制度を導入していくことが大切になる。例えば、出退勤の時間を定めない「フルフレックスタイム」やお洒落を強制する「スーツ着用禁止」を名言したり合った、月末最終月曜日の勤務時間が15時~21時になる「ブラックマンデー」を導入。また社員ブランディングを推進するためにはじめた「SNS手当」により社員の社名だしTwitter利用率は100%となった。創業から10年でこれまでの退職者は1名だけ。一人当たりの生産性は年平均110%程度で推移している。生産性の向上と連動して待遇面での年間給与伸び率は115%と好調を維持している。

大切なことは言っていることとやっていることが一致しているかどうか。言葉だけ先行したところでなにも解決しない。自分たちが目指す理想の会社像に向けて行動すら変えていくことが重要だ。

今後、”個々人の働き方”と”企業”はどうなっていくとお考えでしょうか

これからの働き方は「選択の時代」に突入する。たくさんの情報、たくさんの選択肢の中から自分に合った働き方が選べる時代。さらには従業員という枠組みさえも無くなり、業務委託やプロジェクト単位のフリーランス契約など働く形態も多種多様になるはずだ。

まずは、その多様な働き方に対応するため柔軟に組織を変化させよう。選ぶことができない会社はこれからどんどん淘汰される。社長本意の経営から脱却し、働く人たちにとって本当の意味での働きがいのある会社づくりが求められる。ただ安心してほしい、結果としてこの仕組みづくりが会社にとっていちばん利益を生み変化に強い組織づくりでもある。

ここで忘れてはいけないのは、会社にもひとにも「選ばれる」には、選ばれるための付加価値が必要だということだ。この会社は、このひとは、どんな価値を約束してくれるのか? この絆こそがブランドだ。より多くのひとたちにその想いを伝えるために、これから自社のブランドをどんどん世の中に発信していってもらいたい。

【セッション2】
働き方改革の”本質”とは?個人のパフォーマンスを最大化させる組織を考える

太田 肇氏/同志社大学政策学部 大学院総合政策科学研究科教授

働き方3.0が求められる理由には、何があるとお考えでしょうか

日本人の長時間労働を解消することが直接の契機になっているものの、同時に日本企業の生産性、並びに国際競争力が低い水準にあることが問題です。

労働生産性、国際競争力ともに国際的な地位が急落したのは1990年代であり、インターネットなどが普及したIT革命の時期と重なります。当初はバブルの崩壊やリーマンショックの影響が主な原因と考えられていましたが、「失われた10年」が失われた20年、30年と続いていること、アメリカでは同時期に経済がV時回復したことからもわかるように、日本企業には構造的な問題があると考えられます。

とりわけ日本企業ではイノベーションが生まれにくいこと、さまざまなムダが解消されないことが大きな問題です。したがって「働き方改革」を進めるには、小手先の手法や精神論ではなく、組織の構造そのものを改革していくことが必要だと思います。

働き方3.0を推進するうえで、意識すべきポイントを教えてください

ムダの排除にしても社員のモチベーション(あるいはワークエンゲイジメント)アップにしても、組織の仕組みを変えていくことが必要です。

これまで日本企業は「全社一丸」を看板に掲げ、全社一律、集団主義的なマネジメントを行ってきました。しかし、IT化、AI化が進行するこれからの時代には、個々人に自発的でかつレベルの高いモチベーションが必要になり、そのためには「個人」に焦点を当てた制度づくりとマネジメントが求められます。また会社共同体のマイナス面にも注目する必要があります。

そのためのキーワードとして、私は「分化」すなわち仕事、職場環境、キャリアなどの面で組織・集団から個人を「分ける」ことを提唱しています。また組織内外において、個人が正しく認められること(承認)が大切だと考えています。

今後、”個々人の働き方”と”企業”はどうなっていくとお考えでしょうか

一つは、組織がフラットになり、専門職のチームのような形態に近づいていくと思います。もう一つは、組織の境界が曖昧になり、自営業者の連合体のような組織も増えてくるでしょう。ちなみに中国や台湾などでは、そのような組織が急増しています。

そうなると、組織は個人に働く場を提供するとともに、側面から支援する役割が重要になってきます。私はそれを以前から「インフラ型組織」と呼んでおり、とくに専門的な職種では「インフラ型組織」が有効なことを示しています(拙著『仕事人(しごとじん)と組織』有斐閣、1999年)。
いずれにしても個々人の働き方は、自営業者に接近し、企業と個人の関係も対等で流動的になっていくのではないでしょうか。

藤本 あゆみ氏/一般社団法人at Will Work 代表理事・Plug and Play Japan株式会社 執行役員 CMO

働き方3.0が求められる理由には、何があるとお考えでしょうか

テクノロジーの進化を中心として、とても早いスピードで環境や状況が変化していく中で、国全体として働く人一人ひとりの生産性を向上させていくことが重要なテーマになっています。「働き方改革」は、生産性向上を実現していく上で重要な要素だと考えています。また、働く人一人ひとりが高い生産性を実現し、社会に貢献することがこれからますます求められていきます。

