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人手不足の原因把握で対策!働くヒトに選ばれる企業になるために

日本の労働市場では、サービス業や建設業などを中心に人手不足の問題が取り沙汰されています。特に2018年に入ってからは「人手不足倒産」という鮮烈なワードが話題になったように、事業継続すらままならない企業も現われるほど事態は深刻です。

労働者の視点から日本の労働環境を見てみると、有効求人倍率は1.5倍を超えてもなお上がり続けています。そんな状況下において企業がより良い人材を集めていくためには、求職者から魅力的な企業として評価されることは当然のこと、今いる従業員からも「この会社で良かった」と思ってもらえるような環境づくりが不可欠です。

そこで今回は、人手不足が起こる原因を分析するとともに、求職者や従業員から『選ばれる企業』になるためにとるべき具体的な対策を3つご紹介します。

人手不足が起こる原因とは?

人手不足が起こる大きな原因の一つが、「労働人口の減少」です。急速に進む少子高齢化の影響により、日本の労働人口は減少の一途をたどっています。今後もこの流れは加速していくことが予想されており、既に人手不足に悩まされている企業にとってはその問題がより深刻化することも覚悟しておかなければなりません。

それでは、雇用動向を示す重要指標のひとつである「有効求人倍率」に焦点を当ててみましょう。平成20年(2008年)9月に起こったリーマン・ショック以後は、平成25年あたりを境に1.0倍を回復し、その後も堅調に推移。今年6月の数値では、1.62倍と非常に高い水準を記録しています。求職者の数よりも求人数の方が多い「売り手市場」な状況は、今後も続いていく見込みです。

出典:厚生労働省「職業安定業務統計」

また、人手不足が起こる原因として他にも考えられるのが、企業ごとの「労働環境における格差」です。高度経済成長期以後の日本社会には、最初に入った会社を定年まで勤めあげるという「終身雇用」が一般的でした。

しかし最近では、以前と比べて「転職」に対する日本人の心理的なハードルが下がりつつあります。その理由は、従来の日本的雇用システムの根幹である「終身雇用」が崩壊しつつあるため。労働者はより自分にとって働きやすい会社を求めて、積極的に転職を行うようになってきているのです。

そんな状況下においては、労働者から選ばれる企業とそうでない企業に大きな差が生まれ始めています。より良い会社には多くの人材が集まる一方、労働者から評価が得られない会社は、慢性的な人手不足の状況に置かれてしまうわけです。

人手不足で苦しむ会社の特徴

さて、前項で例として挙げた「労働者から評価が得られない会社」とは、どのような会社を指しているのでしょうか?その特徴を整理するために、エン・ジャパン株式会社が2017年に5000名以上を対象に実施した「退職のきっかけ」に関するアンケートを参考にしてみましょう。

このアンケートで「退職を考えたきっかけ」として挙げられた項目の多くは、労働者にとっての『働きやすさ』に深く関わっていることがわかります。

特に3位以下のうち、「残業や休日出勤が多くて辛かった」「人間関係がうまくいかなかった」「仕事のしすぎで体調を壊した」「福利厚生などの待遇が悪かった」といった項目は、そのまま「労働者から評価が得られない会社」の特徴としてぴったりとハマります。要するに、人手不足で苦しむ会社の特徴は、「労働者にとって働きやすい環境を整備できていない」という一言に集約されます。

人手不足が自社に降りかかる理由

本項ではもう少し具体的な解説として、職務満足に関する理論である「ハーズバーグの二要因理論」を引用しながら「人手不足が自社に降りかかる理由」をご説明します。

「ハーズバーグの二要因理論」とは、「職務満足」と「職務不満足」が生じる原因に関する理論。職務における「満足」と「不満足」の要因は、それぞれ別々のものであるという考え方です。そして、この理論の提唱者であるアメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグは、満足に関わる要因を「動機づけ要因」(働きがい)、不満足に関わる要因を「衛生要因」(働きやすさ)と定義しています。

