オフィスおかん導入企業1200社突破!自動販売機プランもスタート

“幸福働”実現への取組こそが<働き方改革>。元スクエニ 岡田 大士郎氏が考える場創りで総務も意識改革を!

株式会社おかんが主催する、エンプロイー・エクスペリエンスに着目した日本初の経営者と総務・労務・人事担当者が集う日本最大級のカンファレンスイベント<Employee Experience Summit>が3月7日(水)に行われます。当日はより深い内容をお届けできるようサミットの前段として、トークセッションに登壇されるゲストに、株式会社おかん代表取締役 CEOの沢木が、バックグラウンドや実践されている取り組みを伺ったシリーズを掲載します。

今回は「管理部門こそ花形部署へ!これからの企業経営を変えるのは攻めの管理部門!」に登壇する元株式会社スクウェア・エニックス 総務部長 岡田 大士郎氏。総務は雑務的な存在ではなく、組織を元気にする「戦略総務」である。そして風土を変える「革新総務」へと変化する必要があると提案され、大きな話題を呼びました。今回はさまざまな役職を経験された視点から、今までにはない総務のあり方を伺いしました。

 岡田 大士郎氏  
元株式会社スクウェア・エニックス 総務部長

1979年4月日本興業銀行(現みずほ)入社。広島支店、興銀リースに4年間出向後、本店営業部、ロンドン支店勤務を歴て、本店経理部税務室を最後に、1999年7月ドイツ証券(国際税務統括)に転職。2005年1月よりスクウェア・エニックス。05年7月~07年8月スクエニ米国法人COO、07年9月より本社総務部門で総務部長としてワークプレイス変革、インナーブランディン等、経営基盤の維持構築に従事。2018年2月退任。 2015年のJFMA優秀オフィス賞を受賞。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム(FOSC)副代表理事。また、2014年9月よりニューオフィスマネジメント研究会の代表幹事を務め、総務ネットワークの拡大に取り組んでいる。2017年11月には一般社団法人日本ライフシフト協会理事に就任。

総務・労務・人事担当者必見!『Employee Experience(エンプロイーエクスペリエンス)Summit』とは?

元株式会社スクウェア・エニックス 総務部長 岡田 大士郎氏

ワクワクして働く“幸福働”が重要になる

―岡田さんはどのような経歴を経て、総務のお仕事を担当されているのでしょうか。

もともと私は総務のプロではありませんでした。スクウェア・エニックス(以下、スクエニ)に入社したのが2005年ですから、13年目2か月在籍させてもらいました。もともとは金融業界に25年ほど務めていました。スクエニに入って半年ほどは内部監査業務を担当した後、2005年9月から2007年9月までにアメリカの現地法人のCOOに着任し、200人規模の組織作りや場作りを経験してきました。そして本社に戻ってきた2007年9月から総務部の仕事に従事してきました。

その時は総務に関してまったくの素人でしたが、与えられたミッションが「総務で組織を元気にする」という非常にシンプルなものでした。アメリカでの経験を生かし、本社でも同様のミッションに携わることになった経緯があります。

―さまざまな役職を経験されて、幅広い知識がある岡田さんから見て、現在の企業の働き方に対してどのような考えをお持ちでしょうか。

私は今の時代、「働き方」とは何か、そして「働き方改革」の本義とは何かを今一度考えてみることが必要と思っています。労働法規に準拠した「労働」が「働く」と考えられている現社会の状況では、雇用者対被雇用者視点での「労働時間」、なかでも「時間外労働時間」の問題が「働き方改革」の主論点になりすぎている印象があります。

社会問題となった過剰労働が引き金となり、「働き方」を見直す政府の動きは歓迎されるものですが、本来、「働く」とは、私たち「人間」にとって、豊かで幸福な社会を創造してゆく活動であり、働く人一人ひとりが、人生の充実感や幸福感を感じながら、自律的にワクワクして取り組むものではないでしょうか。