個々人の意識や行動が変わることも大事ですが、より大事なのはその個々人をサポートする環境だと思います。単なる制度設計や設定だけではなく、企業は会社と個々人がどのような関係を築いていくかがこれからはより求められていくでしょう。

全体の人口減少により、労働人口にも大きな変化が予測されるこれからの社会。何らかの制限がある人々が働ける社会を作るだけではなく、多様な働き方が可能になる社会を実現することで、今までの1+1=2という数式ではなく、1+1=2+という今までにない数式が生まれ、労働力の確保・向上が実現する社会になります。

働き方3.0を推進するうえで、意識すべきポイントを教えてください

変化を楽しむことと、これまでの“当たり前”を少しだけ疑ってみることだと思います。
産業構造が変わっていく中では、働き方も変化することは必至で、その流れに沿って変化に対応をすることが大切です。

一般的に、変化や経験したことがないものに対して人は抗いがちです。変化の激しい時代においては、柔軟な視点で物事を捉え、そして柔軟な発想で取り組み施策を考えていくことはとても重要ではないでしょうか。そのためには今まで当たり前だと思っていたことが“本当に当たり前”なのか、新鮮な目で見つめなおすことをお勧めしたいと思います。

変化を楽しみ、日常から小さな挑戦を繰り返し、高速でPDCAをまわして自社にあった取り組みを探していくということが大切です。個人だけではなく企業においてもチャレンジしたことに対して寛容に受け止める姿勢はますます求められる時代になると思います。

今後、”個々人の働き方”と”企業”はどうなっていくとお考えでしょうか

雇う側が強い関係から、対等な関係になると思っています。

どうしても雇用者 対 被雇用者と、対立構造になりがちだったこれまでの雇用関係もよりフラットに、より自由度高く変わっていくと考えられます。

働く場所、働く時間、雇用形態など「働くスタイル」を個人が目指す理想に合わせて、企業がどう向き合うのかがより求められるようになります。ただ、それは個々人の想いを実現することではなく、企業も個人に自由であることの責任を問うことができるということでもあります。それぞれがこれまで以上に自律した関係で結ばれる関係になっていくケースは増えていくのではないかと思います。

【セッション3】
チャレンジし続ける組織改革。組織へのアクションはコストなのか、それとも投資なのか?

大山 元康氏/不二製油株式会社 人事総務部門長補佐・Well-Being OSAKA Lab実行委員長・大阪府公民戦略連携デスク スーパーアドバイザー

働き方3.0が求められる理由には、何があるとお考えでしょうか

不二製油では、2015年から本格的に働き方改革に着手。実務に落とし込む「Creative Work PJ(C‐WORK)」プロジェクトを発足させ職場環境改善、人事制度改革、業務システム改善、意識改革に取組んでいます。

最終ゴールを『従業員が幸せを感じる会社になる』と設定し、総実労働時間や有給休暇取得日数などKPIを設定して進めましたが、それだけでは最終ゴールに到達できないことに気付きました。働きやすい環境や制度も整ってきたのですが、メンタル休職者は増加し、若年層の退職者数も増えているのが現状で、次の手を講じないといけないと感じています。

そして、ダイバーシティーと健康経営の必要性、女性、外国人、障がい者、シニア層の活躍を見据えた施策、風土改革が求められ、これまでの改善では限界があると感じています。

働き方3.0は、超高齢化社会を見据えた施策が必要です。大阪府と企業・大学は、働き方改革や健康経営等に関する課題・情報を共有するためのプラットフォーム「Well-Being OSAKA Lab」を立上げました。健康に関する様々な課題解決を図ることで従業員一人ひとりがイキイキと働ける職場づくりを推進しています。複数企業と連携して推進することで、早期解決に繋がると考えています。

働き方3.0を推進するうえで、意識すべきポイントを教えてください

人生100年時代を迎え、従業員の人生設計を見据え人材育成をして行くことが必要と考えます。

平均寿命は戦後50歳から80歳に伸び、人生90年時代も間近です。誰もが健康で長生きすることを望むとを思えば、この超高齢化社会は、「人類の理想」と表現されることもあります。そのため、多くの人が100歳を超える時代を想定しておく必要があり、生涯現役を前提とした人生設計、経済社会システムの再構築に備える必要があります。

企業の人事部でも、優秀な人材を採用して60歳以降も元気でイキイキと働き続けられる人事制度への転換が求められ、従業員の人材育成にも力を入れて行く必要性に迫られています。