この「ハーズバーグの二要因理論」を人手不足の会社に当てはめて考えてみると、動機付け要因と衛生要因の両方、もしくはどちらかの要因が整備できていない状態である可能性が高いといえるでしょう。

どちらの要因も非常に重要ではありますが、特に意識すべきなのは従業員の不満足につながってしまう衛生要因。具体的には、仕事環境や休憩時間、報酬、対人関係などが含まれます。前項で紹介した「退職のきっかけ」に関するアンケートでも、ほとんどの退職理由が衛生要因に該当するところを見ても、人手不足の問題が衛生要因による不満足と密接に関わっていることは明らかです。

人手不足の解決策 〜まずは働きやすさを向上させて不満要素を減らそう〜

ここまで見てきたように、人手不足の大きな原因は『働きやすさ』に関する不満が最も大きい要素です。そこで本項では、従業員の不満足解消を図る際に、優先して取り組みたい3つの対策をご紹介します。

有給取得の促進

1つ目の解決策としては、有給休暇の取得を促進するという方法。体調管理や労働時間の面で働きやすさの向上が見込めるため、不満足の解消が期待できます。

しかし、諸外国と比較すると日本の有給休暇取得率は高い水準とはいえません。旅行サイトExpediaの日本法人・エクスペディア・ジャパンが2017年12月に発表した「有給休暇・国際比較調査2017」では、日本の有給消化率は50%で、調査を行った30か国中最下位であるという結果が明らかとなりました。さらに、同調査では有給取得に罪悪感を感じる人の割合も示されており、こちらでも日本は30か国で最も多い63%という結果が出ています。

また、政府もこの問題には積極的な姿勢を示しており、2018年6月29日に参議院本会議で可決された「働き方改革関連法案」でも「有給休暇の消化義務」を企業に課しています。つまり、企業にとってはこれまで以上に「有給を取得しやすい環境づくり」が急務といえます。

有給休暇取得の制度化と義務化については、下記でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

有給休暇の取得を制度化させて促進!各社のユニークな事例を紹介

有給休暇5日の取得義務化は平成31年4月から?どのように変わるのか要点をおさらい!

社内コミュニケーションの活性化

2つ目の解決策は、社内コミュニケーションの活性化です。「退職のきっかけ」に関するアンケートでも人間関係や社風に関する項目が挙がっていましたが、社内でのコミュニケーションを活性化することでそういった不満の解消が見込めます。

社内コミュニケーションを活性化するための具体的な施策については、社内報やレクリエーション、従業員アンケートなどさまざまなものがあります。内容については下記にて詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

社内コミュニケーションをデザインする。活性化のポイントとは?

食事の福利厚生

3つ目の解決策は、食堂や昼食補助などの食事に関する福利厚生です。マンパワーグループが2015年に行ったアンケート調査では、「実際にあった福利厚生でよかったと思うもの」の1位に「食堂、昼食補助」が挙げられています。

この調査からもわかるように、福利厚生としての食事補助は従業員の働きやすさに好影響をもたらします。さらに、一般的に導入までの準備が大変な福利厚生の中でも、食事補助は比較的導入がしやすい点も大きなメリットです。衛生要因に関する課題があまりに多くてどこから手を付けたら良いかわからない場合は、ぜひ食事の福利厚生から検討してみましょう。

具体的な食事補助・食事手当の事例については下記で紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

社員への食事補助・食事手当のポイント|メリット・事例・サービス集

まとめ

人手不足の問題は、その企業の『働きやすさ』と密接に関係しています。従業員が高いモチベーションを持って働くためには「ハーズバーグの二要因理論」でいうところの「動機づけ要因」も重要ですが、いくら「動機づけ要因」が充実していても、「衛生要因」が整っていなければ従業員の不満足が大きくなって離職を招く危険が高くなります。

人手不足に悩む企業が優先して取るべき対策は、「有給取得の促進」「社内コミュニケーションの活性化」「食事の福利厚生」の3つです。ぜひこの記事で解説した点を意識したうえで、働くヒトに選ばれる企業になるための一歩を踏み出してみてください。