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5分でわかる労働衛生|具体的な対策や利用できる助成金を紹介

「働きやすい職場で働きたい」。

これは誰しもが思うことで、企業はそのための努力を惜しんではいけません。インターネットが普及し、SNSをみなが利用する時代において、この努力を怠ると最悪の場合、企業の存続にかかわる事態になりかねません。

そうならないためにも「労働衛生」の考え方をしっかりと理解することが大切です。労働衛生は労働安全衛生法によって規定されており、さまざまな取り決めが義務化されています。これを守らないことはコンプライアンス違反となり、罰金が科されてしまうこともあるため注意が必要です。

この記事では労働衛生の基本的な考え方から、その具体的な対策までを丁寧に解説していきます。自社の状況と照らし合わせながら、従業員が働きやすい職場づくりに役立てもらえれば幸いです。

労働衛生とは?

「労働衛生」とは、労働者の健康を維持するために職場の環境や条件を改善していくことを一般に指し、産業衛生や工場衛生と呼ばれることもあります。この労働衛生は「労働安全衛生法」で規定されており、会社は労働者の健康維持・増進のための環境整備に努めなくてはいけません。

労働衛生に関する規定ははもともと、昭和22年に制定された労働基準法の中に盛り込まれていました。しかし、高度経済成長期に入り大規模工事や生産拡大が進むと、毎年数千人もの労働災害死亡者が発生する状況になります。それを受けて昭和47年に労働者を守る目的で現在の労働安全衛生法が成立しました。

労働衛生の3管理とは?

「労働衛生の3管理」とは、作業環境管理、作業管理及び健康管理のことを指しています。労働衛生管理の基本となる考え方で、これに総括管理と労働衛生教育をくわえ、5管理とすることもあります。ここでは3管理がそれぞれ「何を意味しているのか」を詳しく確認していきます。

作業環境管理

「作業環境管理」は、作業をおこなう環境中の有害因子(作業の妨げとなる要因)を把握し、それを良好なものへと改善していくことを意味しています。有害因子とは、作業環境における「危険物や粉じん」「不適切な温度」「騒音」などを指します。従業員にとって有害となる要因を排して、適切な作業環境を管理していくことが必要となります。

作業管理

「作業管理」とは、社員の健康や安全が守られるような作業方法を定めることです。作業環境管理との違いは、作業管理が「作業の内容」を対象にしているのに対して、作業環境管理は「作業をおこなう場所・空間」を管理の対象としてます。作業時間や作業方法、作業姿勢などをマニュアル化したり、チェックしたりするのが作業管理の一例です。

健康管理

これは従業員の健康面を継続的にチェックしていくもので、健康診断や保健指導などが健康管理にあたります。有機溶剤やなまりなど、有害物質が発生するおそれがある作業をおこなう場合は、特殊健康診断をおこなうことも大切です。

最近では、身体的な健康にくわえて、メンタルヘルスのケアも注目が集まっています。従業員が心身ともに健全な状態で仕事ができるよう、企業がサポートをしていく必要があります。

労働衛生を推進する理由

労働衛生対策をおこなうことのメリットを紹介していきます。労働衛生に取り組む利点と併せて、対策をおこなわない場合のリスクも併せてしっかりと理解しておいてください。

事故を未然に防ぐ

安全労働衛生法が成立した背景を見てもらえばわかる通り、労働衛生についての対策を怠ると労働災害のリスクが高まります。労働衛生対策を講じて、作業時の事故を防止することは企業において大変重要です。最近では長時間労働による過労死が社会問題となっており、これも労働災害のひとつと言えるでしょう。物理的な事故だけでなく、精神面が起因となるトラブルにも気を配る必要があります。

人材の流出を防ぐ

もしも、職場の労働環境が悪ければ、それにともなって離職者が増えるのは必至です。いまはSNSなどですぐに噂が広まり、そうなってしまえば人を集めようとしても「募集をかけても、人が集まらない」ということも大いに考えられます。従業員が働きやすい環境を整備することは、企業の持続的な成長のためには不可欠な要素と言えます。

