オフィスおかんで「働く」を支える食事を

ワクワクする職場へ…リクナビNEXT編集長・藤井氏が提案する「働きがい改革」に迫る!

働く人が主人公となってイキイキできるアクションを表彰する『GOOD ACTION』。これまでに『おかんの給湯室』では、「あの企業の成功事例を効果別に紹介」、「すぐに取り入れられるGOOD ACTION」を紹介してきました。

今回は、この『GOOD ACTION』を主催するリクナビNEXTの編集長であり、審査員も務める藤井薫氏に取材を敢行!『GOOD ACTION』を起こす秘訣や今後の展望、また働き方改革に関する藤井氏の考え方まで、様々な視点から“働く”ことについてお伺いしました。

前回記事:働き方改革は社員思いの“グッド”な“アクション”から始まる!成功事例を効果別に紹介
前回記事:思い立ったら今すぐアクション!今日から始める職場改革のいろは

 
リクナビNEXT編集長・藤井氏にインタビュー

左:藤井薫氏(リクナビNEXT編集長) 右:鈴木いづみ氏(アドミニストレーション統括室 広報部)

ーーGOOD ACTIONを始めて今年で4回目ですが、これまでにどのような特徴が出てきていますか。

藤井氏:量的な部分と、質的な部分の2つ特徴がありますね。量的には、毎年コンスタントに数十件のご応募をいただけるようになってきている点が挙げられます。そういう意味では多くの新しい職場作りのACTIONが集まってきている状態です。もう一つの質的な面から中身を見ていると、例えば10名くらいのベンチャーさんから30万人程度の大企業まで、規模的にも幅広い企業に沢山ご応募いただけております。

ーー具体的な傾向などはあるのでしょうか。

藤井氏:ビックデータの用語で3V(Volume・Variety・Velocity)という要素がありますが、この3Vが応募ACTIONに増えてきていると思います。

Volumeは“職場作り”という新しい息吹が日本中で広がっている量的な要素。Varietyは、「職場作りっていうのは人事じゃなくて現場がやってもいいんだ」とか、「職場作りに文化や企業の理念が凄く関係している」など、影響をあたえられる幅の広がりが出てくる要素ですね。

速度とか迅速なとかいう意味があるVelocityは、例えば「3年間計画してオフィスをやっと移転します」や、「1年かけて人事制度作っているけど、後の10年はやりません」ではなくて、頻度を上げて制度や環境を調整することを指します。このような頻度的なものも含めて職場作りが変わってきた印象がありますね。

ーー毎年この3Vが広がっていく実感がありますか。

藤井氏:ありますね。本当はこのGOOD ACTIONがなくても、各職場職場で様々な試みってあると思うんです。これを花に例えると、その花が咲かせられるように、このGOOD ACTIONを使って光と水を土におくっているような感じですね。日本全体にそういう土壌ができていけば、職場ってもっと面白くなって、皆さんの自信にも繋がると思っています。

ーー藤井氏が感じる “働き方の変化”などありますか。

藤井氏:働く喜びには、「衛生要因」と「動機付け要因」の2つの側面があります。「衛生要因」は、仕事を苦役と捉えて、その代償として報酬や休みがなるべく欲しいという状態です。もう一つの「動機付け要因」は、それだけではなくて、働くことにはやりがいがあって、自分がやっていることは社会を良くしているといった自己効力感や、社会から褒められた実感など、仕事を通じてフィードバックを得られることを指します。

そういったものが働く喜びに繋がるのですが、今の「働き方改革」って、最初に言った「衛生要因」に光を当てた方が多いと思います。ですので、GOOD ACTIONには「動機付け要因」に影響を与えるような取り組みが集まってほしいと考えています。皆さんがこれによってもっと世の中を良くできるかもしれないというワクワク感が少しずつ出てきている感覚が、このGOOD ACTIONにはあるんですよ。だから、実際GOOD ACTIONを受賞されている方には、「働き方改革」っていうよりも「働きがい改革」のような視点が含まれています。