私は、本来「働く」と「暮らすこと」はシームレスなものであり、「ライフワークインテグレーション」 つまり、人生時間を社会に提供する価値創造活動が「働く」意味だと思っています。そして、人生時間の中でワクワクして働く“幸福働”こそが、本来の「働く」スタイルであるべきと考えています。然し乍ら、現実は、「労働時間」という拘束時間の中で、組織社会に管理された「働き方」が働く人々の常識となっているように感じています。

総務や人事等、管理部門の方たちは、働いている人たちの意識を高めるための施策を問われますよね。その時に研修や育成、インターンシップにおいて、さまざまな人事施策を打ちますが、「幸福働」の実現を企図してアプローチしているものは少ないように感じます。会社に帰属して仕事をする前提条件があり、IQ的な視点から優秀かどうかの線引をし、ふるい分けをする。そのなかで「働かせる」「働かされる」的な意識が、今の組織社会では「常識」となっています。本来「働く」と「暮らすこと」はシームレスになるべきで、人生を送るなかに仕事があり、そして社会貢献などで価値を生み出し、自分なりの納得感を持ちながら生活の糧を得るべきものだと思います。強要されたり、やらされ感を感じたりしながら行うものではありません。

一方で「生活と仕事は別物である、だから両方共うまくバランスを取りましょうね」というのがワークライフバランスの動きかと思います。これはこれで素晴らしい考え方なのですが、その先にある本来の意義は、仕事と暮らしや趣味と仕事、遊びと仕事などの「幸福」実現の為の「バランス」です。幸福は人生のベースにあるものです。そしてイキイキと楽しく生きるために「心身の健康」が大切です。

「人が育つ」組織作りが必要

―その点は、世の中では「健康経営」ということがよく言われていますね。これは「幸福働」の追求ということにはなりませんか。

「健康経営」には、「プレゼンティーイズムによる企業損失をしないように、経営の視点で従業員を大切にしよう」というロジックがあります。しかし社員側からすれば、こういった見せ方をすることで「自分たちが会社の資本であり、代替可能な歯車と同じ」と穿った見方をする人もいます。私は「健康経営」の本質とは、人事部等の管理部門が社員の「心身の健康」を増進し、健全な仕事環境を維持改善してゆくことだと思います。ただし、個々人の健康状態への関与が行き過ぎると、管理・監視社会となることに留意する事も大切ですね。

―なるほど。岡田さんは「幸福働」という働き方の実現に向けて、どのようにアプローチされてきたのかが気になります。

私は本来、働く人一人ひとりが、自立して、自分をしっかり自覚した上で社会貢献ができるように、組織側が意識すべきだと考えています。「人を育てる」意識ではなく、「人が育つ」環境や仕組みを作っていけば、おのずと会社が繁栄したり、発展したりすることにも繋がっていくのではないでしょうか。この「人が育つ」組織作りに「幸福働」の「場」作りが問われることになります。

例えば、多くの企業の「働き方改革」では、仕事量は今まで通りこなして、でも残業しないように早く帰ることを推奨しています。しかし、多くの人は、簡単には「そうはいってもどうすればいいの?」と難しいと感じているはずです。ここでも何か噛み合ってないと感じると思います。

それは、実務的なプロセスの観点に加え、「場」の環境等が醸し出す働く人への心理的影響を考慮せずに、結果のみを問う風土というものが原因にとなっているのではないでしょか。また、コミュニケーションの観点でも、「コミュニケーションを取りましょう」というものの、どのようにコミュニケーションを取るかをきちんと伝えられていません。それぞれの企業に根付いている「企業文化・風土」が、改革や変革の足枷となることもあります。

私は、日本特有の「風土」を作っている背景には、「ヒエラルキー社会」つまり「階級的組織社会」の意識構造があると思っています。高度経済成長を体現し、日本社会を支えてきた猛烈意識DNAが、日本の組織社会に埋め込まれているように感じます。

私は、所謂、「上意下達」「ウォーターフォール」の組織運営が当然という「社会常識」に縛られた「組織風土」の改革が「幸福働」実現への取組と意識してきました。言い方を変えれば、「幸福働」実現への取組こそが「働き方改革」なのです。もっと本意的に、働く人一人ひとりが活躍できる枠組みや楽しんで働ける仕事環境、喜びを感じられる仕事観などをどうやって整えてゆくべきかを考えることが大切です。

