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5分でわかる 360度評価|導入企業・システム・ポイントは?

会社・企業のビジネスモデルや、働く人の経験・職種やワークスタイルが多様化する中、人事評価に関しても、制度の見直しを検討されるケースが少なくありません。このような背景を受け、多くの会社・企業から注目されているのが360度評価です。

そもそもどのような仕組みやシステムなのか。実際に導入するとどのようなメリットやデメリットが想定されるのか。実際に360度評価を設計・導入・運用する際、成功の確率を高め、失敗を予防するにはどうすれば良いのか。そうした疑問や不安をお持ちの方も少なくないでしょう。

今回は、今注目を集める360度評価について皆様にお伝えいたします。

360度評価とは?

まずは、360度評価とはそもそもどのようなものなのか。一般的な評価制度と何が異なるのか。360度評価が会社・企業から興味を受けるようになった背景も含めてお伝えできればと思います。

そもそも360度評価とは?

そもそも、360度評価とはどのような仕組みやシステムなのでしょうか?

360度評価は、簡単に言えば、「同僚の社員や部下の社員、取引先やお客様から全方位的に評価を受ける制度のこと」です。従来の上司から部下への評価という一方通行で下す評価とは、この評価の方向性が異なります。役職やスキル、立場や職務が違う様々な関係者から、多面的かつ多角的に評価を行うことで、対象となる社員の姿をよりはっきりとさせる手法です。

360度評価は、別の言い方では多面評価とも呼ばれますが、この呼び方のほうが360度評価の実像をイメージしやすいかもしれませんね。

一般的な評価との違い

一般的に会社・企業で行われる評価は、上から下、すなわち上司から部下をみる形で実施されます。

そうした一方通行の評価ではなく、全方位からの評価を行い、評価対象者の実情をより明確にしようとする点が一般的な評価と異なる点となります。しばらく前の日本は、終身雇用を前提として就業形態もある程度均一であったため、年齢や勤続年数をもとに評価者を選定しても大きな問題とはなりませんでした。

けれども、業務内容や働き方、ワークスタイルが多様化する中、一つの基準だけで評価者を設定することが危険となりつつあります。そこで、過去の経験や先入観、業務の実績などによる評価の歪みを相対化するために用いられるのが360度評価なのです。

360度評価のメリット・デメリット

次に、360度評価を採用した際に想定されるメリットとデメリットを挙げていきたいと思います。360度評価の採用を検討されている方は、以下に挙げる良い面・悪い面を踏まえて、設計・導入・運用するようにしてください。

360度評価のメリット

評価の客観性が高まる

評価を行う際、評価を行う側は公平性をもち客観的に取り組むことが求められます。

しかし、前提条件や経験、性格も異なる以上、誰の目から見ても公平かつ客観的な評価を、全ての階層で実施することは現実的に不可能です。360度評価は、上司から部下のみならず、部下から上司、同僚、場合によっては社外のお客様、取引先までも含めて評価を行う制度です。

そのため、一人の評価に比べて、評価の客観性が高まります。評価者する人の幅や層、数が広がることで、評価の角度や視点の幅が飛躍的に広がります。誰の目から見ても納得性の得やすい評価を下すことが可能となります。

行動指針・ミッションの浸透につながる

評価を下す側となって始めて見えることや理解できることは少なくありません。

役職者にならなければそうした評価の機会が得られないとなると、経験値を高める機会を後ろ倒しにしてしまいます。その点、360度評価は評価者になる機会を広げ、早期化させることも可能です。また、評価を受ける側も、ある側面からではなくあらゆる方向から常時評価を受けることを意識してもらうことが可能となります。そのため、評価の背景にある会社・企業の行動指針・ミッションに接する頻度を高めることができるのです。

360度評価を通じて、会社・企業の行動指針・ミッションへの理解を深める一助とすることもできるのです。

360度評価のデメリット(注意点)

評価者によってクオリティにばらつきが出る

仮に同じ業務であっても、取り組む人によってその業務のクオリティにはばらつきが発生してしまうものです。

定性的な要件も少なくない評価にあっては、評価を行う人間によって評価のクオリティのばらつきが発生してしまいます。

仮に評価を行う人間に関係なく同じ評価項目であったとしても、経験・前提条件が異なる以上、こうした評価のクオリティのばらつきは避けられません。そのため、360度評価においては、ばらつきが発生するという前提で設計・導入・運用することが失敗の予防に繋がります。

上司と部下の忖度

評価制度に関するデメリットに、部下が上司に対して行う過剰な気遣いや配慮、忖度が挙がります。

部下からすると、上司の心象で評価が変化する可能性があるため、このような行動が取られてしまう可能性があります。360度評価においては、関わる評価者が広がるため、こうした過剰な気遣いや配慮、忖度が全方位に広がってしまいます。結果、社員同士が空気を読みあい、対象の社員同士でお互いの評価を良くし合う事態も想定されます。

360度評価を導入する際、会社・組織としてあるべき姿、理想とする評価に対して真摯に向き合える環境を整備することも求められるのです。

健全な業務運用に悪影響を与える可能性がある

一般的な評価制度においては、上司が部下の評価の権限を有していることで、業務の徹底度を高めることにも寄与しています。

360度評価においては、このような一方向性がなくなり、上司に対して部下からも評価が下されるため、業務の指示や徹底度が下がってしまう可能性があります。場合によっては、あるべき業務フロー、マネジメント体制にも悪影響が発生してしまう可能性があります。

相互の評価を気にする余りに会社・組織のあるべき姿から乖離してしまっては意味がありません。360度評価を導入の前には、そうした弊害もあらかじめ見越しておくことが大切です。