-ーGOOD ACTIONを上手く起こせていない企業も多いかと思いますが、アドバイスのようなものはありますか。

藤井氏:GOOD ACTIONに応募された取り組みを読み解くと、やはり一番最初にコンセプト(Concept)というものがあって、その次にコンテンツ(Contents)、最後にコミュニケーション(Communication)があります。これを3Cと言っていますが、コンセプトっていうのは別の言葉で言うと、原体験とかですね。たった個人のたった1人から始まる、強い動機とか、いてもたってもいられない感覚などがとても大事だと思ってます。

最初は「この職場の朝のイマイチ感を直したい」、「少しでも元気な何かにしたい」という部分から始まるんですね。そして、そういうことを解決するために何が効くんだろうか…と考えて、「まずは勉強会をしてみようか」とか、「一人一人と話してみようか」というコンテンツに繋がる。

最後のコミュニケーションっていうのは、一人では絶対に無理なので、仲間を作っていくということですよね。大きな職場を全体でなんかしようっていうのではなくて、まずは目の前にいるこの5人、6人とかの人たちと「なんかまずはやってみない?」っていうところから始まっていくのが、これまでのGOOD ACTIONの共通項のような気がします。

ですので、「なんとなく職場を変えたい」ではなく、動機づけとなる出来事や、コンセプトになりうる体験に、GOOD ACTIONを生み出していくヒントがあるのではないでしょうか。

ーGOOD ACTIONの具体的な今後の展望などありますか?

藤井氏:4年目になるので、先に挙げた3Vをもっと広めていきたいですね。日本全国にある中堅企業から大企業まで顧客接点があるリクルートキャリアの営業陣は、経営の観点で人員戦略をどう立てていくかで困っている企業が多いと言います。各企業と接点のある営業と一緒に3Vを広げるという使命がリクルートキャリアにあると思っています。実は、このGOOD ACTIONというのは、すごい深い意味を持っていて、リクルートキャリアが持っている理念と根底のところで繋がっていると思います。


出展:https://www.recruitcareer.co.jp/company/vision/pdf/research_report.pdf

そもそもリクルートキャリアのビジョン(理念)は『ひとりでも多くの人たちが「働く喜び」を膨らませ、
「働く喜び」の輪が、新たな活力を生み出している社会を創りたい』というものです。それに関係して毎年、5000人を対象に「働く喜び調査」を行っています。その中で、「働く上で、働く喜びを必要としていますか?」という質問をしたら、80%以上が「はい」と答える。ところが「現在、働く喜びを実感しているますか?」と聞くと一気に下がってしまうんですね。

2/3の方たちが「感じてない」と答えるのは由々しきことですよね。逆に1/3の方たちは感じているのですが、その方たちを調べていくと共通項があります。私はこれも3Cと呼んでいるんですけども、働く喜びを感じている人は「自分の持ち味を生かせてる」という感覚を持っている人に多く見られます。その感覚のベースには、ひとつ目の「C」である「持ち味の自覚」(Clear)があります。自分の思考や行動の「軸」が自覚的になっている人たちっていうのは、すごい働く喜びを感じやすくなっています。

もう一つはChoiceと呼んでいて、自身の持ち味が活かせる仕事や職場を選択していることが共通項として挙げられます。3つ目がCommunicationで、そういう持ち味を生かせる仕事や職場を選んだ後に登場する上司や同僚の人たちと密なコミュニケーション機会があると働く喜びを感じやすくなります。

先ほどの2/3の方たちが働く喜びを感じていないということは、こうした3Cの構造がうまくいっていないと思っています。なので、この考え方をもっと広げていきたい。リクルートキャリアのビジョンでもあり、使命(ミッション)でもあると思っています。



ーー鈴木さんは社内広報のご担当でいらっしゃいますが、御社のモチベーションを上げるための取り組みで何かユニークなものはありますか?