LAで体験した自分流にアレンジしたワクワク空間で働くトップクリエイターの働き方


―具体的にはどのような考え方に基づいて、そういった課題を克服され幸福「場」作りをなさったのでしょうか

私がLAで勤務していた2年間、米国大手エンタテイメント企業で働くクリエイターやクリエイティブオフィス環境を知る機会があったのですが、ワクワクする素晴らしい環境と、自分流にアレンジしたワクワク空間で働くトップクリエイターの働き方を羨ましく感じていました。そして日本に戻り最初に感じたのは、「クリエイター一人ひとりが、楽しんで遊びや趣味のごとく仕事に携われるような環境と意識をどのようにすれば創りだせるのか!」でした。

私自身、クリエイターの方々のマインドや行動意識が理解できていなかったので、まずは「人間とは」を知るべく、脳科学に生理学、そして心理学や行動学などの学際的な領域の勉強を重ねました。自分自身の経験から思うのですが、人間は何かに夢中になり、集中をする時間が続いたとしても、フィジカルへの負荷はありますが精神的には疲れないですよね。

学術的研究成果を学んでみると、クリエイターが創作活動を集中し共創できる「場」創りのヒントになる有用なデータや知見がたくさんあり、自分自身の視野が広がりました。そしてなぜ実業の世界は、こういう学術的知見や研究結果を活用しないのか!とも思いました。

学術的なことは大学教授、科学者、技術者、研究者の専管事項ではないはずです。彼らは豊かな未来社会、幸福社会を作る手立てとして、さまざまな技術開発や考え方を研究されています。私はこれを使わない手はないと思いました。「オフィス学」は、一説によると60分野以上の学際領域の集大成ともいわれています。私は、ここから知のエッセンスを集約し、特に心理学を軸とした人間科学視点での様々な知見を組み合わせることにより、働く人にとってワクワクしながら潜在能力を発出できる「場」や制度作り、そして、「幸福働」を演出することができると思っています。

経営者が納得感を感じるストーリーテリングを構築するのが鍵

―よく「ファシリティマネジメント」を経営に落とし込むことは、難しいと言われています。どのように進められているのでしょうか。

ファシリティマネジメント視点で、経営を考えている経営者はたしかに少ないですね。常に言われるのが、ファシリティや空間への投資をして、その成果が売り上げにどのくらいつながるかということ。どの組織でも、これを実証する事は難題の一つです。完璧な方程式での証明は不可能だと思います。

では、どのように説明説得してゆくのか。未知な部分も多いので、合理的な仮説を置きながら、ベンチマーク作業による数値化を徹底した上で、人間心理や行動のシナリオをつくり、経営者が納得感を感じる「ストーリーテリング」を構築してゆくのです。私自身、組織社会を離れた後のチャレンジテーマとしては、この経験とストーリーテリングをどう普遍化するかということを考えていきたいと思っています。

人間はもともとクリエイティブなもので、総務の人たちも同様にクリエイティブです。そういう方々が仕事に励む人を演出し、舞台の仕掛けを作るだけで、世の中はものすごく変わってくるでしょう。私が取り組んできた「場」創りとは、ファシリティマネジメントのハード面に加え、そこで働く人がどう感じて、どう意識が変わっていくかというソフトファクターが軸となっています。ですから、最近はそういった話をするときに、人材教育を担当されているなど人事系の方々と話が弾む事が多いですね。

―総務も人材のポテンシャルを開放してゆくため演出家の役割があるとなると、人事と総務の境界線って存在するのでしょうか。そして役割分担するとして、どうやったら効果を最大化に引き出せるのかと感じました。

私見ではありますが、人事目線からお話しすると、戦後の間もない時に労働三法ができ、そこで「働く」という定義が出来上がりました。それが現在でも当たり前の常識となっています。人事部の仕事には、採用や評価の業務的な視点と労働法の遵守が根幹にあります。人事部は組織での業務においてガバナンスの問題が問われ、法の枠組みの中で組織を適正に運営しながら、社員を管理してゆくことがミッションの一つになります。

