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「AI面接官」が主流に?人事部が押さえるべき面接のこれから

AIによる採用活動や面接が当たり前になる日が近づいてきました。近年、最適な候補者を抽出するためのエントリーシート選考や人材マッチングシステムなど、「Human Resourceテック」と呼ばれる人事分野のAI活用が進み、今や面接業務までもが実用化されています。今回はますます利用層の拡がりが見込まれるAI搭載の面接サービス(以降「AI面接官」)の姿と、人事部が把握しておきたい現状についてお伝えします。

AI面接官=人工知能搭載の面接サービス+スマートフォン/人型ロボット

たとえば、この10月下旬から運用が開始された「SHaiN」では、応募者が面接サービスの専用アプリをダウンロードすることで利用が可能です。スマートフォン以外では、人型ロボットと連携させ特設会場などで面接を行うなどのシーンが想定できるでしょう。

AI面接官の面接メソッドとは?

面接はデバイスを通じて音声が読み上げた質問に対し、応募者が口頭で答える形で行われます。企業にとって必須であるとされる資質11項目に対し、応募者がどれほど満たしているかを判断するために、AIが音声や表情を含めた回答データを解析するという仕組みです。

質問に見るAI面接官のコミュニケーションスキル

面接サービスに用意されている質問は100通り以上あり、質問に対する答えが具体的になるまで応募者に質問を投げかけます。単に「はい」「いいえ」だけで終わらない、いわゆる開かれた質問が応募者の主体的な回答を引き出すのに効果的です。AIは、応募者からの回答によって、次の質問を判断しつつ面会を進めていきます。

AI面接官を利用するメリット

では企業にとって、このようなサービスを利用するメリットはどこにあるのでしょうか。

統一した基準で応募者を評価できる

人は無意識に生じるバイアスによって偏った判断をしてしまいがちです。そんなバイアスの代表的なものに、自分と似ている人に親近感を抱く「類似性効果」や、優れた一点があると全てが良く見えてしまう「ハロー効果」などがあります。このことからもわかるように、面接業務ではどうしても評価者による判断のバラつきがでてしまいます。しかし、明確な解析基準を持つAI面接官であれば、受験者の資質を取りこぼすリスクの低減が期待できます。また、応募者の面接内容がすべて記録されますから、応募期間を通じて評価者の思い込みを反映させないのが大きな利点でしょう。AI面接官は、面接の精度を上げる意味において非常に有効なツールといえます。

採用業務の省力化

企業の規模によっては、たとえば受験者が1万人以上になるようなケースだと面接スタッフが千人程度必要になります。対人で行う場合は面接によって本来の業務が後倒しになりますが、AI面接官を利用することでそのコストを軽減することができます。

より多くの応募者が選考可能

応募者の都合がいい場所やタイミングで面接できるため、企業側としては場所にこだわらず、広い範囲で募集をかけることができます。より多くの応募者を選考することによって、より優秀な人材を獲得が期待できます。

AI面接官のデメリットは?

今後利用が増えそうなAI面接官ですが、デメリットがあるとすれば何があるでしょうか?企業はどのようなことに配慮したら良いのでしょうか。

あくまでも資質分析ツール

現時点でAI面接官の利用が奨励されるのは初期面接の段階のみです。感情の動きを追い、社内文化に一致するかどうかまでの判断が難しいからです。AI面接官にできることは、集めたデータを解析して点数化させる段階までですから、評価者としての企業側の一貫した採用理念は不可欠でしょう。

多様性を創るのは人

17年6月に実施された就職大手の調査によると、AIによる採用に対し、学生7000人のうち56.2%が「反対」「どちらかというと反対」だとしています。学生たちにとっては選抜効率を上げるための自動足切りツールと懸念されているようです。また、AIの選抜基準に頼りすぎることで、画一的な人材ばかりが増えれば多様性を失うと指摘する専門家もいます。

まとめ

採用側のバイアスや思い込みを排除しつつ有望な応募者を抽出できるAI面接官は、ミスマッチの予防やコスト低減、人事担当者の省力化など採用効率の向上に貢献します。応募者にとっても、採用担当者との相性や性別などによる恣意的な排除をなくし、公正な選考を実現させるツールです。このように親和性の高いAIと採用選考業務ではありますが、あくまでも有望な応募者の「今」を知るツールとして認識する必要がありそうです。その先の教育を含め、人事スタッフによる中長期的なデータ分析が必要だとする意見も見られました。いずれにせよ、AI面接官のようなHRテックを知り上手く活用することによって、人事業務の質を大きく向上させることが可能でしょう。