従業員が健康でなければ長く働けないうえ、定年は無制限になる時代が来ることも意識しておく必要があります。特にこれから激増するシニアの活用次第で会社の業績が変わる可能性があります。このことから、健康経営は最も意識しておくべきものではないでしょうか。

今後、”個々人の働き方”と”企業”はどうなっていくとお考えでしょうか

まず、前提として、人生100年を考えた人生設計を会社と従業員が共有しておくべきだと考えます。従業員は、65歳以降も働き続ける状況になります。健康な人は特にそうでしょう。

また、IT技術の進化により、定型的な業務はシステムに置き換わっていきます。これにより、企業は、対象業務者に対する教育と従業員への危機感の醸成も必要になってきます。一方、従業員は、スキルアップや、自己啓発に努めれば、配置転換先や転職先の選択肢を増やす時代になってくると思います。

従業員の適材適所の配属、やりがいのある仕事の提供は、企業側も増やしたいと考えています。それにともない、従業員の満足度、納得度を向上させる努力は、引き続き施策に織り込まれていくはずで、会社と従業員の評価制度、処遇の明確化が進むでしょう。よって、これから健康と個人のスキルアップの両軸を重要視した流れになっていくのではないでしょうか。

野田 公一氏/元合同会社西友・ウォルマート・ジャパン・ホールディングスCHRO(最高人財責任者)・株式会社Works Human Intelligence 最高人財責任者(CHRO)

働き方3.0が求められる理由には、何があるとお考えでしょうか

働き方3.0が求められる理由には大きく3つあります。
第一に、圧倒的な人手不足です。もはや、人が足りなければ補充すれば良いという考え方は、どの企業にも通用しません。ヒト・モノ・カネのなかで、今やヒトは最も貴重で得難いリソースとなったのです。企業側はそのことを強く認識する必要があります。

第二に、働く側の意識の変化です。昔は、嫌なことでも多少のことなら我慢して歯を食いしばって、いろんなことを犠牲にして働くという価値観が多くの人にありました。それが、次第にワークライブバランスという言葉とともに、仕事もやるけど、個人の人生も充実させようという気運が高まりました。しかし、ワークライフバランスには仕事自体はつらいものだという前提が何となくあります。今、起こっていることは、仕事自体も楽しくて意義のあるものにしたい、という考え方です。特に、この意識は若い人たちの間で顕著になってきています。

第三に、生産性の向上です。日本企業の生産性の低さが指摘されて久しいです。働き方改革は、いかに休むかということを考えるのではなく、いかに効率的に働いて生産性を上げるのか、ということを追求しなければなりません

働き方3.0を推進するうえで、意識すべきポイントを教えてください

企業側、とくに経営陣は大きく考え方を変える必要があります。
たとえば、人材採用においても、企業側は何となくまだ企業側が採用候補者を選んでいるという意識が残っています。そうではなくて、今は、企業側が採用候補者から選別されている時代なのです。こうした古い意識のままで企業の偉い人が面接に出ると、言葉や態度の端々に表れてしまい、候補者はそれを鋭く察知します。人材獲得競争の厳しいIT企業はいち早くそこから脱却し、候補者ファーストの採用プロセスを構築しつつあります。

また、従業員への接し方も変わらなければなりません。「マネジメント」とか「管理職」ということばには、従業員とは「管理するもの」という産業革命以来の大量生産を前提にした製造業の古い考え方がベースになっています。

しかし、もはや働く人達は管理されることを嫌います。管理しないと働かないではないか、というのは間違いです。彼らは放っておいても働くのです。管理しようとするのではなくて、いかに彼らが快適に集中して前向きに働くように出来るか、そのような環境を整備することこそが企業に求められています。

今後、”個々人の働き方”と”企業”はどうなっていくとお考えでしょうか

より対等になっていきます。個人それぞれの価値観のなかで、個人が貴重な時間を投資して、意義と意味のあることのために企業でパフォーマンスを発揮します。企業は、そうした個人の活躍を後押しするプラットフォームになります。

これは、別に個人のほうが企業より偉いとい意味ではありません。あくまでも対等なのです。企業は企業として実現したいビジョンと社会的意義を明確に再定義する必要があります。そしてそのビジョンを実現するために賛同する仲間を集めて、彼らが最大限に誇りを持ってそれに取り組める環境を整備しなければなりません。

さらには、個人の働き方は一か所に限定されなくなっていくでしょう。個人の人生のなかで、時間や場所を選ばない”パラレルワーク”をする人が増えていくでしょう。個々人の価値観や状況にあった企業やプロジェクトに応じて、様々な企業や個人間同志で多くの仕事が発生し、多種多様な働き方が出てくるでしょう。すでに、それを可能にするテクノロジーやツールは出てきています。これから10年で個々人の働き方は大きく変化していきます。

Writer 執筆者

おかんの給湯室編集部

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