モチベーションマネジメントなど、意識づけや人の能力を開発したりすることも人事部の仕事の重要な仕事ではありますが、職場の環境や働いている人たちの心地良さやワクワク「場」の力をプロデュースして、社員のエンゲージメントを高めてゆくことは総務部門の役割です。

企業によっては総務・人事の境なく、何でも屋として動かれている組織もありますよね。組織が大きくなるにつれて、総務と人事に分化していくだけですから、私は境なくオールマイティにできればいいと思っています。人事と総務の視点を融合していった先が総務の役割であり、そうすることで会社の「人を活かす」取り組みができるのではないでしょうか。これからは、総務部門と人事部門との相互連携を強化する事が大切だと思います。

総務は「エンプロイー・コンシェルジュ」へ


―なるほど。あらためてこれまでのご経験を踏まえて、総務をゼロベースから定義するとしたら、どういう表現をされますか?

総務を漢字で書けば「総」てを「務」めると書きます。行政では総務省など重要な機能になりますよね。しかし民間ですと、総務のイメージは「ショムニ」的な、「出来て当たり前」「縁の下の力持ち」「雑務係」のイメージがまだまだあるのが現実です。ルーティンの作業が多い業務には、RPAやAIなども取り入れて改善の余地がまだまだあるとは思いますが、総務とは、単純作業だけでなく多くの付加価値創造の領域があります。

私は、新しい視点で「総務」を表現すると、例えば「コーポレート・コンシェルジュ」や、「エンプロイー・コンシェルジュ」など、会社生活や組織生活を送る人たちの総合サービス部門という言い方がしっくりきますね。私自身もそういう意識でやってきました。

―私もその言葉を聞いて納得感があります。今回エンプロイー・エクスペリエンスという単語をピックアップした時に、まさに「従業員が企業や組織の中で体験する経験価値」と我々なりに解釈しました。そして総務に限らず、管理部門の方たちが総合的に価値を生み出して欲しいという想いも組み合わせました。そういう意味では「コーポレート・コンシェルジュ」、「エンプロイー・コンシェルジュ」というのが、まさにエンプロイー・エクスペリエンスの考え方がベースにあるのではと感じました。

同じ視点だと思いますね。

―ちなみに経営陣が、総務は総合的なコンシェルジュであるという意識を理解していないと、なかなか意思決定は進んでいかないと思います。企業のトップの意識を変えていくために、今お話いただいた考え方をインストールするためには、どうすればよいのでしょうか。

組織社会での立ち位置が変わると、意識も変わるますよね。私も振り返ってみると、アメリカでCOOをしていた時と今見える景色は違っています。しかしトップの方はその人なりのビジョンをお持ちだから、少し話しただけで意識を変えるのは難しい。だからこそどうやったら意識を変えられるかと考えました。

まず、何か施策を議論するときに、前提が「これだけ費用を出すなら、これだけ効果が出る」という経営感覚の費用対効果の話になります。そこで私は「いやいや少なくとも費用ではなく投資ですよ」と。投資対効果ではなくて、我々がやっているのは「投資対人間心理効果」、「社員心理効果」という話をします。

そして意識を変えるためには、根幹な部分から「ストーリーテリング」をする必要があるのです。施策を実施することで、最終的に純利益を極大化させる仕組みが見えるように、角度を変えながら数字を作っていきます。世の中のありとあらゆるデータからベンチマークを設定していくのです。

ある時はミーティングで拘束される1人あたりの人件費を算出して、生産性が高まる施策を提案しました。一概に生産性を上げようとなっても、どこを抑えて、どこを効率的におこなうかは、組織にゆとりがないとなかなかうまく行きません。そこで実際の数字を出すことで、どう適正化すれば演出していました。このような見せ方も交えた先に、この施策が何を生み出すのかというストーリーを作って行きます。そしてトップ経営陣の納得感を醸成してゆくやり方を今まで行ってきました。

―おもしろい見せ方ですね。素晴らしいお話をありがとうございます。当日はさらに岡田さんの頭の中にあるものを引き出していければと思います。

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【開催概要】
・日時:2018年3月7日(水)14:00〜20:00
・場所:東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRID 6F
・主催:株式会社おかん

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