企業のブランド価値低下を防ぐ

前述した通り、評判はすぐに広まります。しかも、悪い噂であればあるほど、その広まるスピードは速くなります。労働衛生の取り組みをしなかったために、ブランド価値低下にいたった会社は枚挙にいとまがありません。

「過労死」「長時間労働」「ブラック企業」などのイメージが1度世に浸透してしまうと、それを払しょくするためには長い時間と労力が必要となります。そうならないためにも、労働衛生の対策に積極的に取り組むことが大切です。

社員のやる気低下を防ぐ

職場環境が悪ければ、社員は働きづらくモチベーションの低下につながります。社員の働きがいや生産性の向上のためにも、労衛生対策について真剣に考えるようにしましょう。

労働安全衛生強化のためにするべきこと

それでは労働衛生のメリット・デメリットがわかったところで、次に具体的に「どのように強化していけばいいのか」について説明したいと思います。

安全衛生管理体制の構築

労働安全衛生法では、事業所規模や業種に応じて「安全衛生管理体制」を整備しないといけないと規定されています。

安全衛生管理体制とは、職場で働く人数に応じて衛生推進者や産業医を設けなくてはいけないという決まりです。たとえば、201~501人の従業員がいる職場では、衛生管理者2人と産業医1人を設定します。この安全衛生管理体制を適切に構築していない場合、改善命令や罰金が科されることもあります。


【参考】厚生労働省「職場のあんぜんサイト」より作成

またそのほかの決まりとしては、50人以上の事業所では月に1度安全衛生委員会を開き、議事録も3年間保管しないといけないという規定なども設けられています。

労働衛生の3管理についての具体策

次に、労働衛生の3管理についての具体的な対策を見ていきましょう。

作業環境管理

作業環境管理においては、主に以下の5要素を定時・定点観測をおこないます。継続的に職場環境をチェックし、働きやすさ改善を進めましょう。

要素1:空気
・チリやにおいなどが気にならないか
・喫煙対策がされているか
・有害物質に従業員がさらされていないか

要素2:温度・湿度
・作業をおこなうところの温度・湿度は適切か
・季節に応じた温度管理・湿度管理ができているか
・屋外作業の場合、夏・冬の影響を緩和する策が講じられているか

要素3:明るさ
・作業場が暗すぎない、もしくは明るすぎないか
・照明の色は作業しやすいものになっているか
・窓からの採光は適切にとられているか

要素4:音
・従業員が集中できるよう、静かな環境を用意できているか
・作業の邪魔になるような騒音がしないか
・作業音をともなう場合、騒音を抑制する対策がとれているか

要素5:広さ
・作業場は狭くないか
・通路が適切に確保されているか
・圧迫感を感じないような空間づくりができているか

作業管理

作業管理についての具体策も見ていきましょう。

作業をマニュアル化する
作業をマニュアル化することで人的ミスを防ぐことができ、労働災害リスクを抑えることができます。マニュアル化をするということは、作業一つひとつを見直すきっかけにもなり、「どこの作業に危険性があるのか」というようにリスクの洗い出しにも効果があります。

正しい姿勢で作業ができるよう改善する
工場やテレアポのように、長時間にわたって同じ姿勢で仕事をする職場では、従業員が正しい姿勢で作業をおこなえるような環境整備をします。無理な姿勢が続くと、腰痛や膝痛などにつながる危険性があります。机といすの高さを調節したり、立ち仕事の合間に座れるようにしたりするなど、改善をおこないましょう。

作業時間を適正化する
長時間労働が続くと、従業員の集中が続かず、どうしても心身ともに疲労してしまいます。危険をともなう作業の場合には、ケガや事故につながりかねません。定期的に休憩をとる、作業員を増やし一人当たりの労働時間を減らすなどの対策が必要です。いかに従業員の負担を減らす仕組みがつくれるかがカギとなります。

設備を整える
他の項目と共通する部分でもありますが、作業で用いる設備や機械を使いやすいものにすることも大切です。たとえば、大きな動作音のする機器を低騒音のものにするといったように、仕事に集中できるような環境整備をおこないます。