鈴木氏:当社のGOOD ACTIONはというと、「のりおさん」という存在がおりまして、50代後半のキャリアアドバイザーを担当している男性なんですね。その方が、朝フロアをぶらぶら回ってきて、知らない社員にもどんどん声をかけられるんですよ。知らない社員はびっくりしてしまうんですけど、お構いなしにどんどんみんなに話しかけて。

のりおさんは当社の社員に、縦でも横でもなく斜めに関係を築いて欲しいと思っています。だけど、なかなか組織の壁があってうまくいかないから、自分が声をかけてあげることがきっかけとなり、斜めの関係が築けるようになってほしいという意味で、色々なフロアを回って声かけをしているんです。

あとは、月に1回、誰でも参加可能の「のりおを囲む会」という飲み会も開いています。「個人の趣味です」と言いながらも、のりおさんほど顔が広く、長い経歴の方は貴重なので、その方に話を聞ける機会があるのは若手にとっても良い影響を与えているんです。直属の上司に相談できない話も、斜めの関係ののりおさんだったら打ち明けられる。そこから上司に橋渡しをする役割までされていたりします。

ーーそれは素敵な方がいらっしゃいますね!

藤井氏:リクルートには、風土としてお節介文化というものがいっぱいあるんですよね。それはさっき申し上げたコミュニケーション機会があるということを意味していて、仕事では絡むことはないけど相談してもいいという関係が築けたり、もしかしたら自分のことを期待してくれている人が色々なとこにいてくれる感覚はすごく大事なんですよね。のりおを囲む会というのが象徴的ですけど、いろんな場面にこうした取り組みは無数にあります。これを広げていきたいですよね。

ーーGOOD ACTION自体は新卒生の参考にもなると思いますが、GOOD ACTIONをこう使って欲しいみたいな希望はありますか?

藤井氏:新卒生の方にも社会人の方にも使って欲しいのは、職場が持っている価値をもう一回見つめる物差しとして使って欲しいなと思っています。今は、新卒生は就“社”活動をやっていますよね。どんな会社なんですかと言うことを会社パンフレットなどで見たり、どんな会社で、風土・文化を持っているのか先輩インタビューをしたりして、自分の勤める会社を決めている。

ですが、最近はIT専門職採用みたいに新卒の頃から職種限定型で入社する傾向も生まれ始めています。すると、自分が配属される職場全体の様子は、なかなかわからないですよね。会社でも職種でもなく、職場という単位の目線で物を見つめられるかというのはとても大事になってくると思います。そこで、このGOOD ACTIONを通して、現場の声を拾ってほしいと思っています。

【ちょっと小話】

「働き改革、楽しくないのはなぜだろう。」と題し、公開されたアリとキリギリスと様々な虫たちが繰り広げる「ワークスタイルアニメーション(https://cybozu.co.jp/20th/)」。働き方改革に疑問を呈した内容で、「残業編」「女性活躍編」「イクメン編」を展開している。この動画から藤井氏は何を読み取ったのか…。直球質問をぶつけてみました。

ーーサイボウズが公開した「アリとキリギリスの動画」をご覧になったとのことですが、その感想をお聞かせください。

あの動画は、本音と建前を上手くあぶり出していますよね。1本目の動画では、アリの巣の上に何か落ちてしまって、穴の中で働いているアリが外に出られなくなっている。「これちょっと早帰りデーなのにまずいな…今日早く帰らないといけないのにな」と言ってるんですよ。皮肉なのは、15時だから仕事を終えよう!といっても、巣を塞いでいるものを取り除く作業をやめちゃったら、そもそも外に出られないので、帰ろうにも帰れないというパラドックスみたいなのが生まれてしまっている。目の前に困っていることが起きて、今はやるべき時なのに、早帰りデーだからできない…ということが今までのイマイチ感を作ってきたわけです。

そもそも働く職場っていうのはフォーマルとインフォーマルっていうものが2つ動いています。どんなに制度で「みんな絶対に●時に帰ろうぜ」というフォーマルでいったとしても、インフォーマルなところでは、「そんな時間に帰れるわけない」、「今週の場合は違う曜日の方を早く帰りたい」というのが、心の中で動いて、こっちの方が現実だったりする。インフォーマルなところに本当はパワーを与えてあげないといけないのに、それをフォーマルで縛ってしまうというのは職場をマイナスにしてしまっています。これが上手く表現されていると思います。

Supported by GOOD ACTION
Edit & Text:おかんの給湯室編集部

INFORMATION

GOOD ACTION リクナビNEXT
募集締切:2017年9月29日(金)23:59まで
賞:2018年2月13日(予定)に行われる表彰式にて表彰、および、GOOD ACTIONサイトにて取り組みを紹介させていただきます。
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