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売上と利益の伸び率がエンゲージメントに関連!企業業績に関する研究結果

株式会社リンクアンドモチベーションの研究機関であるモチベーションエンジニアリング研究所は、慶應義塾大学ビジネス・スクール(以下KBS)岩本研究室と共同で「エンゲージメントと企業業績」に関する研究を行いました。

研究の背景

エンゲージメントの重要度の高まり

昨今、政府主導の働き方改革推進の流れにおいて、長時間労働の削減といった量に関するテーマだけではなく、労働生産性向上といった質に関するテーマにも注目が集まっています。そして、労働生産性向上のための最重要課題として、従業員との「エンゲージメント」が取り上げられることが増えてきています。

エンゲージメントとは、「企業と従業員の相互理解・相思相愛度合い」のことです。つまり、エンゲージメントが高いほど、「従業員の欲求充足」と「会社の成果極大化」が同時実現されるということです。同社では、これまで約2,700社660,000名に対してエンゲージメント調査が行われてきました。労働力人口の減少・人材の流動化が進む現在、従業員に選ばれ続ける企業かどうか、従業員との相思相愛状態を維持できる企業かどうかが、業績だけに留まらず、企業の存続自体に影響する環境になっています。

そこで、今回、同社が開発した組織サーベイである「エンプロイーエンゲージメントサーベイ」のデータを活用し、KBS岩本研究室と共同で、エンゲージメントと企業の業績の関連性が分析されました。

エンプロイーエンゲージメントサーベイとは

エンプロイーエンゲージメントサーベイは、エンゲージメントファクター(従業員のエンゲージメントに大きく影響する16の要素:下図参照)に基づいて網羅的に設問項目が設計されています。

それぞれの設問項目に対し「従業員が会社に何をどの程度期待しているのか」、また「どの程度満たされているのか」の2つの観点で質問が行われています。 そして、回答結果からエンゲージメントスコアという、エンゲージメントの偏差値を算出し、A~Eの5段階に分けています(Aが高くEが低い)。そのエンゲージメントスコアを用いて、「エンゲージメントが高いと、その次の年に売上や利益が伸びるのか」の分析が行なわれました。

研究結果

売上と純利益の伸び率が上がるとエンゲージメントも上がる

エンゲージメントと売上/利益との関連

上グラフは、縦軸が「売上/純利益の平均伸長率」、横軸が「エンゲージメントスコアのランク」です。

エンゲージメントスコアと売上伸長率の相関を分析したところ、Dランク以下の企業では、売上伸長率が4.2%だったのに対し、Bランク以上では19.8%に上りました。また、エンゲージメントスコアと純利益伸長率の関係では、Dランク以下では純利益伸長率が-56.7%だったのに対し、Bランク以上では+67.1%となりました。

売上/純利益いずれの伸長率とエンゲージメントスコアとの間にも、右肩上がりの関係性が見られました。

エンゲージメントスコアと利益の伸長率の「バラつき」


上グラフは縦軸が「純利益の伸長率の分散値」、横軸が「エンゲージメントスコアのランク」です。エンゲージメントスコアがDランク以下である企業は分散値が34.59であったのに対し、Bランク以上である企業の分散値は8.38となりました。

つまり、エンゲージメントスコアが低いほど翌年の純利益の「バラつき」が大きく、高まるにつれて「バラつき」が小さくなる傾向が見られました。

エンゲージメントスコアを高めると企業業績が伸びる

純利益には、本業である営業利益の他にも様々な要素が関連します。その中でも、エンゲージメントスコアと右肩上がりの関係性が見られるということは、営業利益等にはより強い関係性があるのではないかと推察されます。今後、統計的に厳密な分析を行っていくとのことですが、今回の調査では、エンゲージメントスコアが高い企業は、翌年の売上/純利益の伸びが大きくなる可能性が示されました。

つまり、「エンゲージメントスコア向上は売上と純利益向上に効果的である」といえます。また、エンゲージメントスコアと、翌年の売上/純利益の伸びの安定性が関連する可能性があるということも示されました。これは「エンゲージメントスコアが低い企業は業績が安定しない傾向があり、逆にエンゲージメントスコアが高い企業は、その高さが安定した業績を支えている可能性がある」といえるでしょう。

今後も、分析対象企業を増やしながら統計的な手法を活用してさらに分析の精度を高め、エンゲージメントスコアが企業パフォーマンスに与える影響をさらに検証していきたいということです。

研究概要
・調査名  :「エンゲージメントと企業業績」について
・調査対象 :全194社
・研究期間 :2017年7月~10月
・調査方法 :2013年~2017年にエンプロイーエンゲージメントサーベイを実施した企業のうち、売上・利益データを取得できた企業194社から算出

※今回の分析では、取得できた企業データのうち、サンプル数が多く取得できるよう「純利益額」が用いられました。

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