健康管理

健康管理では、従業員の疲れやストレスをいかにケアできるかがポイントとなります。身体的なケアだけでなく、精神的な状態にも着目した対策が必要です。

相談できる窓口を設置する
従業員が心身ともに安定した状態で仕事ができるよう、相談窓口を常設しましょう。その際には、会社の内部に相談窓口を設置するのではなく、第3者機関に委託するのがおすすめです。「企業内の窓口には相談しづらい」と感じる人も多く、外部委託することで相談しやすい環境づくりをおこないます。

休憩室やシャワー室を確保する
野外での作業や、汗をかいたり、体が汚れたりするような作業をおこなう事業所では、休憩室やシャワーを設置します。これらの施設を清潔に保ち、従業員が快適に利用できるようにすることも忘れてはいけません。

敷地内に緑地を設ける
工場立地法では、「工場の敷地内に一定割合以上の緑地を設けないといけない」と定められています。緑地や広場で従業員が運動したり、散歩したりすることでリラックスができる環境整備をしましょう。工場に限らず、オフィスワークにおいても体を動かせる施設があるといいでしょう。

労働衛生対策の助成金

労働衛生に関する助成金は主に以下の4つ。

  • ストレスチェック助成金
  • 職場環境改善計画助成金
  • 心の健康づくり計画助成金
  • 小規模事業場産業医活動助成金

それぞれどういったものなのかを確認していきます。

ストレスチェック助成金

平成27年に労働安全衛生法が改正され、企業においては「ストレスチェック」と「面接指導」が原則義務化されました。従業員50人以下の事業場においては努力義務となっており、ストレスチェック実施推進のための助成金が設定されています。

【条件】
・従業員50人以下の事業場
・ストレスチェック、医師による面接指導の実施 など

【金額】
1人につき500円、面接指導などは1回につき最大21500円

【URL】https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1255/Default.aspx

職場環境改善計画助成金

職場環境改善計画助成金は、ストレスチェックの集団分析をおこなって、その結果をもとに「職場環境改善計画」の立案・実施をした企業が対象。計画を実施した際の、指導費用や設備購入費用などの助成を受けられます。

【条件】
・ストレスチェック集団分析の実施
・専門家もしくはメンタルヘルス対策促進員の助言・指導に基づいた、職場環境改善計画の作成・実施 など

【助成金額】
最大10万円

【URL】https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1258/Default.aspx

※補足:専門家とは産業医や保健師、看護師、精神保健福祉士のこと。また、メンタルヘルス対策推進員は、産業保健総合支援センターの専門スタッフのこと。

心の健康づくり計画助成金

「心の健康づくり計画助成金」はメンタルヘルス対策促進員の助言・支援に基づいて、心の健康づくり計画の作成・実施をすることで助成を受けることができる制度です。

【条件】
・メンタルヘルス対策推進員の助言・指導を受ける
・心の健康づくり計画の作成・実施 など

【助成金額】
一律10万円

【URL】https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1264/Default.aspx

小規模事業場産業医活動助成金

50人以下の小規模事業場では産業医の設置は義務付けられていません。しかしながら、事業場の大小にかかわらず、従業員の健康づくりは重要です。「小規模事業場産業医活動助成金」は規模の大きくない事業場でも、産業医や保健師などによる指導を受けられるようにするための制度です。

【条件】
・従業員50人以下の事業場
・産業医や保健師との契約
・産業保健活動の実施(保健師との健康相談、職場の巡視、復職面談など)
・契約内に「産業医または保健師に労働者が直接健康相談ができる」という条項が含まれている場合は、上乗せ助成(直接健康相談環境整備コース) など

【助成金額】
最大60万円

【URL】https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1267/Default.aspx

まとめ

労働衛生の対策をおこなうことは、すでに企業の常識となっているといっても過言ではありません。対策をしないことのデメリットは挙げればキリがないほどで、これを怠るとさまざまなトラブルが生じます。

従業員が働きやすい環境を整備することは、企業の義務であり責任です。利益追求が過ぎると、どうしても労働衛生の取り組みがおろそかになってしまいがちです。ただ、長い目で見た場合、労働衛生に取り組むことの価値は大きく、決して侮ってはいけません。

職場の環境チェックを定期的におこなったり、従業員アンケートをとったりして、労働環境の改善に努めるようにしましょう。

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