360度評価実施のポイント

続いて、360度評価を会社・企業で実施するにあたってのポイントや導入までのステップに触れていきたいと思います。

360度評価を通じた目標・課題を明確にする

第一のステップは、360度評価を活用して目標や目的を具体的にするのかを明確にすることです。

実現する目標や目的を一つにしぼる必要はありませんが、幹部社員の昇格の判断基準が目標・目的なのか。それとも、双方向的な評価を通じた社員のレベルアップが目標・目的なのか。目指す方向性に応じて、設計・導入・運用において加味するべき点が変わってきます。

事前の周知を緻密におこなう

第二のステップとして、360度評価を通じた目標・目的の実現のため、人に対する準備を行うようにしましょう。

今までとは評価のあり方が大きく変わるため、関わる社員からの不安を招く可能性があるためです。従来の評価制度から切り替える360度評価の実施の目的や、360度評価導入による昇進・昇級への影響、更には、匿名性が担保され、評価者がどのように選定されるのか。基準や運用方法などもしっかりと周知するようにしましょう。

360度評価導入によって初めて評価に関わる人も少なくありません。評価対象者自身の評価と評価者の評価の齟齬に着目して、客観性を持ったフィードバックするように努めるなど評価やフィードバックの方法については特に注意を払うようにしましょう。

目的・規模に応じた制度設計

第三のステップとして、目指す目標・目的に応じた制度を実際に設計していきます。

特に、運用において肝要になる評価基準に関しては、質問内容を評価者に応じて変更する。客観的な行動・特性に関する質問を設ける。回答に「わからない」などの項目も設ける。といった点を意識し、現実的な運用に足るものを設計してください。更に、スタートする際、360度評価を実施する時期や実施方法、実施する頻度、関わる人員の運用プロセスも事前に検討しておくことが肝要です。

事例|360度評価で効果をあげる導入企業

次に、360度評価導入企業の取組みを紹介いたします。各社とも、制度・仕組みの変更を通じて何を達成したいのか。その目的を明確にした上で、様々な工夫がなされているのが特徴です。

アドビシステムズ株式会社

アドビシステムズ株式会社では、2012年より制度を変更。上司が部下を評価する従来の仕組みから継続的なミーティングによる関係性を強化する「チェックイン」を導入しました。

1年に一度評価結果のみが上司から伝達される形態の評価制度から上司と部下の関係性を強固で密なものとすることに重きを置いた評価に変更。

その結果、下された評価の決定理由に納得感が高まり、社員の満足度を飛躍的に高めることに成功されました。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、社員のパフォーマンスをしっかりと評価することを明確な目的に据え、2018年に人事評価制度を刷新。

その中で、各人がメルカリのバリューにのっとった行動を取ることができているかを適切な評価するために、社員同士でリアルタイムに360度でフィードバックすることができる仕組みを導入。

個々人の行動を可視化し、評価を下す際に参考とできるようにしたことで、評価の精度と納得感を高めることに繋がっています。

株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エーは、2017年より役職者を対象に360度のフィードバックを開始。

評価にフィードバックを直結させることよりも、現状の課題や改善点を明確にすることを目的とした制度です。

そのため、フィードバックを全て記名式で運用する点がユニークで、結果をその後直接コミュニケーションで改善することが可能となっています。

360度評価に実施する際のツール・サービス

以上のように360度評価について取り上げてきましたが、自社で一から設計して導入、運用する必要はありません。

専門性の求められる分野だけに、社内だけで悩むのではなく、外部の力も借りるようにしてみましょう。

下記に挙げる会社・企業に関わらず、豊富な実績を有したテンプレートやフォーマット、導入から運用までのサポートまで優れたノウハウを有しています。上手に活用してみてくださいね。

人事評価システム|株式会社あしたのチーム

中小企業向けの導入実績がトップクラスの1,300社。準備段階における現状の分析から実際の評価制度の構築、導入支援、運用支援まで一貫したサポートが可能です。

クラウド管理を採用したシステムも有しているため、実際に導入する際の間接コストを圧縮することも可能です。実績に裏付けられたテンプレートやフォーマットなど豊富なノウハウも有しています。

参照:https://jinji-cloud.jp/

クラウド評価advance|株式会社船井総合研究所

120業種・6000会員の実績をもとに設計されたクラウドの評価制度を展開。

様々な業種の個別の特性や課題、事業モデルに精通し、そうした課題に応える評価制度のパッケージを多数有しているため、迅速にスタートをすることが可能です。

また、各業界の実情に精通しているからこそ、導入から運用まで、業界ごとの事例も踏まえた細かなサポートが可能です。

参照:http://www.funaisoken.co.jp/lp/advance.html

スマレビ|株式会社シーベース

様々な会社・企業の人事情報の可視化ツールとして15年以上の実績を有しています。

運用時に問題となるUI設計や、結果の出力レポートのデザインなどきめ細かな機能が高く評価されています。

必要に応じて、評価項目のテンプレートなども提示してもらい、それらを実情に即してカスタムしながら取り組むことも可能です。

参照:https://www.hrm-service.net/360degrees/

まとめ

以上、360度評価についてお伝えいたしました。

簡単にまとめますと、360度評価は、同僚の社員や部下の社員、取引先やお客様から全方位的に評価を受ける評価制度のことです。多くの人が評価に関わるきっかけを創出できるため、意欲やモチベーションを高め、行動指針・ミッションの浸透といった効果も期待できます。ただし、デメリットも少なからず予見されるため、導入の際は、多くの会社・企業事例やパートナーの知見も活かしながら検討することが肝要です。

社内だけ、担当者だけで悩むことなく、広い視野を持って取り組むことができれば、会社・企業に対して大きな効果を期待することができるのです。

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